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日付:2017-11-07
自衛隊の統合後方補給訓練/戦争法具体化の先取り/訓練の中止,基地強化計画の撤回,戦争法廃止を
防衛省は、今年度の「自衛隊統合演習(実動演習)」の一環として、入間基地(埼玉県狭山市・入間市)において「統合後方補給訓練(輸送、衛生)」を11月8日から12日にかけて実施する予定です。
入間基地から那覇基地(沖縄県)に人員等を輸送する「輸送」訓練や、与那国島(沖縄県)で発生した負傷者、病人を那覇基地、入問基地経由で自衛隊中央病院(世田谷区)に搬送する「衛生」訓練が行われます。
今日、防衛省から参加部隊などについて追加説明がありました。「輸送」訓練において、輸送対象となる部隊は、陸自中央即応集団中央特殊武器防護隊(大宮駐屯地)であること。「衛生」訓練では、航空機動衛生隊が「機動衛生ユニット」を1基運用すること、患者後送要員(約10名)の中には「第一線救護衛生員」が数名配置されていることが明らかになりました。
中央特殊武器防護隊の任務は、特殊武器(核兵器・生物兵器・化学兵器など)によって汚染された地域の偵察および除染を行うことです。
航空機動衛生隊は「各種事態等において発生した重篤な傷病者を、航空機により発生現場近傍飛行場から最終医療機関近傍飛行場までの間を搬送する際、“空飛ぶICU(集中治療室)”とも呼ばれる機動衛生ユニットを使用して、必要な機上医療を実施することを主な任務」(航空機動衛生隊HP)としています。
第一線救護衛生員は、戦場における四肢の損傷による大出血や気道閉塞、緊張性気胸などに対する救命措置を行うことを任務としています。
「自衛隊病院在り方検討委員会」報告書では「自衛隊における衛生の意義は、自衛隊の任務遂行のため、戦闘、特殊武器等により発生した傷病者を治療・後送するとともに、平素における隊員の健康を良好に維持して、人的戦闘力を維持・増進することにある」と述べています。
現在入間基地では、海外の戦場への「輸送」と「衛生(軍事医療)」の兵たん拠点として、C2大型輸送機の配備や自衛隊病院建設計画が進められていますが、今回の訓練は、それを先取りするものです。沖縄を海外の戦場に置き換えれば、その意図するところが明確になります。
戦争法の具体化による「殺し殺される自衛隊」にさせないために、訓練の中止と基地強化計画の撤回、戦争法廃止を強く求めます。