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日付:2017-06-28
【新聞「新埼玉」掲載】米軍機飛行の苦情は監視行動
新聞「新埼玉」7月号より
国会ほっとレポート/衆議院議員 塩川鉄也
埼玉の空は米軍機の訓練場です。米軍横田基地は2010年以降、首都圏の民間航空関係者を集めた会議を開いています。そこでは、米軍機が編隊を組んで低空飛行訓練することを紹介しています。会議の名称は「関東平野空中衝突防止会議」。米軍自身が事故の危険性を認めています。
首都圏の空では、横田基地所属の米軍機による飛行訓練が恒常的に行われているのです。そのことは、防衛省が集計している「米軍機の飛行に係る苦情受け付け状況表」(塩川鉄也HP「米軍・自衛隊資料集」に掲載)を見れば明らかです。埼玉県では、2012年以降で111件に上ります。県内63市町村のうち27市町から米軍機の苦情が寄せられています。「自宅療養中のため、騒音に苦しんでいる。引っ越しすることもできないので何とかしてほしい」といった声が上がっています。
いま米軍横田基地が大きく変貌しています。横田基地所属の戦術輸送機C130Hが最新型のC130Jに切り替わります。UH1ヘリにホイスト(吊り下げ装置)が装備され、戦場における捜索救難能力を強化。その訓練場として近年、所沢通信基地が使用されています。沖縄の嘉手納基地所属のMC130特殊作戦機は半常駐化し、普天間基地所属のMV22オスプレイの拠点基地化が進んでいます。
さらに米空軍のCV22オスプレイを横田基地に配備する計画が公表されました。中谷防衛大臣は、CV22が低空飛行訓練や夜間飛行訓練を実施すると認めました。重大事故を繰り返すMV22より事故率が高いCV22の飛行訓練などとんでもない。
私たちの生活する場所での軍事訓練など、許すことはできません。米国内では人口密集地域で訓練飛行など行いません。戦後続く米軍特権を見直すときです。
米軍機飛行に対する苦情の訴えは、米軍機の監視行動につながっています。自治体が苦情の窓口となって、防衛省に問い合わせするなど、自治体ぐるみの運動も広がっています。沖縄のたたかいと連帯して、米軍基地被害をなくし、基地撤去の運動を広げましょう。