日付:2016-07-20 |
ポルトガルのトーレ・ド・トンボ国立公文書館を視察。ラセルダ館長から説明を受けました。5世紀以降から今日までの文書を保管。その点数は10億枚(100㎞)に及びます。地方公文書を管理する17の地方事務所を統括。写真資料はポルトーのセンターで管理。また、各官庁の公文書管理の指導を行っています。ただし国会、大統領府は、独自の公文書管理を実施。
「トンボ」は「土地台帳」という意味で、「トーレ・ド・トンボ」を直訳すると「土地台帳の塔」。
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1860年に調印された日本ポルトガル修好通商条約の原本。 |
1571年に作成された世界地図。東南アジア、北東アジアが記載されている一枚。右上に日本がありますが、変な形です。地図には金箔が貼られていたり、カラフルな色彩となっており、実用というより、美術品としての性格を持っていたようです。 |
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ポルトガル公文書館における古文書の修復作業。虫食いなど傷んだ古文書の修復には、日本の和紙が欠かせません。
国立公文書館の常勤職員は、このトーレ・ド・トンボで168人。地方事務所含め、全体では312人。公文書の増加を見越して、裏手に敷地を確保しています。館内の閲覧室の利用は年間1万7千人。主に学生や研究者が利用。インターネット検索のアクセス数は、年間900万件。
館長に、いまの課題は何かと聞くと「予算が減っていて大変。ぜひデジタル化を進めたいので予算を増やしてほしい」と述べていました。
日本の国立公文書館の職員数は約50人。欧米諸国に比べて貧弱です。国民の財産である公文書の保管という点でも、公権力に対する監視という観点でも、公文書管理、公文書館機能は重要です。