第183 通常国会 2013/1/28~2013/6/26 日付:2013-07-15 |
米投資会社サーベラスが東京都内や埼玉県内を走る西武鉄道5路線の廃止などを提案している問題について、路線存続のための国の対応を求めた。
太田昭宏国交大臣は「沿線地域にとって極めて重要な路線。安全で安定的かつ良質な鉄道輸送サービスの確保という観点から動向に注視していく」「鉄道事業者として地域住民の意向をよく聞いた上で対応すべきだ」と述べた。
沿線住民と自治体から路線存続を求める声があがっている。鉄道会社は公益性・公共性を持つ。株主利益第一によって路線廃止など沿線住民の利便性を後退させてはならない。サーベラスによるTOB(株式公開買い付け)に先立ち行われた外国投資家に対する対内直接投資規制(外為法)にもとづいて鉄道業における「公の秩序の維持」を妨げるものと判断すれば、中止を求めることができる。路線存続へ厳しく対応するよう求めた。
また、1999年の鉄道事業法改正で、路線廃止を許可制から事前届け出へ緩和し、地元自治体の合意なく一方的に廃止できることになった。路線廃止の提案について自治体が「法規制のさらなる強化、充実」を要望している。見直しを求めた。
国交相は規制緩和の見直しについて「直ちに変えるべきものではないと考える」と答えた。(5月19日国交委員会)
西武鉄道の親会社西武ホールディングスの筆頭株主、米投資会社サーベラスグループが路線廃止と駅員のリストラを要求していることに、沿線自治体、住民から反対の声があがっている。どのように受け止めているのかを質問。沿線住民でもある柴山昌彦総務副大臣は「一住民として懸念を持っている」と答えた。
外為法では、外国投資家に対し、「鉄道業」など「公の秩序の維持」を妨げる恐れのある株式の買い増しに対して財務相や国交相が中止を求めることができることになっている。1999年に鉄道事業法を改定し、路線廃止が「原則自由」に緩和された。これがなければ地元自治体無視の路線廃止要求はできなかった。路線存続に手段を尽くすよう求めたのに対して、新藤義孝総務大臣は、「社会性・公共性に害する要素がある。悪影響の出ないような対応を会社に期待したい」と述べた。(5月23日総務委員会)