過去最多の小選挙区区割の変更についてコメント

 今日、衆議院選挙区画定審議会(区割り審)が衆院小選挙区の区割り改定案を勧告したことを受けのコメントは、以下の通りです。


 本日、政府の衆議院議員選挙区画定審議会(いわゆる区割り審)が、衆院小選挙区の区割り改定案を、岸田総理に勧告した。

 この勧告は、2016年に成立した衆院選挙制度関連法に基づき、都道府県への定数配分にアダムズ方式を導入し、区割りを行ったものである。小選挙区の定数は、東京5増、神奈川2増、埼玉・千葉・愛知の3県が各1増となり、宮城・福島・新潟・滋賀・和歌山・岡山・広島・山口・愛媛・長崎の10県が各1減となる「10増10減」が行われる。また、格差が2倍以上となる選挙区や、市区の分割解消のための改定も含め、合計25都道府県140選挙区の区割りが変更される。

 今回の区割り改定は、過去最多で全体の半数の選挙区に及び、多くの有権者に影響を及ぼすこととなる。

 日本共産党は、これまで現行小選挙区制について、「少なくない有権者が、市町村の行政単位や地域社会を分断する異常な線引きを押し付けられ、選挙のたびに不自然な選挙区変更を強いられることになる」と指摘してきたが、まさにそのとおりの事態が引き起こされている。

 毎回大きな区割り改定を行っても、格差の問題が続くことは、小選挙区制がもともと投票権の平等という憲法の原則と矛盾する制度であるということを示している。16年の関連法で、国勢調査のたびに定数配分と区割りを見直す仕組みを盛り込み、長期にわたり小選挙区制を温存したことが、間違いであったことは明らかである。

 憲法が求める投票権の平等は、選挙区間の人口格差是正にとどまらない。

 選挙制度は、民主主義の根幹であり、その根本は、国民の多様な民意を正確に議席に反映することである。小選挙区制の最大の問題は、第1党が4割の得票で7~8割の議席を獲得し、半数にのぼるいわゆる死票を生み出し、民意の反映を著しく歪めることにある。

 小選挙区制は廃止し、民意を反映する選挙制度へ抜本的に改革すべきことを、改めて強く主張する。