【議院運営委員会・国葬検証各党協議会】「死者の政治利用」/意見陳述で参考人

「しんぶん赤旗」12月3日・2面より

 安倍晋三元首相の「国葬」を検証する衆院各派代表者による協議会は11月30日、会合を開き、参考人の意見を聴取しました。南野森・九州大学教授、長谷部恭男・早稲田大学法学学術院教授、井上武史・関西学院大学大学院教授が意見陳述しました。

 南野氏は安倍「国葬」は「政治的に非常に問題があった」として「死者の政治利用」を指摘。「死者の支持者からの政治的な賛同、支持を調達する目的があったのではないか」と疑問を呈しました。

 日本共産党の塩川鉄也議員は、安倍「国葬」が安倍氏に対する敬意と弔意を国全体としてあらわす儀式として行われ、事実上、黙とうや弔意が強制される例もあったと指摘。これに関し、南野氏は国民に対して弔意の要請にとどめても憲法上、疑義があると指摘。「教育現場への要請は望ましくない」とし、山口県教育委員会の学校への半旗要請は「非常に望ましくなかった」と述べました。

 塩川氏は「国葬」の対象となる政治家の功績を強調し、特別扱いをすることで、「首相の政治的立場を強化、正統化する儀式とならざるを得ないのではないか」と質問。南野氏は「そのような側面、効果が生じるのはその通り。もしかしたら、そのような効果を狙ってさえいる可能性もある」と語りました。長谷部氏は「内閣限りの判断というとき、恣意(しい)的な判断がされるリスクは含まれる」と語りました。