【倫理選挙特別委員会】大臣・副大臣・政務官は統一協会と関係を断て

 寺田稔総務大臣、中川貴元総務大臣政務官ら政務三役が統一協会と関係を持っていたことについてただし、関係を断つよう迫りました。

 寺田大臣は、2018年に国際勝共連合の会合に参加費として2万円を支出していたことを認めた上で「私も秘書も出席はしていない」と述べました。また、選挙前に統一協会の関連団体による「推薦確認書」に署名していないと答えました。

 私は、国際勝共連合が反共主義を掲げるとともに、同性婚や選択的夫婦別姓などを攻撃しており、ジェンダー平等に反する主張を行う団体により、政策的影響を受けたのではないかと指摘し、実態解明を求めました。

 中川政務官は、昨年の総選挙で「(統一協会関係者が)事務所に来ていた認識はあった」「自発的なボランティア支援はあった」と選挙支援を受けたことを認めました。

 また、総選挙後の12月に統一協会の関連団体の日本平和大使協議会の会合などに5回も出席していたことを認めました。

 組織的な選挙支援があったことをうかがわせるものです。

 私は、平和大使協議会は統一協会の開祖文鮮明・妻の韓鶴子氏によって創設された天宙平和連合(UPF)の敷設機関だと指摘。自民党が統一協会や関連団体と深いかかわりを持ち、広告塔の役割を果たしてきたことが被害の拡大につながった。きっぱり関係を断つべきだと主張しました。

 中川政務官は「(広告塔の役割という)側面は否めない」と答弁しました。


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「議事録」

<第210臨時国会 2022年10月26日 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 今日は、まず最初に、統一協会と政務三役の皆さんの関係についてお尋ねをいたします。
 岸田総理、自民党総裁が関係を絶つという統一協会及びその関連団体とどのような関わりがあるのか、この点についてお尋ねをいたします。
 最初に、寺田大臣御自身が、この統一協会またその関連団体とどのような関わりにあるのか、この点について具体的に明らかにしていただきたい。
○寺田国務大臣 お答えをいたします。
 これまでも明らかにしておりますが、四年前の、二〇一八年の十月に会費の支払いが確認をされました。実際、これは参加もしておりません。代理の者も行っておりませんが、お声かけをいただいたという意味で会費を払わせていただきました。
 当初は、これは全く主催者名が違っておりまして、地元の同郷の人たちの集まりということのお声かけでありましたが、後日になって、領収書において、この関連団体の名称があったということでございます。この一件でございます。
○塩川委員 収支報告書上はどのような団体との関係になっておりますか。
○寺田国務大臣 収支報告書上の会費の領収書には、国際勝共連合という名称がございました。
○塩川委員 この国際勝共連合がどういう団体かというのは大臣は御存じでしょうか。
○寺田国務大臣 はい、存じております。旧統一教会の関連団体と認識をいたしております。
○塩川委員 統一協会の関連団体と。
 実際、その国際勝共連合がどういう役割、活動をしているか、その点については御承知でしょうか。
○寺田国務大臣 詳細は承知をしておりませんが、共産党及び共産主義に対峙をする活動をしている、反対する活動をしているものと承知をいたしております。
○塩川委員 反共の団体。同時に、政策的には、同性婚や選択的夫婦別姓、これを攻撃してきた、そういう団体だという認識はお持ちですか。
○寺田国務大臣 同性婚についての認識は余りありませんでしたが、今回の調査の結果、そのような活動もしていることも認識をいたしております。
○塩川委員 ジェンダー平等に反するような、そういった主張を行っている、そういう国際勝共連合との関わりというのが政策的に影響を受けていないと言えるでしょうか。
○寺田国務大臣 これは総理からも答弁しておりますが、政策の立案に当たっては、我々、かなり重層的に、幅広い、国民また各種団体関係の方々を始め御意見を聞き、また平場の議論、また部会、調査会、政審、総務会等々と重層的な議論を繰り広げる中で政策を行っておりますので、影響は必ずしもないものと思っております。
○塩川委員 同郷の人の集まりと思ったけれども、開けてみたら国際勝共連合だった。その経緯はどういうことなんですか。
○寺田国務大臣 実は、これはお声かけをいただいた方が、私は広島県の出身でございますが、広島県人会でよくお会いをする方でございました。その場で、県人会に出たときに、同郷の人の集まりがあるんだということでお声かけをいただいたわけでございます。ただ、現実、その日は多々ほかの行事等も立て込んでおりまして、結果として参加ができなかった。
 事前には、一切、旧統一教会の関連団体である、あるいはまた国際勝共連合であることは知らされない状態でございました。
○塩川委員 改めて、国際勝共連合が様々な政策、主張を行っている中で、これが影響を及ぼしたのではないのかといった議論というのは、この国会、予算委員会などで行われてきているところであります。
 その点で、統一協会の関連団体と推薦確認書を交わしたということも自民党の議員でお認めになった方がいらっしゃいます。
 寺田大臣は、この推薦確認書を統一協会の関連団体と交わしたことがあるのか、その点についてはいかがですか。
○寺田国務大臣 そうしたものを交わしたことは一切ございません。
○塩川委員 次に、尾身副大臣にお尋ねをいたします。
 このような統一協会、またその関連団体との関係について、具体的に明らかにしていただきたいと思います。
○尾身副大臣 お答えいたします。
 これまでの調査で明らかにしているとおり、旧統一教会及び関連団体との接点、関係はございません。
○塩川委員 いわゆる推薦確認書についても、そういうことを交わしたことはないということでよろしいですか。
○尾身副大臣 御指摘の推薦確認書については、旧統一教会や関連団体との間でそのような文書について署名等を行ったことはございません。
○塩川委員 中川大臣政務官にお尋ねをいたします。
 中川大臣政務官御自身と統一協会及びその関連団体との関係について、具体的に明らかにしていただきたい。
○中川大臣政務官 お答えをさせていただきます。
 これまでの調査で明らかにしておりますとおり、いわゆる旧統一教会及び関連団体との接点、関係につきましては、過去に、旧統一教会に関連する団体の会合への出席、また、選挙におけるボランティア支援といった関係があったところでございます。
 旧統一教会に関連する団体の会合への出席については、令和三年の衆議院議員総選挙後において、愛知県下で行われた旧統一教会に関連する団体が関わるフォーラムに私自身が一回、秘書が代理で一回、また、地域のミニ集会に私自身が四回出席をいたしました。
 選挙におけるボランティア支援については、当該衆議院議員総選挙の際、選挙事務所において支援をしていただいたと認識をしております。
 社会的に問題を指摘されるような団体と接点を持ったことにつきまして、反省すべきであると深く認識をしているところでございます。今後は、こうした団体とは一切おつき合いをしないということをお約束をさせていただきたいと存じます。
○塩川委員 昨年の総選挙後の十二月に愛知県下で行われた旧統一協会関連のフォーラムに参加をされたと。それは、御本人が一回、秘書が一回、その部分はそういうことですか。
○中川大臣政務官 お答えさせていただきます。
 はい、そうでございます。
○塩川委員 このフォーラムというのは、何というフォーラムなんでしょうか。どのような会合ですか。
○中川大臣政務官 令和三年十二月五日に開催されました、中日本青年希望前進大会、未来創造フェス二〇二一、こちらに私が出席をしたところでございます。
 また、秘書が代理出席したものは、令和四年三月二十七日、愛知県平和大使協議会総会、アジアと日本の平和と安全を守る新春安保愛知県大会でございます。
○塩川委員 政務官が出席をされた未来創造フェスというものですけれども、これは主催団体はどこになるんでしょうか。
○中川大臣政務官 申し訳ありません。
 未来創造フェス実行委員会主催と認識をしております。
○塩川委員 あと、ミニ集会に四回とおっしゃっておられた。このミニ集会というのは、どのようなものですか。
○中川大臣政務官 地域で十名から二十名程度の方が集まっていらっしゃった会でございます。
○塩川委員 主催はどのような団体でしょうか。
○中川大臣政務官 お答えさせていただきます。
 案内等もなく、電話で事務所に、地域で集まりがあるのでということでお邪魔をさせていただきましたので、会の名称等については把握をしていないところでございます。
○塩川委員 このミニ集会四回というのが統一協会関連団体のものということは、どのように把握をされたものなんでしょうか。
○中川大臣政務官 お答えさせていただきます。
 この団体の関係者の方から事務所に御連絡があって、出席をさせていただいたというところでございます。
○塩川委員 その団体というのは何という団体、名称は分かりますか。
○中川大臣政務官 正式な団体名は承知をしていないところではございますけれども、旧統一教会に関連する団体の方であったと認識をしております。
○塩川委員 お誘いをした人というのが統一協会の関係者の人だ、そういう認識だということですので、それはなぜ統一協会の関係だと承知をしていたわけですか。
○中川大臣政務官 御答弁させていただきます。
 御挨拶をさせていただいたことがあったため、その方のお名前を事務所も承知をしていたかと存じます。
○塩川委員 その辺、もう少し詳しく説明してもらえませんかね。
○中川大臣政務官 地域の方から御紹介をいただきました。そういう中で、その方のお名前を頂戴しておったと認識をしております。そういう中において、選挙後におきまして、地域で少し人が集まる会があるのでいかがですかというようなお声がけをしていただいたと認識をしております。
○塩川委員 このように、多くの集会にも参加をしておられると。それも、だから、総選挙後ですよね。という点でいいますと、率直に言って、選挙そのもので統一協会の組織的な支援を受けたんじゃないのか、そういう疑念が浮かぶんですが、そういうことではありませんか。
○中川大臣政務官 事務所から当該関係団体に選挙の支援をお願いしたことはございません。
 ただし、事務所にお越しをいただいていたという認識は持っているところでございます。そういう中で、自発的に何らかの形で支援をいただいていたのではないかと認識をしているところでございます。
○塩川委員 選挙をボランティアで支援を受けたということをおっしゃっておられました。そのボランティアで選挙支援をされた方に誘われて集会に出たということですね。
○中川大臣政務官 はい、そのように認識をしております。
○塩川委員 外形的に見れば、選挙で応援してくれたから集会に挨拶に行きました、参加をしました、そういうことですよね。
○中川大臣政務官 はい、そうでございます。
○塩川委員 ですから、改めて、この統一協会というのはどういう団体かということが厳しく問われるわけであります。
 秘書が参加をした平和大使協議会の総会ということも出ておりますけれども、この平和大使協議会というのは、政務官は御存じでしょうか。
○中川大臣政務官 当時は深く認識をしていないところでございました。
○塩川委員 今はどのように認識をしておられますか。
○中川大臣政務官 旧統一教会の関連団体であり、社会的に問題のある団体であるというように認識をしているところでございます。
 したがいまして、先ほども申し上げましたとおり、今後におきましては、こうした団体とは一切おつき合いをしないということをお約束をさせていただいたところでもございます。
○塩川委員 ですから、これまで記者会見でもおっしゃっておられたいわゆるフォーラムというのは、この平和大使協議会のフォーラムということなのではありませんか。
○中川大臣政務官 はい、そうだと思います。
○塩川委員 この平和大使協議会というのはどういう団体か。これは平和大使協議会のホームページ上にもありますけれども、天宙平和連合、UPFと言われる団体、これは安倍元総理がビデオメッセージを送った団体、まさに統一協会の中核的な団体であります。その付設の組織がこの平和大使協議会ということになります。全世界で平和大使を任命しているのがこのUPF、天宙平和連合であるわけです。
 平和大使協議会のホームページを見ると、全世界で平和大使を任命しているUPFは、二〇〇五年九月に文鮮明夫妻によって創設をされたと。まさに、文鮮明、統一協会の教祖の下に創設をされたというのがこのUPFであり、その下部機関となる平和大使協議会だと。
 こういう団体と深い関わりがあるということが、やはり、国民の皆さんにとってこういう被害をもたらしてきた統一協会に対して、結局広告塔の役割を果たしたことになる、そういう認識は、政務官、お持ちですか。
○中川大臣政務官 はい、結果としてそうした側面も否めないかと存じます。
 したがいまして、今後におきましては、こうした社会的に問題がある団体であるという認識を持ち、反省をし、また、こうした団体とは今後一切おつき合いをしないということをお約束をさせていただきたいと存じます。
○塩川委員 ミニ集会四回について、これはどういう会合だったかについて、これは改めて、関係者の方がいらっしゃるわけですから、聞いていただいて、是非報告をいただきたいと思うんですが。
○中川大臣政務官 このミニ集会につきましては、私が出席したものでございますけれども、これをまた御報告ということでございますでしょうか。どういった面においての御報告をさせていただければよろしいでしょうか。
○塩川委員 次回の委員会で御答弁いただくのでも結構です。お願いしたい。
 次回の委員会でお答えいただくということでよろしいですか。
○中川大臣政務官 一度調査をさせていただきたいと存じます。
○塩川委員 時間が参りましたので終わりますけれども、やはりこういった関係についてきちっと明らかにする。曖昧にするということが山際大臣の辞任でもあるわけですから、きっぱりと関係を断ち切るというのを徹底的に行うということを強く求めて、私の質問を終わります。