【内閣委員会】政務3役と統一協会の癒着/推薦確認書と推薦状は一体/政務官選挙前後にあいさつ

 政務3役と統一協会との接点について質問し、「事実関係を聞けば聞くほど色々出てくる。政府として調査を行え」と追及しました。

 私は、統一協会の「推薦確認書」に署名したと認めた大串正樹内閣府副大臣に、「同書の控えと推薦状は手元に残っているのか」と質問。

 大串副大臣が「その通りだ」と認めたのに対し、私は推薦確認書と推薦状の提出を求めました。

 私は、統一協会の関連団体である「世界平和連合」から「推薦状」を受け取った木原誠二官房副長官を追及。

 「推薦確認書を交わした事実は確認されなかった」と述べる木原副長官に対し、大串副大臣の答弁を例に挙げ、「推薦確認書のサインと推薦状は一体で行われてきている」と指摘し、事実関係を明らかにするよう求めました。

 木原副長官をめぐっては、後援団体である「誠世会」の設立メンバーが統一協会関係者だったことも発覚しています。

 私は、井野俊一防衛副大臣が統一協会関係者の関与する後援団体「俊世会」に解散するよう指示したことに言及。「誠世会」に解散を指示しないのかと迫りましたが、木原副長官は「解散させる立場にない」と否定しました。

 私は、尾崎正直・中野英幸両政務官にも質問。両氏はそれぞれ、昨年の総選挙前の10月に、地元の統一協会施設で開かれた会合で挨拶したと認め、中野政務官は、選挙後の12月にも当選のお礼として同じ施設に挨拶に行ったと答えました。

 私は「選挙前にも、選挙後にも挨拶に行っている。選挙支援を受けたのか」と追及。

 中野政務官は「選挙支援を受けたことはない」と否定しました。


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務三役と統一協会癒着続々/岸田首相/問われる任命責任

「しんぶん赤旗」11月7日・3面より

 国会での日本共産党や野党の追及を通じ、統一協会(世界平和統一家庭連合)と岸田文雄政権の政務三役(大臣、副大臣、政務官)との新たな癒着の発覚が相次いでいます。任命権者として岸田首相の責任がきびしく問われます。

「政策協定」に署名 次々

 自民党国会議員が統一協会のダミー団体「世界平和連合」と事実上の「政策協定」である推薦確認書を交わしていた―。「朝日」報道(10月20日)後、国会で常任委員会が開かれると、野党の追及で「政策協定」に署名したと認める政務三役が続出しています。

 「中身を深く考えずサインした」。山田賢司外務副大臣は1日の参院外交防衛委員会で、推薦確認書に署名したことを認めました。山田副大臣は協会関連施設を2回訪問したことも明らかにしましたが、「協会という認識はない」などと強弁しています。

 「政策協定」には憲法改定、ジェンダー平等への敵対、日本共産党への敵対などが盛り込まれています。同性婚への慎重姿勢など基本的人権の不当な制約や憲法改定などについて、「深く考えず」にサインしたというのは言語道断です。海外に本部を置く団体との「政策協定」は内政干渉の重大な疑惑でもあります。

 大串正樹デジタル兼内閣府副大臣も10月26日の衆院厚生労働委員会で、「政策協定」に署名したことを告白。大串氏は消費者行政を担当する副大臣でもあります。統一協会は霊感商法などの悪質な商法で多くの被害を生んでいます。その消費者担当が統一協会との「政策協定」に署名していたことは重大です。大串副大臣と統一協会との関係がきびしく問われます。

任命以後の接点も判明

 日本共産党の論戦で明らかになった新事実もあります。山添拓議員の参院外交防衛委員会(11月1日)の追及で、井野俊郎防衛副大臣が、副大臣就任以降も統一協会の関係者が多いことを知りながら後援会「俊世会」を存続させていたことが判明しました。井野副大臣をめぐっては法務政務官時代に統一協会関係者を法務省や法務政務官室に招き入れていた疑惑を「赤旗」日曜版がスクープ。本村伸子衆院議員や山添議員が連続追及してきました。山添氏の1日の質問に、井野副大臣は俊世会の構成員が統一協会関係者だと数年前から認識していたと認め、日曜版報道なども受け「1週間前ぐらい」に俊世会の解散を求めたと明らかにしました。

 岸田首相は「任命以後、接点が見つかったならば、閣僚をはじめそれぞれの役を辞めてもらう」と述べています(10月20日の参院予算委員会)。山添氏は、副大臣就任以後も統一協会関係者が多いことを認識しながら後援会を存続させてきたとして辞任を要求。井野氏は「問題発生以降は連絡をとっていない」などと辞任を拒否しました。

 一方、後援団体「誠世会」の設立メンバーが統一協会関係者だと発覚した木原誠二官房副長官は、塩川鉄也議員の追及(11月4日の衆院内閣委員会)に対し、「解散させる立場にない」と解散すら拒否。木原官房副長官は、塩川氏の追及で統一協会のダミー団体「世界平和連合」から推薦状を受け取っていたことも明らかになっています。

個々の対応任せに終始

 政務三役就任後も関係を持っていた以上、岸田首相は自らの答弁に責任を持ち、辞任させるべきです。ところが岸田首相は、個々の三役任せの対応に終始しています。

 政策協定の締結に関して岸田首相は10月20日の参院予算委員会で「実態を把握することに努めていきたい」と答弁していました。ところが週があけた24日の衆院予算委員会では「各議員が点検し、説明すべきこと」と答弁を一転させました。

 さらに、統一協会との癒着の発覚が相次ぎ、事実上更迭した山際大志郎前経済再生担当相を自民党の新型コロナ対策本部長に起用。統一協会との深刻な癒着に全く無反省な姿勢があらわになっています。

 自民党は、統一協会との接点をめぐって所属国会議員に対する「点検」を行っていますが、「政策協定」への署名や後援会による支援は「点検」項目に含まれていません。日本共産党が求める実態調査を拒否し続け、無反省と隠ぺいに終始する対応は許されません。

共産党 憲法の立場から追及

 日本共産党は半世紀にわたり統一協会=勝共連合の策動と正面からたたかい続けてきました。統一協会と癒着がなぜ生まれ、どこに根本的な問題があるか―。歴史的な問題も政府、自民党の責任で徹底調査を求めています。

 統一協会の問題を解決することは、日本の政治と社会の前途にとって大きな意義があります。

 正体を隠した伝道活動や霊感商法など統一協会の数々の反社会的活動は、どれも司法によって法律違反と断罪されています。さらに、どの活動も日本国憲法に保障された思想・良心の自由、信教の自由をはじめ基本的人権を蹂躙(じゅうりん)するものです。統一協会の反社会的活動を一掃することは、憲法に保障された国民の基本的人権を守り抜くたたかいです。

 さらに、自民党は半世紀にわたって統一協会を反共と反動の先兵として利用し、統一協会は自民党の庇護(ひご)のもとに反社会的活動を拡大してきました。改憲やジェンダー平等への敵対、日本共産党への敵対などで、お互いに利用し合ってきました。統一協会と政界との癒着を一掃することは、反共・反動の謀略同盟から日本の平和と民主主義を守りぬくたたかいなのです。


「議事録」

<第210臨時国会 2022年11月4日 内閣委員会 第5号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 政務三役と統一協会との関係についてお尋ねをいたします。
 最初に、大串副大臣にお尋ねをいたします。
 大串副大臣が、統一協会の関連団体と推薦確認書の用紙をその場で見て署名をしたという答弁がございます。この推薦確認書の相手方というのはどの団体か、推薦確認書を出された側の相手方の団体名は何か、教えてもらえますか。
    〔委員長退席、藤井委員長代理着席〕
○大串副大臣 世界平和連合だったと記憶しております。
○塩川委員 世界平和連合ということで、この推薦確認書の文書そのものは、その場でサインをした際に手元に残るのか、相手方が持って帰るのか、それはどんな対応だったんですか。
○大串副大臣 推薦確認書と推薦確認書の控えというものがございまして、確認書そのものは先方が持ち帰るということになっております。
○塩川委員 その場合に、その推薦確認書については外部に公表しないという約束というのがあったということなんでしょうか。
○大串副大臣 はい、推薦確認書の中に、これは公開するものではございませんという一言がございました。
○塩川委員 それは何か、出すのがまずいということなんでしょうかね。どういう理由なんでしょうか。
○大串副大臣 その趣旨は存じ上げませんけれども、一般に、政策協定書などは余り公開されないのではないかと認識しております。
○塩川委員 それは団体によっていろいろだと思いますけれどもね。分かりました。
 そうすると、大串副大臣の場合について言えば、推薦確認書に署名をして、その用紙そのものは相手が持って帰り、控えの方が手元に残ったと。そうすると、推薦確認書の控えと、それから推薦状については手元に残っているということでよろしいですか。
○大串副大臣 はい、さようでございます。
○塩川委員 先日の理事会でも少しこの協議の問題がありましたけれども、やはり、こういった推薦確認書の控え、また推薦状については是非お出しいただきたい、このことを求めておくものであります。
 木原副長官にお尋ねをいたします。
 木原副長官は、世界平和連合から推薦状を受けたことを認めております。推薦確認書については、推薦確認書を交わしたという事実は確認されなかったという御答弁でした。
 推薦確認書を交わしたという事実は確認されなかったということなんですが、推薦確認書そのものについては、相手側から示されたものだったんでしょうか。
○木原内閣官房副長官 お答えを申し上げます。
 先日の委員会でも申し上げましたとおり、推薦確認書についてですが、事務所の様々な資料の確認、また事務所スタッフへの聞き取りを行いましたが、そのような文書を交わした事実は確認されませんでした。
 そして、同日の委員会で別の委員の方からの御指摘、御質問もございましたが、推薦確認書の提示につきましても、そうした事実は確認できなかった、こういうことでございます。
○塩川委員 大串副大臣の答弁にありますように、推薦確認書のサインと推薦状が一体で行われてきているといった事例もあるわけですので、それが、ほかはどうなのかといったことについてもきちっと明らかにしていただきたいと思っております。
 それから、木原副長官におきましては、統一協会関係者が関与した後援団体であります誠世会について、お認めとなっております。
 井野防衛副大臣が他の委員会での質疑の中で、統一協会関係者が関与した後援団体である井野防衛副大臣に関わる俊世会について、接点が疑われるのはよくないとして、解散するように指示したということですが、木原副長官の誠世会についてはどうされるのか。解散を指示するとか、求めるとか、その点についてはどうでしょうか。
○木原内閣官房副長官 お答えをさせていただきます。
 先日、委員とのやり取りの中でも申し上げたとおりでありますが、繰り返し申し上げますが、この会につきましては、地元の有志の方から、地域の知り合いの皆さんを集めて政治経済の勉強会をやりたい、その際に、日程が許せば国政報告会をやってもらいたい、こういう話が私の事務所のスタッフに寄せられて、その有志の方々によってスタートした会、こういうことでございます。
 そして、こうした経緯でスタートした会でありますので、私が解散をさせるとか、それから、解散すると申し上げる、こういう立場にはない、このように思いますが、今委員の御指摘にもありましたとおり、今後、やはり疑念を持たれる、抱かれることがないように、私自身はこの参加を控える、参加をしない、こういうことにさせていただきたい、このように思っております。
○塩川委員 自民党の地方議員の方が関わっているそういう団体でもありますので、そういった際に、こういった団体そのものについて御縁を切るといったことは、木原議員の後援団体ですから、そういうことについて御遠慮被りたいということはあってしかるべきだと思いますが、いかがですか。
○木原内閣官房副長官 まず、設立の経緯は先ほど申し上げたとおりであります。加えて、様々な活動も先ほど申し上げたとおりでありますので。私が申し上げたことは、私が何か、この会をやめろとか、それから、解散しろとか解散すると申し上げる立場にありませんが、私自身は、繰り返しで恐縮ですが、この会にはもう参加をしない、こういうことで対応させていただきたい、こう思ってございます。
○塩川委員 井野防衛副大臣の対応との違い、様々な反社会的な問題を起こしてきているこういう団体との関わりが問われているときに、そういった後援団体についてそのような対応でいいのかということは厳しく問われるということを申し上げておくものです。
 尾崎政務官にお尋ねいたします。
 統一協会関連団体の会合等に出席をしたということですけれども、統一協会関連について、どのような接点があったのか、御説明いただけますか。
○尾崎大臣政務官 お答えをいたします。
 その会合の出席ということでありますけれども、高知の教団施設におきまして、昨年の衆議院選挙前、十月十七日でありますけれども、対外的なイベントではありませんが、十五人程度の方が集まっている場で挨拶を行わさせていただいたものでございます。
○塩川委員 この高知の教団施設というのは、世界平和統一家庭連合の高知家庭教会ということでよろしいでしょうか。
○尾崎大臣政務官 そうです。
○塩川委員 統一協会そのものの団体ということであります。
 誰の呼びかけで、どういうつながりで挨拶に行くことになったんでしょうか。
○尾崎大臣政務官 私の知人の方がおいでになりまして、その方のお誘いを受けて支部役員の方に御挨拶に行かせていただいたことがあります。役員が交代したからということで、もう一回御挨拶に行かせていただいたことがあります。そして、この十月ぐらいの段階になりましたときに、女性の信者の方が集まっておられるので挨拶をしたらどうかと言っていただきましたものですから、お伺いをさせていただいたということです。
 こういう形で接点を持ちましたことは、本当に認識が甘く、私といたしまして、深く反省をし、おわびを申し上げなければならない、そのように思っておるところであります。
    〔藤井委員長代理退席、委員長着席〕
○塩川委員 推薦確認書について、見たことがあるか、サインなどを交わしたことがあるか、また、推薦状について、受けたことがあるか、この点についてはいかがですか。
○尾崎大臣政務官 推薦確認書について、見たことはありませんし、署名したことはありませんし、そして、推薦状をいただいたこともございません。
○塩川委員 統一協会関係者から選挙支援を受けたということはあるでしょうか。
○尾崎大臣政務官 選挙支援を受けたことはございません。
○塩川委員 井野防衛副大臣の俊世会や木原官房副長官の誠世会のような、統一協会関係者が関与した後援団体はありますか。
○尾崎大臣政務官 私の知り得る限り、ございません。
○塩川委員 統一協会本体の団体に挨拶に行ったということでも、選挙前という時期でもありますし、その関係というのは厳しく問われなければならないと言わざるを得ません。
 中野政務官にお尋ねいたします。
 議員になる前に、知人の紹介で集会挨拶に行ったということをお答えになっておりますけれども、どのような集会にいつ行かれたのかについて説明いただけますか。
○中野大臣政務官 お答えさせていただきたいと思います。
 議員になる前の令和三年十月十六日に、数ある政治活動の一環として、知人の紹介で、教会の三十名程度の集会に御挨拶にお伺いをさせていただきました。
 以上でございます。
○塩川委員 令和三年十月十六日、教会の三十名程度の集会に参加をされたということですが、その教会というのは、統一協会、世界平和統一家庭連合の川越教会とか、そういうところということでよろしいですか。
○中野大臣政務官 お答えいたします。
 川越にある、そういった教会施設で御挨拶させていただきました。
○塩川委員 統一協会本体の施設に挨拶に行ったということであります。
 あわせて、これまで御説明している中で、当選の御礼挨拶でクリスマス会に行き、挨拶後に会場を出たということでありますが、こういった事実はおありなんでしょうか。
○中野大臣政務官 お答えいたします。
 この御挨拶につきましても、令和三年の十二月十九日の教会のクリスマス会がありまして、知人の方から御挨拶に行ったらどうだというお誘いを受けて、御挨拶に行かさせていただきました。
○塩川委員 この十二月十九日の集会については、これは主催団体、会場等は、先ほど言っていた世界平和統一家庭連合の川越教会に当たるということでしょうか。
○中野大臣政務官 お答えいたします。
 同様の川越の教会の施設でございました。
○塩川委員 選挙前に統一協会に挨拶に行き、選挙後に統一協会に挨拶に行くということになれば、選挙支援ということがどうだったのかが問われるんですが、選挙について、電話がけなどの支援を受けたことがおありでしょうか。
○中野大臣政務官 お答えさせていただきたいと思います。
 旧統一教会の関連団体の関係者から選挙支援という形で御支援をいただいた、受けたことはございません。
○塩川委員 では、前後して、選挙前に挨拶に行き、選挙後に挨拶に行く、それは、選挙と関わりなく行かれたということですか。つまり、統一協会に深い御縁があるから、統一協会との関係で深い縁があるので挨拶に行ったということなんですか。
○中野大臣政務官 お答えさせていただきます。
 いわゆる政治活動の一環として、一団体の知人の紹介で御挨拶にお伺いをさせていただいたという経緯でございますので、御理解いただきたいと思います。
○塩川委員 推薦確認書、推薦状について、交わしたことや受け取ったことは、どうでしょうか。
○中野大臣政務官 お答えさせていただきます。
 旧統一教会の関連団体との推薦確認書並びに協定書は交わしたことはございません。また、推薦状も受けたことはございません。
○大西委員長 塩川君に申し上げます。
 申合せの時間が経過していますので、よろしく。
○塩川委員 はい。時間が参りましたので終わりますが、官房長官、お聞きできず申し訳ありません。
 ただ、こういった事実関係について、聞けば聞くほどいろいろ出てくるわけですから、政府としてしっかりとした調査を行えということを申し上げて、質問を終わります。