【内閣委員会】豪雨災害/被災者へコロナ対策も含めたプッシュ型支援を

 政府に対し、各地で相次ぐ豪雨災害の被災者への支援策として、避難所へコロナ対策を含めた必要不可欠な物資を輸送する「プッシュ型支援」や、ホテル・旅館の借り上げなどが必要だと主張しました。

 私は、全国で約2000の避難所が開設されているとして、マスク・体温計・消毒薬、段ボールベッドやテント、パーティションなど国がプッシュ型支援を行うよう要求。

 内閣府防災の赤沢亮正副大臣は、ホテル・旅館なども含めた多くの避難所の確保、マスク・消毒薬などの用意、避難所の具体的なレイアウト図などを示す通知を自治体に出してきたと答弁しました。

 私は、報道を見る限りでもパーティションやテントも設置されていない避難所もある。プッシュ型の対応が必要だと指摘。プライバシー確保、感染防止に必要な対策を取ることや、ホテル・旅館の借り上げの実施を促すよう求めると強調しました。

 赤沢副大臣は、足りていないところがあれば何故なのか確認したいと答えました。

 私は、感染力の強いデルタ株の広がりに応じた対策を進める必要があると指摘。

 赤沢副大臣は、感染対策は適切に講じられているとしつつ、「対策は不断に見直したい」と述べました。

 私は、毎年のように「これまで経験のない大雨」が同じ地域で被害をもたらしていると指摘。政府の国土強靭化の検証が必要だと主張しました。


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「議事録」

<第204通常国会 2021年8月18日 内閣委員会 第35号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 全国各地で豪雨による河川の氾濫や土砂災害が相次いでおります。亡くなられた方々の御冥福をお祈りをし、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
 被災者の救助、救難、生活再建支援に全力を挙げることを求めるものです。そして、コロナ禍の災害対応が必要であります。
 全国で約二千の避難所が開設をされておりますが、感染拡大を防止する対策の徹底を図ることが求められております。マスクや体温計、消毒液などを配付するとともに、段ボールベッドやテント、パーティションなど、プッシュ型の支援をしっかりと行ってもらいたいと思いますが、お答えください。
○赤澤副大臣 今回の豪雨災害によりお亡くなりになられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表しますとともに、全ての被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。
 委員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の現下の状況においては、避難所における三つの密の回避など感染防止に十分留意する必要があるため、自治体に対して私どもから累次にわたり通知を発出をしてきたところでございます。
 具体的には、ホテル、旅館などの活用も含めた可能な限り多くの避難所の確保、あるいは、マスク、消毒液などの用意など避難所の衛生管理などについて事前の準備を促すとともに、感染防止の観点から、避難所の具体的なレイアウト図などをお示しするなど助言に努めてきたところであり、避難所における感染症対策は、これまでのところ、おおむね適切に行われてきたと考えております。
 御指摘の段ボールベッドあるいはパーティションなどの物資については、これまでのところ、自治体において適切に確保されてきたところでありますが、今般の豪雨が現在も継続していることから、現在の被災地のニーズだけでなく、今後新たな被害が発生した場合などに国の支援が必要になれば、自治体など関係機関と速やかに調整の上、対応してまいります。
 今後とも、感染拡大防止の観点から、災害が発生した場合には地方公共団体を適切に支援してまいります。
○塩川委員 報道で映像で拝見した中でも、必ずしもパーティションをしっかり据えられていない、テントも設置をされていない、個人で持ち込むようなテントでおられる方、それ以外の方はそのまま素でいらっしゃるという、こういう現状というのはまずいわけで、そういったところに対してどうなっているのかといったことについて、支援する物資のプッシュ型も含めた対応が必要だと思うんですが、改めて、いかがですか。
○赤澤副大臣 御指摘の点については私どもも確認をしてみたいと思いますが、これは、自治体の判断で、基本的に、必要な物資を調達をまずして、プッシュ型でなくても対応できるということを通知などで求めているところでありますが、もし、委員御指摘のことを確認した上で何かしら足りていないところがあるとすれば、それが逆に言うと、調達をきちっとできずにそうなっているのか、した上で何かの判断でしていないのか、その辺、ちょっと事実関係から始めさせていただきたいというふうに思います。
○塩川委員 過去には、全体が見渡せないからパーティションとかテントはやらない方がいいというような避難所の中の声なんかがあったということもあるので、こういうときにでもしっかり、プライバシーの確保も必要ですし、何よりも感染対策ということでは必要なディスタンスを取るという対策を求めたいと思います。
 答弁にもありましたけれども、ディスタンス確保という点でいえば、ホテル、旅館の借り上げというのが極めて重要ですので、こういうことに対してもその実施を促すことを求めたいと思っております。
 その上でもう一問伺いたいのが、感染力の強いデルタ株、これの広がりがある中で、昨年策定をしたいろいろなガイドラインについても、このデルタ株の感染の強さに応じた対応策を更にもう一歩進める必要もあるんじゃないのか。こういうことについての検討はいかがでしょうか。
○赤澤副大臣 委員御指摘のとおり、デルタ株については、感染力が通常株の二倍近くあるというような御指摘もある中で、十分警戒していかなければならないことは御指摘のとおりでございます。
 その上で、基本的な考え方としては、これまで私どもが申し上げております三つの密の回避でありますとかマスクの着用、あるいは手指衛生といいますか手指消毒、手洗いといったようなことも含めて、基本的対策を徹底していただくことが必要であるというのが基本的な考え方でございます。
 ただ、冒頭申し上げましたとおり、コロナ株については全くこれは油断がならないという認識を持っておりますので、今後、きちっと事実関係を把握しながら、対策については不断に見直しをしていきたいと思います。
 ただ、念のため申し上げておくと、これまでのところ、避難所で、様々な災害がこれまでありますが、クラスターの発生というのは認められていないというところなので、現状認識としては、基本的には、感染対策は適切に講じられているというふうに考えているということでございます。
○塩川委員 感染を防ぐ万全の体制を取っていただきたい。被災者支援に私どもとしても全力を挙げたいと思っております。
 今回の豪雨災害でも、これまで経験したことのない大雨という表現が繰り返されましたけれども、同じ場所で、同じ地域で、これまで経験したことのないような大雨が繰り返されるということになりますと、町づくりの在り方ですとか、また、政府の国土強靱化の在り方の問題についてもしっかりとした検証が必要だということは併せて申し上げておくものです。