【内閣委員会】所沢除染土再利用実証事業/環境副大臣、自ら住民に説明する考えなし

 私は、環境省が埼玉県所沢市で計画している除染土再生利用実証事業について、地元住民から出ている計画撤回の声を聞くべきだと迫りました。

 私は、所沢ではこれまでも産廃焼却によるダイオキシンが大問題になり、また最近では、米軍横田基地から所沢通信基地に汚染土壌かどうかも未検査の土壌が運び込まれてきた経緯があると指摘し、「今度は環境省か」というのが住民の声だと強調。

 「小林環境副大臣は所沢市議会で説明を行ったものの、市民には非公開だった。改めて大臣・副大臣出席で市民を対象にした説明会を開く考えはあるか」と質問。

 小林茂樹環境副大臣は、非公開となったのは所沢市議会事務局の判断だったと釈明。

 私が「大臣・副大臣が公開の場で市民に説明しないのか」と追及すると、小林副大臣は「考えていない」と答えました。

 私は、まともな説明もしないまま計画だけ進めることは認められないと強調し、「計画は撤回せよ」と求めました。

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「議事録」

<第211回通常国会 2023年2月10日 内閣委員会 第2号>

○塩川委員 環境省、小林環境副大臣にお尋ねをいたします。
 環境省は、東電原発事故の汚染土壌除去に伴う除染土の再生利用実証事業に取り組んでいます。所沢市の環境調査研修所や新宿御苑、つくば市の環境研究所の敷地内での実証事業を計画しております。いずれも、地元の住民の皆さんからは、反対の声、計画の撤回を求める声が上がっています。
 私が住んでおります所沢では、かつて産廃焼却によるダイオキシンが大問題となりまして、環境問題については皆さん大変危惧、懸念を覚えているところです。
 最近は、米軍の所沢通信基地に米軍の横田基地からの残土が持ち込まれると。米軍ですから、国内法令が適用されないということで、埼玉県の残土条例の適用除外で、汚染土壌かどうかの検査もできないと。こんな格好で持ち込まれる、これはおかしいじゃないかというような市民の大きな声が上がっていたわけであります。
 今度は環境省かと。市民の得られない、汚染土の再生利用実証事業は認められないということを申し上げておきます。
 そこで、小林環境副大臣は所沢市議会で説明をされたということですけれども、非公開だったということであります。市民の皆さんが広く関心を持っている問題について、改めて市民を対象に公開の場で説明を行う考えはありませんか。副大臣も大臣も出席をして、市民に対して公開の場で説明をする、是非やっていただきたいと思うんですが。
○小林副大臣 塩川委員にお答えをいたします。
 環境調査研究所で計画をいたしております実証事業に関して、昨年十二月の十五日に、所沢市議会から説明を求める要望書が提出をされました。この要望書を踏まえて、先週、火曜日でありますが、一月三十一日に行われた市議会の研修会において、私が出席をいたしまして、この実証事業について詳しく説明をいたしました。
 この内容は、除去土壌の再生事業というものがどのようなものであるのかという、その前段、二〇四五年までに福島県に現在置かれている除去土壌を県外に搬出をするという約束をさせていただいている、これに基づいての事業であります。
 なお、この議員研修会は、主催者である所沢市議会事務局の判断によって非公開で行われたというものでありまして、その判断を尊重したというところであります。
 現在、近隣住民に対して説明会を行っておりまして、いただいた御質問、御意見がございますので、これに対して丁寧にお答えをして理解を求めている、このような状況でございます。
 以上です。
○塩川委員 質問をした、大臣、副大臣が公開の場で市民に説明するということはやりませんかについて、お答えください。
○小林副大臣 所沢市議会の要請にお応えをして参加をしたということでありますので、現在、大臣、副大臣が公開の場でということに関しては考えておりません。
○塩川委員 まともな説明もしないで進めることだけ進めるというのは納得いかない、汚染土の再生利用実証事業は撤回すべきだということを申し上げて、質問を終わります。