第185 臨時国会 2013/10/15~2013/12/8 日付:2013-10-29 |
安倍政権が推進する「成長戦略」の目玉の一つで、規制緩和などを通じて「世界で一番企業が活動しやすい国」に日本を変える産業競争力強化法案が、衆院本会議で審議入り。
バブル経済崩壊後の規制緩和と「構造改革」が、大企業の多国籍化と国内産業・雇用の空洞化、消費の冷え込みをもたらした。すでに日本は、世界でもっとも『規制の緩い国』になっている。
法案に関連する問題点は四つ――
(1)個別企業が希望する規制緩和を法律で担保する「企業実証特例制度」
(2)法案が継承する「産業活力再生法」のもとで強行されているリストラや退職勧奨
(3)外資系ファンドによる企業支配とリストラの野放し状態
(4)ファンドや多国籍企業の「税金逃れ」や法人税率の引き下げ
通商白書(1992年)では、多国籍企業化で「企業利益と国民の利益が一致しなくなる」と指摘している。多国籍企業に成長したわが国大企業を応援し産業競争力をいくら強くしても、国民生活向上につながらない。
規制緩和と構造改革は結局、貧困と格差をもたらしただけ。いまこそ国民生活を最優先させた日本経済発展の道に政策を切り替えるべきだ。
茂木敏充経産相は「(規制改革は)一定の成果を上げてきたが、多くの分野でさらなる取り組みの余地が残されている」として引き続き断行していく考えを表明。「わが国で事業活動をおこなう企業の収益性が高まれば、従業員の賃金の上昇や雇用の拡大をうみ、国民経済の発展につながる」と破綻ずみの主張を繰り返した。
→産業競争力強化法案に対する衆院本会議質問の概要(「しんぶん赤旗」Webサイトへ)
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