日付:2016-09-05 |
日光市の足尾銅山の現地調査。東日本大震災の時に、古河機械金属が管理する源五郎沢堆積場が崩落、道路や鉄道が不通となり、下流の河川が重金属で汚染される事故が起きました。経産省が研究会で技術基準の見直しを行いました。
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源五郎沢堆積場の工事現場を視察(写真左)。15度を超える傾斜地を8.5度に下げるなどの対策をとっています。 |
足尾銅山のすのこ橋堆積場(写真右)。足尾銅山の坑廃水中の溶解物を山の上にポンプアップして堆積させています。東日本大震災のようなかつてない災害が起きており、地震や豪雨災害によって堆積場が崩落しないか、改めて懸念の声があがっています。
堆積場の負荷を軽減するために、豪雨による雨水の流入を防ぐ山腹排水路をつくってほしいという要望が地元から出されています。古河機械金属は「現状は問題ないと考えている」としていましたが、参加者の重ねての要望にたいして「対策の予算などシミュレーションを考えたい」と回答しました。
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すのこ橋堆積場の直下には足尾町の中心市街地があります(写真左・V字谷の奥)。隣の沢には天狗沢堆積場もあります。これらの堆積場が崩壊するようなことがあれば、多数の住民の生命財産が損なわれ、渡良瀬川が汚染されて首都圏の飲料水にも深刻な影響を与えることになります。 |
すのこ橋堆積場について、古河機械金属には、監視・警戒体制の強化・確立や山腹排水路の改善といった地元の要望に真摯に応えてもらいたい。そして一日も早く堆積場の使用停止、地山化をはかるよう真剣に検討を求めたい。自主保安などといって安全対策を事業者任せにしてきた国の責任も問われます。 | ![]() |
調査には、すのこ橋ダム安全対策協議会の皆さんとともに、野村節子栃木県議・日光市議団・伊藤祐司群馬県議・桐生市議団も参加しました。
かつて足尾銅山は、亜硫酸ガスによる煙害で周辺ははげ山となり、住民に健康被害をもたらしました。渡良瀬川下流域には重金属を含む鉱廃水が流れ込み、水質汚染や農地の土壌汚染が生じました。
田中正造がたたかった「足尾鉱毒事件」です。足尾銅山は、公害問題の原点です。
住民の運動とともに、水質対策や緑化の取り組みが行われて来ています。
二度と足尾で被害が起きないように取り組んでいきたい。原発事故を始めいまも続く公害に対して、被害者支援とともに環境破壊を許さないたたかいに全力を挙げます。