【議院運営委員会】緊急事態宣言延長/臨時国会開き対策に全力を

 緊急事態宣言の延長などにあたって政府から報告を受け、質疑を行いました。菅義偉首相は今回も出席しませんでした。

 菅首相は「コロナ対策に専念するということで総裁選には立候補しない」と述べたのに、国民に説明する一番の機会である今日の質疑になぜ出てこないのか。

 菅首相が今月下旬に訪米するという報道がある。退陣表明した総理大臣が何をしに行くのか。バイデン大統領に説明する時ではない。国民、国会に説明すべき時だとただしました。

 西村康稔担当大臣は「特措法の責任者は私だ」「情報共有は行っている」と述べるだけでした。

 私は、重症者数は高止まり、病床はひっ迫、死亡者数も増加傾向と深刻な事態だと指摘、菅首相による「あかりははっきりと見え始めている」発言や、麻生太郎副総理による「まがりなりにも収束」発言は、国民への誤ったメッセージになると追及。

 西村大臣は「感染はまだ高い水準が続いている。医療も厳しい状況だ」と認めました。

 私は、菅総理が自らの言葉で説明し、必要な対策を行うために、9月に直ちに臨時国会を開き、コロナ対策に全力をあげよと強調しました。


衆議院TV・ビデオライブラリから見る


「議事録」

<第204通常国会 2021年9月9日 議院運営委員会 第54号>

○高木委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 菅総理は、コロナの現在の状況で党総裁選をやっている時間はない、コロナ対策に専念するということで総裁選には立候補しないと述べました。
 コロナ対策に専念しているはずなのに、なぜ今日の議運委の質疑には出てこないんですか。
○西村国務大臣 この議運委員会では、これまでも私が主として説明をさせていただいてきております。
 まさに特措法の責任者として、今の感染状況あるいは医療の状況、そして特措法に基づく緊急事態宣言の延長、区域のことについても、できる限り、委員の皆さん方にも、そして国民の皆様方にも理解をいただけるよう、丁寧に説明をしてまいりたいというふうに考えております。
○塩川委員 コロナ対策について一番説明する機会なんですよ。そこにこそ総理が出てくるべきじゃありませんか。
 菅総理が、今月下旬に訪米、アメリカ訪問を検討しているという話もあります。退陣表明した総理大臣が一体何しに行くのか。コロナ対策に専念するときではありませんか。担当大臣としてそうお考えになりませんか。
○西村国務大臣 もちろんコロナ対策も非常に重要でありますし、こうしたコロナへの対応をする観点でも国際的な協調も必要だと思いますし、様々な、総理大臣として、国全体の、外交、安全保障を含めて、そうした取り組むべきことはあるというふうに理解をしております。
 ただ、いずれにしても、そういう外交日程については私は全く承知をしておりませんので、私の立場では、必要なことは総理にしっかりと御説明をし、政府内で共有をしながら、そして、特措法の責任者として、全力を挙げて医療を確保し、そして感染を抑えていく、このことに全力で取り組んでいきたいと考えております。
○塩川委員 いや、国連やバイデン大統領に説明しているときじゃないでしょう。国民、国会にこそ説明すべきときじゃありませんか。
 菅総理は、明かりははっきりと見え始めていると述べただけで、何の説明もしておりません。この点について、菅総理の発言は西村大臣では答えられないわけですから、総理自身が国会で説明すべき、そのように菅総理に促すのが西村大臣の仕事じゃありませんか。
○西村国務大臣 特措法の責任者は私でございますので、私の立場で、皆さん方に理解をいただけるように、そして国民の皆さんにも理解をいただけるように、丁寧に御説明をしてまいりたいというふうに考えております。
 様々な状況につきましては、連日、毎日のように菅総理にも御報告し、御説明し、政府内で共有をしているところでございます。政府一体となって、一丸となって今のコロナへの対応に取り組んでいるところでございます。
○塩川委員 明かりははっきりと見え始めているって何のことなんだということについて、しっかりと総理自身が自分の言葉でこそ説明をすべきときであります。
 麻生副総理の発言もありました。曲がりなりにも収束と発言しましたが、重症者数は高止まり、病床は逼迫、死亡者数も増加傾向など、深刻な事態であります。この発言は国民への誤ったメッセージになっているんじゃありませんか。
○西村国務大臣 九月七日の記者会見における麻生副総理の御発言のことだと思いますが、まさに九月六日の時点で東京都の新規感染者の数が九百六十八人ということで久しぶりに千人を切る状況になったこと、そして感染者の数が全体として足下で減少が続いていること、こうした状況を表現されたものというふうに私は理解をしております。まさにその会見で、副総理は、コロナ対策はまだ途中段階であるという趣旨も述べられております。
 そうした意味で、感染者は減少傾向になってきておりますけれども、まだ水準は高い状況であり、医療も厳しい状況が続いておりますので、今回、緊急事態宣言の延長をお願いしているところでございます。
○塩川委員 収束という言葉が政府の対応についての在り方として不信を広げることにもなる、この発言は不適切だとコロナ担当大臣として直接麻生副総理に物を言うときじゃありませんか。
○西村国務大臣 これまでも、様々な機会を通じまして、麻生副総理にも、感染の状況や医療の状況、これは東京の状況あるいはお地元の福岡の状況も含めて、私から御説明をし、また、副総理からも、福岡の状況など、様々な情報もいただいているところでございます。
 麻生副総理と、今のコロナの状況につきましては、厳しい状況にあり、対応しなきゃならないこと、このことについては共有しているものというふうに理解をしております。
○塩川委員 納得いくものではありません。
 これらのことを含めて、菅総理が自ら説明をし、必要な対策を行うために臨時国会を直ちに開くべきだ、野党が要請した憲法五十三条に基づく臨時国会の召集こそ政府が行うべきときではないでしょうか。
○西村国務大臣 今後行われます自民党総裁選挙の結果を受けて、首班指名を行う臨時国会の召集が必要になってくるわけでありますが、官房長官が会見で述べられているように、召集日の決定は菅内閣において行う必要があるという認識を示されているところであります。
 どのような形で行っていくかは、与党とも相談しながら、内閣として対応していくものというふうに承知をしております。
○塩川委員 自分の辞めた後の臨時国会の話をしているんじゃないんです。この九月に直ちに臨時国会を開けと。そして、自宅療養を原則方針とするこの方針をきっぱり撤回すると同時に、臨時の医療施設や、また宿泊療養施設の増設を図っていく。国民、事業者の皆さんの暮らし、営業が本当に大変なときですから、持続化給付金や、また家賃支援給付金の再支給を含めた万全のコロナ対策に全力を挙げる。そのためにも臨時国会を開けと強く求めて、質問を終わります。