日付:2015-10-17 |
イタリアではこの間、解雇規制の緩和、民営化、社会保障費の削減といった新自由主義的な政策が推進されています。
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ダンブルオーゾ伊日友好議連会長を表敬訪問。来年は日本・イタリア国交樹立150周年。今年、食をテーマにしたミラノ万博では「日本館が一番人気」だそうです。
今EUでは、難民問題が大きな課題に。ダンブルオーゾ議員は「迫害を受けた難民は政治的な庇護が必要」「北アフリカからの難民を受け入れてきた」と述べていました。
今回の議運における海外派遣の目的の一つに、各国の公文書管理行政の調査があります。それは、議運委員会に「新たな国立公文書館に関する小委員会」が置かれ、その「中間取りまとめ」が「新たな国立公文書像」を示し、衆院用地を建設候補地としたことが契機になっています。
本来、国立公文書館について議論する場合、公文書の適切な作成・保管、公文書館への移管基準、公文書の利用、専門家の養成・配置など、公文書管理の全体について議論することが欠かせません。
それなのに「中間取りまとめ」は、公文書館の学習・展示機能の拡充の必要性だけを強調して、衆院用地への建設を容認しました。
私は、「中間取りまとめ」について、本来求められる国立公文書館の機能や規模の検討を制約するものとなるとして、その撤回を求め、引き続き協議すべきと要求しています。
各国の公文書管理の実状を学んで、今後の取り組みに活かしたいと思います。
ローマ郊外にあるイタリア中央公文書館を訪問、副館長から説明を受けました。
中央公文書館は、外務省、国防省を除く国の行政機関が作成した文書のうち、国の歴史にとって重要な文書を保管し、国民の利用に供することを使命としています。1870年のイタリア統一後の行政文書を扱っています。
自治体文書や民間文書も保管しているそうです。「一部の研究者だけでなく、国民全体に活用してもらうことが重要」と述べ、展示会などを開催していると説明がありました。実際、特許に関する文書が展示されていました。ただ利用者数はあまり多くないようです。
国が養成した専門家(アーキヴィスト)が、各行政機関で公文書を取り扱っています。各行政機関の下に監視機関が設置され、公文書の移管に関するチェックをしていますが、そのメンバーにもアーキヴィストは入っています。行政機関が公文書館に移管しない文書についてもチェックしているそうです。
バチカン公文書館を訪問。1612年創立。ローマ法王の私的文書を含むローマ法王庁の行政文書を収集、保管、公開しています。バチカン図書館からも移管されています。
1939年2月までの文書を公開。一般の公文書館とは違い、法王の判断で公開の範囲を決めるとのこと。歴史的な資料であり、全ての文書を廃棄することなく保管しているそうです。
現在、バチカン図書館は、デジタルアーカイブ化を進め、貴重な手書き(手描き)資料のデジタル公開に取り組み始めていますが、公文書館については「秘密性のある文書が含まれるので、図書館と同じようにはしていない。閲覧の利用の高いものを先に電子化している」といいます。ラテン語なので、利用は研究者に限られているようです。
保管庫はバチカン博物館の地下にあります。