【倫理選挙特別委員会】領収書宛名を偽造か/「誰が書いたか確認する」寺田大臣答弁

 寺田稔総務大臣の関係政治団体「寺田稔竹原後援会」が受け取った領収書の宛名が「寺田稔」となっており、寺田事務所側により偽造されている疑惑についてただしました。

 寺田大臣は、竹原後援会の寺田氏宛の領収書について「(お店側に)私自身の事務所と思われて、寺田稔という名宛で書かれているものもある」(参院総務委員会での答弁)と述べ、店側が記載していたと答弁していました。

 ところが、今日の午前、「領収書の宛名の筆跡が11枚にわたって酷似している」との報道があり、このことに言及。さまざまな店で購入しているのに筆跡が同じなのは、店側ではなく寺田事務所側が宛名を記載したからではないか、と迫りました。

 寺田大臣は「竹原後援会の事務処理について承知していない」と無責任な答弁。

 私は、寺田大臣が「お店が(時間の余裕あれば)書き直してもらっている」と答弁していたことにも触れ、さらに追及。

 寺田大臣は、「虚偽に当たるとは考えていない」と強弁しつつも「誰が書いたのか確認する」と答弁しました。

 私は、竹原後援会の事務を担当しているのは、寺田事務所の常勤職員や寺田氏の妻が代表の政治団体「以正会」から報酬がでている方だと指摘。「竹原後援会は、代表者不在、会計責任者不在、収入の多くが寺田大臣が代表の支部から。後援会そのものが寺田大臣と一体の組織だ」と迫りましたが、寺田大臣は「あくまで別団体」と釈明しました。

 私は、国会議員関係政治団体がそもそも政治家と一体の団体として公開するとして作られたものであり「別の団体だと言い募るのは、筋が通らない」と批判。寺田大臣に、辞任を強くもとめました。


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議事録」

<第210臨時国会 2022年11月8日 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 第6号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 今日もまずは寺田大臣の所管大臣としての資質、資格を問わなければなりません。
 今日の午前、文春オンラインで、寺田稔竹原後援会が発行した領収書について、二〇一八年から三年間の領収書において、寺田稔宛ての領収書に記された宛名の筆跡が十一枚にわたって酷似しており、竹原後援会側が領収書の宛名を記入していたという、領収書を偽造した疑いを報じております。
 寺田大臣は、十一月一日、参議院総務委員会で我が党の伊藤岳議員の質問に答えて、支払いを受けたお店の方も、そこは私の竹原事務所というふうにこの通称で呼ばれておりまして、寺田事務所宛てのものもございます、あるいは竹原事務所と書いてあるものもある、あるいは竹原後援会事務所と書いてあるものもあります、そして、私自身の事務所と思われて、寺田稔という名宛てで書かれている領収書もあるということでございますと答弁をしました。
 しかし、ねじやパイプを買った領収書とか区内特別郵便などの領収書など、様々なお店や郵便局で購入しているのに宛名の筆跡が同じということは、お店側が宛名を書いているのではなく、寺田事務所の方で宛名を記載したということではないのか。寺田稔後援会事務所で宛名を記載したということではないのか。
 参議院総務委員会での答弁は虚偽だったということになるのではありませんか。
○寺田国務大臣 竹原後援会の事務処理についてのお尋ねでございます。
 もちろん私自身がその事務処理の詳細を承知しておりませんので、参議院の伊藤委員からの御質疑のときでございます、領収書の取扱いについて関係者から聞き取りを行いまして、その内容を、聞き取った内容をお答えしたところでございまして、聞き取りの内容をお伝えしたということでありまして、伝聞であるということを明らかにしておりますので、そのこと自体が虚偽に当たるというふうには考えておりません。
○塩川委員 一日の記者会見で、「領収書の宛名が竹原後援会でなく、私の名前を用いたものは確かに存在をしておりますが、これは政治資金規正法上も全く問題なく、竹原後援会に対して発行されたものとして取り扱うことができることになっております。」と大臣は述べておられます。
 政治資金適正化委員会の、政治資金監査に関するQアンドAでは何と書いてあるか。領収書等に宛名が記載されていない場合に、国会議員関係政治団体側で追記をすることは適当ではありませんとはっきり書かれております。
 このように、追記をすることは適当ではない、この点についてはお認めになりますか。
○寺田国務大臣 適正化委員会のガイドラインにおいては、もちろん、国会議員本人の名宛てであっても、それは後援会宛て、政治団体宛ての領収書として取り扱えるという記述はあるのは承知をしております。もちろん、竹原後援会という正式名称で書いていただくのが一等望ましいことは、そのとおりであろうかと思います。
○塩川委員 国会議員関係政治団体側で追記をすることは適当ではありません、この点については、適当ではないということはお認めになりますね。
○寺田国務大臣 おっしゃるとおり、そういう、可能な範囲で、お店の方で、すなわち支払いを受けた方で記入をしていただくべきであろうかと思います。
○塩川委員 その場合に、お店はばらばらなのにその筆跡が同じということになりますと、これは虚偽ということに当然なるわけですが、その点については確認をしていただけませんか。
○寺田国務大臣 前回、伊藤委員の質疑のときにおいては、関係者に聞き取りを行った結果をそのままお伝えをしたところでございます。それは、あくまで聞き取りの内容、伝聞であるということを明らかにした上でのお答えでございますが、実際、誰が書いたかについては確認をさせてもらいます。
○塩川委員 この寺田稔宛ての領収書に記された宛名の筆跡が十一枚にわたって同じ人物ではないのかということが問われているわけであります。この点について是非御確認いただきたいということと、大臣の答弁の中で、お店の方で書き直す時間があれば後援会宛てに書き直していただいているというお話もありまして、過去三年間の収支報告書において、この竹原後援会名に宛名を手書きで書き直した、そういう領収書はないと承知をしておりますが、この後援会宛てに書き直していただいているという答弁は、本当に事実に即したものなんでしょうか。
○寺田国務大臣 これは一度、私自身が後援会の方とお店に行って物を購入して、領収書は何と書きましょうかというふうに言われて、その方は私宛て、個人宛ての領収書を用意されていたので、いや、でき得ればこの後援会宛てに書き直してくださいと私自身が申し上げたことでございます。
 したがって、実際の、現実の事務処理がどういうふうに行われたかについての詳細は承知しておりませんので、先ほど言ったような、聞き取りによることをお伝えをしたということでございます。
○塩川委員 是非、その点も含めて確認をいただいて、御報告をお願いしたいと思います。
 QアンドAについても、これにふさわしい事態になっていないということが問われているわけであります。
 過去、政治資金パーティーの会費を払った際に白紙の領収書をもらって自分たちで書き込んでいたことが、二〇一六年当時、大きな問題となりました。当時の安倍総理は、法律上問題ないと弁明しながらも、改善するよう幹事長から通達したと言わざるを得ませんでした。白紙領収書の問題が国民の政治不信を招いたこと、これを自民党が認め、所属議員に通達をしたものであります。寺田大臣も御存じだと思います。それなのに、令和元年の収支報告書の領収書には、自民党広島参議院選挙区第六支部の領収証がありますけれども、これはパーティー券であります、その宛名の筆跡も同じ筆跡のものとされております。
 改めて確認していただきたいんですが、こういった広島参院選挙区の第六支部の領収証、パーティー券代、こういったことについて、領収書の追記が頻繁に行われているんじゃないのかという疑念が浮かぶわけですが、この点についても明らかにしていただけますか。
○寺田国務大臣 ちょっと、私自身、その領収書自身を見てもおりませんし、収支報告自体、私はチェックする立場にございませんので。
 いずれにしても、確認をさせてもらいます。
○塩川委員 寺田稔竹原後援会については疑問が尽きないわけです。
 前回の私の質問に、会計責任者が亡くなってから三年間も届出を訂正しないままでいたこと、これが政治資金規正法に反していることをお認めになりました。政治資金規正法を所管する大臣の後援会が法律違反をしていたという重大な問題であります。
 また、大臣は、会計責任者の職務代行者がいて、収支報告書に記載されている二人の事務担当者、そして、別の事務を取り扱う者がいると答弁をしております。この間の答弁の中で、職務代行者、二人の事務担当者のうちの一人、また、別に事務を扱う者については、大臣との雇用関係はないということをお答えになっています。もう一人の事務担当者の方は、大臣と雇用関係があるということです。
 そこで、大臣と雇用関係にないと言った方ですけれども、例えば、この職務代行者の方は、どこからその仕事に係る給料あるいは報酬を受け取っているんでしょうか。
○寺田国務大臣 私がお聞きしておりましたのは、職務代行者として別に代行としての報酬は得ていないというふうに聞いております。
○塩川委員 それでは、事務担当者の方ですけれども、お二人のうちの一人は雇用関係にある、地元の秘書の方だということ、そこはそれでよろしいんですよね。
○寺田国務大臣 そこに書いてある事務担当者の一人は、秘書ではないんですけれども、事務員といいましょうか、常勤雇用の方が一名名前が入っているというのはおっしゃるとおりです。秘書という扱いにはしておりません。
○塩川委員 これは、第五選挙区支部で賃金の支払いをしている方ということでよろしいんでしょうか。
○寺田国務大臣 そうです。常勤雇用の方は、第五選挙区支部で支払っております。
○塩川委員 それでは、もう一人の方について、当然、竹原後援会の事務所において事務なりを行っておられる方だと思いますけれども、その方は、その仕事に対しての給料あるいは報酬はどこから得ているんでしょうか。
○寺田国務大臣 もう一人は、常勤という形態ではありませんで、いわゆるお手伝いという形態で、毎日来るという扱いではなくて、その都度、必要が生ずれば仕事をしていただくという形態になっておりまして、これは竹原後援会から払っているのではなくて、報酬という形でもって、私の別の関係政治団体である以正会の方から報酬の形で支払っております。これは常勤ではございません。
○塩川委員 以正会は報酬の話が話題になったところですけれども、この以正会の人件費から、このもう一人の事務担当者の方の報酬を支払われているということでよろしいですね。
○寺田国務大臣 はい、常勤ではない者で、支部職員でなく、報酬という形で以正会から払わせていただいております。
○塩川委員 さらに、別に事務を取り扱う者がいるということですが、この方について、その仕事に見合う給与あるいは報酬というのはどうなっているんでしょうか。
○寺田国務大臣 別の事務を取り扱う者も、これは常勤の方ではございませんので、報酬という形でもって以正会の方からその仕事に応じて支払いをさせていただいております。
○塩川委員 ですから、実際に事務を担当している方、また、別に事務を取り扱う方というのが、直接、第五選挙区支部で雇用関係にある方とともに以正会から報酬を得ている。以正会そのものは、もちろん代表の方はお知り合いの方であるわけですけれども、いわばそういう意味では身内の方で、一体であります。そういった点でいうと、寺田稔竹原後援会というのはどういう運営をしているのかということになるわけです。
 寺田稔竹原後援会の代表者が、自分は後援会の代表ではないと各種の報道で述べております。九十代のこの男性の方は、自分が代表であるはずがない、五年以上前から後援会とは関わりがない、憤りを感じる、無責任極まりないと述べています。
 この竹原後援会の代表の方は、五年以上前から後援会とは関わりがないということは、御承知だったんでしょうか。
○寺田国務大臣 その代表だった方は、平成二十六年十一月から直近まで、今年の十一月、変更届が出されるまで代表を務められていたことは事実でございます。現に、平成二十六年に代表に就任されたときには、自ら代表の名刺をお作りになって、私の事務所にその名刺を持ってこられて、竹原後援会の代表になりましたと御挨拶をされたというふうに後ほど報告を受けております。
○塩川委員 近年、この二年、三年において、この後援会の代表として、この代表名を上げている方が、実際にそういった後援会の場で挨拶をされたりということはあったんでしょうか。
○寺田国務大臣 政治団体竹原後援会の代表の方ですので、竹原後援会の役員会であるとか、私自身はもちろん参加しておりませんが、代表というお立場でもって竹原後援会において活動されていたんだろうというふうに思っております。
 どういう御挨拶をされたかは、ちょっと私も、出ておりません、存じておりません。
○塩川委員 であろうという話であって、具体の話としての事実関係についてはお述べになりませんでした。
 大臣は、竹原後援会は自分とは別の独立した別団体だということをずっと申し上げているわけです。でも一方、事務担当者の一人は地元の雇用関係にある方でありますし、もう一人の事務担当者の方と実際に事務を取り扱っていた方というのは以正会から報酬を得ている方であります。
 そうなりますと、代表者は不在、会計責任者も不在、事務担当の人は大臣と深い関わりのあるそういった方々ばかりということになりますと、この竹原後援会そのものがいわば大臣の身と一体の組織だということは明らかであるわけですし、当然、収入の面でも、竹原後援会に、大臣が代表の自民党広島県第五選挙区支部から高額の寄附を受けているわけであります。事実上、竹原後援会が広島第五選挙区支部と一体となっているということは明らかで、これは独立した別団体だと言い張ることはもうできないんじゃありませんか。
○寺田国務大臣 事務担当者に確かに一名常勤職員が名を連ねておりますが、これは何か必要があれば竹原後援会のお手伝いをしてくださいという意味でございまして、実際ほとんど私の第五支部の常勤職員の方は竹原後援会の事務はしていなかったようでございます。
 先ほど言われた代表の方は、直近まで代表を務めておられましたし、また、実態としてもそうしたお仕事をされていたんだというふうに思います。
 この竹原後援会というのは、あくまで私とは別の団体として認識をしておりますし、恐らく後援会の方も、自ら独立した政治団体として活動されていたということでございます。
○塩川委員 実際、でも、その活動を見ても、事務担当者の方の人件費というのは、竹原後援会ではゼロじゃないですか。ですから、竹原後援会が自前で運営しているわけじゃないんですよ。第五選挙区支部又は以正会という格好で、大臣が深く関わって、その事務担当者が実際の活動を行っているということであれば、これはまさに別団体ではなくて一体のものというふうになるのは当たり前じゃありませんか。
○寺田国務大臣 もちろん、竹原後援会として、後援会としての活動、政治活動をしておりますから、これは実体のある政治団体ですし、一定の経費もかかっております。もちろん、第五支部からもお金は行っておりますから、自らも、竹原後援会としての収入は存在をいたしております。
 そして、役員構成も、先ほども申しましたように、第五支部とは全く別でございますし、先ほど、一名ほど常勤職員は、何かあればお手伝いをしてほしいという立場で事務担当者の名前に入っているということでございます。
○塩川委員 元々、国会議員関係政治団体というのは、まさにお金を透明化をするということで示されている、政治家とまさに一体の団体だということが前提にあるわけですから、そこを別だ別だと言い募ること自身が全く筋が通らないということであります。
 そういう点でも、この大臣の行ってきた対応というのが余りにも所管大臣としてふさわしくないということを言わざるを得ません。
 大臣が、二〇〇九年、自らのブログで、政治と金にまつわる報道に触れて、ガラス張りのクリーンな政治を目指してまいりますと書いております。亡くなっている方が会計責任者、届出をしている職務代行者、事務担当者がいても、実際には違う別な人が会計処理を行っている、さらに、領収書の宛名の筆跡が同一人物ではないのかといったことを含めてみても、こういった具体の話がガラス張りだと言えるんでしょうか。
○寺田国務大臣 御指摘の竹原後援会については、もちろん私はその事務処理の詳細を承知をしておりませんが、ブログ、御指摘の二〇〇九年四月のブログ、これは、そのときから一円単位の領収書添付というふうになりまして、領収書が一円単位、すなわち一円以上支出があれば領収書をつけるというふうなことになったがために、そうしたことを記載をしております。
 いずれにしても、竹原後援会の事務処理等について、現在、告発もなされておりまして、今後、もちろんどういうふうな捜査になるか分かりませんが、予断を与えるようなことは私ども差し控えたいと思います。
○塩川委員 所管する法の趣旨や目的を理解していない寺田大臣は大臣の任に値しない、所管大臣としての資格がないということを申し上げざるを得ません。
 そこで、先日お聞きすることができなかった統一地方選の期日特例法案について一つお尋ねします。
 法案には、統一対象期間、三月一日から五月三十一日に任期満了を迎える地方自治体の首長、議員の選挙に加え、六月一日から六月十日に任期満了する自治体も統一地方選挙で選挙できるとする任意の規定があります。
 この任意規定は、九五年一月の阪神・淡路大震災がきっかけです。被災した自治体は、九五年四月に予定していた統一選挙を六月十日まで繰り延べたことから、次の九九年四月の統一選挙での選挙実施を望んだ被災自治体に配慮して設けられたものですが、この間、状況は変わっています。
 兵庫県議会などが要望し、任期短縮特例法が二〇一七年通常国会で成立しました。この特例法により、これら被災自治体は、それぞれの議会での議決を経て、一九年統一地方選挙での当選者の任期を三年十か月に短縮する措置を取りました。任期短縮を行った自治体は、任意規定を用いることなく統一地方選挙を行えることになりました。統一地方選の対象となる選挙に、六月の一日から六月の十日任期満了の首長も実施できるとした任意規定を残しているのはなぜなのか。
 こういう規定は阪神・淡路大震災を起因にして設けられたものであり、それが改められた中で、この任意規定が必要ないんじゃないのかと思いますが、この点についてお答えください。
○森政府参考人 お答えをいたします。
 阪神・淡路大震災に伴い任期が延長された被災地方公共団体につきましては、御指摘のとおり、平成二十九年の任期特例法により任期の短縮が行われ、任期満了日が令和五年四月二十九日又は三十日となったことから、統一地方選特例法第一条第一項の規定により統一対象となります。
 一方で、御指摘の、六月十日までに長の任期が満了する団体について、統一地方選挙として選挙を行うことができることとする特例につきましては、阪神・淡路大震災に伴い任期が延長された地方公共団体に限ったものではないこと、平成十一年以降、平成三十一年の統一地方選挙まで計六回にわたり設けられ、現にこれまでの統一地方選挙で当該特例を適用してきている地方公共団体が存在すること、総務省において意向確認調査を行ったところ、令和五年六月一日から十日までに任期満了となる地方公共団体の長の選挙について、統一地方選挙として行う意向であると回答した地方公共団体があること、また、当該特例を設けても特段支障が生じるとは考えられず、むしろ統一率を高めることで国民の関心を高めるという本法案の目的に資すると考えられることから、今回の統一地方選挙においても当該特例を設けようとするものでございます。
○塩川委員 経緯を見ても、この六月一日から十日までの任意規定は必要がないと改めて述べておくものです。
 この委員会での議論でも、再統一とか統一率を高めるといったお話もありましたけれども、それぞれの自治体の事情によって今の選挙期日があるわけです。統一率を高めるということが、対象選挙を拡大したり、任期を短縮、延長して選挙日を統一するということになるわけですが、でも、そのことは、住民の政治参加や参政権、公務員の選定、罷免権の行使という憲法上保障された国民主権と議会制民主主義上の原則に関わる問題です。
 選挙は民主主義の根幹を成すもので、国民の基本的な権利である選挙権は大変重いものです。地方議員の任期は四年間であり、四年ごとに住民の信託を受け住民の意思を反映することは、憲法からいっても民主主義からいっても大原則であります。この国民の権利を制限することは極力避けるべきだということを指摘しておきます。