関東地方の主な米軍・自衛隊施設に関する2021年度補正予算について

 関東地方の主な米軍・自衛隊施設に関する2021年度補正予算の内容が明らかになりました。

 いくつかのポイントを記すと

1)空自入間基地に配備される輸送機C-2の取得243億円が計上されている。この間、補正予算でC-2を取得することが常態化している。

 現在、空自入間基地に配備されているC-2は2機(2020年度1機、2021年度1機)。今後、今年度にもう1機、2022年度に2機、2024年度に1機、2025年度に1機(今回の補正取得分)を入間基地に配備する予定。

 なお、入間基地に配備されている電波情報収集機RC-2は、現在1機。来年度概算要求に機体構成品の取得経費を計上している機体については、今後、2027年度頃に入間基地に配備する予定。

2)大半が来年度概算要求分の前倒しである。当初予算をなるべく小さく見せるために、補正予算で軍事費を大きく増額するものになっている。

 詳細は以下の通りです。

1.米軍施設(横田飛行場、所沢通信施設、大和田通信所、厚木海軍飛行場)に関する施設整備費
計上事業なし

 

2.陸自駐屯地(朝霞・大宮・相馬原・吉井分屯地・新町・宇都宮・北宇都宮・勝田・土浦・霞ヶ浦・古河・朝日分屯地・習志野・木更津)及び空自基地(百里・熊谷・立川・横田・府中・入間)に関する施設整備費
百里基地 (*)
庁舎の改修(空調機器の更新)。来年度概算要求分の前倒し。
熊谷基地 約1億円
隊舎の改修(屋上の防水、外壁改修、空調設備更新)。来年度概算要求分の前倒し。
横田基地 (*)
調査工事(隊員用小銃のための火薬庫の測量調査)。来年度概算要求分の前倒し。
府中基地 約3億円
庁舎の改修(屋上の防水、外壁改修、空調設備更新)、調査工事(ボイラー施設の整備調査)。宇宙作戦群の改編に伴うもの。来年度概算要求分の前倒し。
入間基地 (*)
調査工事(ミサイル等の火薬庫の整備に伴う調査)。来年度概算要求分の前倒し。
その他は計上事業なし
なお、金額欄の(*)は、防衛省が「予定価格が類推されることから提示不可」としたものを指す

 

3.陸上総隊隷下の部隊(司令部および司令部付隊、第一空挺団、水陸機動団、第一ヘリ団、システム通信団、中央情報隊、中央即応連隊、特殊作戦群、中央特殊武器防護隊、対特殊武器衛生隊、国際活動教育隊、電子作戦隊)及びその他の主な部隊に関する装備品等
陸上総隊司令部及び司令部付隊(朝霞)
計上事業なし
水陸機動団(相浦) 約2.0億円
トラック、ゴムボート(8人乗り)等。来年度概算要求分の前倒し。
第一空挺団(習志野)
計上事業なし。
第一ヘリ団(木更津)

計上事業なし。
システム通信団(市ヶ谷)
計上事業なし。
中央情報隊(朝霞) 約500万円
地理情報隊のインクロール紙代。
中央即応連隊(宇都宮) 約2.1億円
個人用防護装備。来年度概算要求分の前倒し。
特殊作戦群(習志野) 約0.2億円
中央特殊武器防護隊(大宮) 200万円
携帯除染器。来年度概算要求分の前倒し。
対特殊武器衛生隊(三宿)
計上事業なし。
国際活動教育隊(駒門)
計上事業なし。
電子作戦隊(朝霞)
計上事業なし。
大井通信所(ふじみ野市)
計上事業なし。
防衛医科大学校(所沢) 約2.0億円
インフラ整備費0.4億円、医療備品整備1.6億円。以上は来年度概算要求分の前倒し。その他に、油購入費130万円。
航空医学実験隊(入間) 約0.3億円
液体クロマトグラフ試料分析装置。
航空機動衛生隊(小牧) 約200万円
機内用通信機器の更新。
航空戦術教導団電子作戦群(入間)
計上事業なし。
陸自化学学校(大宮)
計上事業なし。