日付:2012-07-20 |
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党国会議員団東京事務所・東京都委員会の懇談会 |
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全国離島振興協議会の代表から要望を受ける |
海に囲まれた離島は、交通や医療、教育など他の地域に比べて厳しい条件下にあり、産業の低迷、人口減少、高齢化が深刻。その離島で住民が安心して住み続けられるよう、離島振興法の一部改正が6月、国会において全会一致で可決・成立した。来年4月実施へ、都が作成する計画に島民の要求をどれほど反映させることができるか、注目されている。
改正法について、日本共産党東京都委員会島しょ対策委員会、大島町、新島村、御蔵島村の各共産党議員ら関係者と懇談した。離島振興法の改正は10年ぶりで6回目。離島の人たちの切実な願いが数多く反映され、法文の長さはこれまでの2倍以上にのぼっている。日本共産党国会議員団では、離島振興対策委員会(責任者赤嶺政賢衆院議員)として調査を行うなどしながら、同法の抜本改正のために奮闘した。
改正法が施行となる来年4月まで、市町村が住民の意見を反映した計画案を作成し、都道府県はその案をもとに計画を作って国に提出することになる。
島の資源を生かし、農業、漁業、その他の産業など振興策をどう図っていくのか、20、30代の後継者をどう育て住みけられる島にしていくという観点から、住民の要望を重ね合わせていくこと。『配慮事項』を住民が要求し予算化を図ることができる根拠、足がかりにしていくことが大事ではないか。
島挙げて頑張る
離島の人たちも、改正離島振興法を積極的に受け止め、実現しようとしている。新島村の青沼進二議員は「本土の病院へ行かなければならない妊婦への支援として村が単独で費用を出していますが、こんな医療格差を少しでもなくすようにしたい」と話している。御蔵島村の黒田正道議員も「波の荒いときは船が着かず、就航率は6割くらい。港の拡充は必須条件なので何とか改正法で適用出来るように島あげて頑張りたい」。大島町の時得孝良議員は「たくさんの要望があるので、住民、議会、行政が連携し、都に要望、提案していきたい」と決意を述べていた。
改正のポイント
改正のポイントの一つは、離島振興法の「目的」が、大きく書き加えられたこと。離島の重要な役割と人口の減少が長期に続き、高齢化が進んでいる現状や、人の往来や生活に必要な物資などの輸送にかかる費用が他の地域に比べて多額である状況を改善すること。人口の減少を防ぎ、定住を促進していくことなどがしっかりと明記された。
内容では、住み続けられる島へ、ソフト事業の支援施策が拡充されたことが最大の特徴。
その一つとして、離島活性化交付金が創設された。対象となる事業は今後、政令で定められるが、離島漁業再生支援交付金やへき地保健医療対策費などとともに、妊婦の出産、通院などの支援も盛り込まれることが想定されている。
離島の人たちの生活物資や生産品の移動経費が割高になり、島内の物価高や生産品のコスト高を招いていることへの支援についても「人の往来・物資の流通に係る費用の低廉化」で特別の配慮をするよう規定した。医療の確保では、妊婦の通院・出産支援(本土への交通費や滞在費など)についてだけではなく、重い病気にかかった人たちへの支援についても「保健医療のサービスを受けるための住民負担の軽減」を定めている。
学校教育については、高校など未設置の離島高校生の通学支援、公立高校の教職員定員へ特別の配慮をするという規定も設けられた。その他にも、介護サービスの確保、農林水産業など第1次産業以外の産業の振興、就業促進など、多岐に渡る分野について、10数項目に及ぶ「配慮事項」が追加されている。