埼玉県議会が医学部新設方針を求める意見書を全会一致で採択するなど同県で医師増員を求める取り組みが広がっている。政府の医学部新設抑制方針の撤回を求めた。

　1982年の「行革」で医学部の定員抑制と新設を認可しない方針を決めたが、医師不足・地域医療の崩壊が社会問題となり、2008年から定員増へと転じざるをえなくなっている。

　人口10万人あたり医師数で埼玉県は全国最下位の142人と少なく、埼玉、千葉、茨城など人口あたりの医学部定員が少ない首都近郊の県で医師不足は深刻。医学部新設の抑制方針を改めるべきだ。

　新藤義孝総務相は「地域の実情等を踏まえたきめ細やかな対応をしていくべきだ。政府内で働きかけていきたい」と表明。文科省の山野智寛大臣官房審議官も「指摘の点も含めて、どういう政策がいいか検討していきたい」と答えた。

　医師抑制を図ってきた歴代政権の責任は極めて重大だ。医師養成数増加のために医学部新設に向けた国の対策を。

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