第192 臨時国会 2016/9/26〜2016/12/17 日付:2016-11-08 |
今日の議院運営委員会で、自民・公明・維新が4日に強行採決したTPP承認案等について、特別委員会に差し戻して、徹底した審議を行うよう主張。以下、発言の要旨です。
●山本農水大臣の度重なる「強行採決」発言は極めて重大。一度目の発言について、大臣は「行政が国会に介入するような不適切な発言でご迷惑をおかけし申し訳ない」と陳謝したが、それが「冗談」だとするような2度目の発言は、全く反省がなく、国会の審議をないがしろにするものだ。国会の権威にかかわる重大問題だからこそ、4野党は農水大臣の辞任を要求した。しかし政府与党は「ゼロ回答」のまま、TPP特で与党が一方的に強行採決を行ったことに厳重に抗議する。
●農水大臣の「強行採決」発言が問題となっているそのときに、地方公聴会日程が強行された。しかし佐藤議運委員長は委員派遣申請を受け取らず、「なおいっそうの歩み寄りの努力を図ってほしい」と述べ、TPP特の自民・民進の理事を呼んで、地方公聴会日程を変更させた。事態の正常化に努め、「今後は円満に」と注意を行った。このような佐藤委員長の運営は極めて重要である。
●だからこそ二度目の農水大臣の発言を受け、11月2日の理事会で佐藤議運委員長は、職権で4日の本会議を立てながらも、「4日まで二日ある。議長、副議長に相談の上、いろんなことをすすめたい。私も努力する」と述べた。4日の理事会でも「本会議を開くところまで至っていない。今しばらく時間も必要。できれば与党側に努力いただきたい。私も努力する」として、いったん理事会は休憩になった。
この間、本会議開会に向けた努力が行われていた最中に、与党がTPP特別委員会開会を強行し、野党の反対を押し切って採決を強行した。本会議開会中は議長の許可なく委員会を開くことができないという衆議院規則を踏み破るもの。私の申し入れに対して佐藤委員長も「私も知らなかった。ルール上は、できない」と明言した。
大島議長は、4野党国対委員長の申し入れに対して「平穏な状況での採決ではない」と述べている。休憩後の理事会の冒頭で、佐藤委員長は「午前の理事会で野党からの要望があったのに、いい方向に進められなかったことを陳謝したい。さらに混乱したという事実に責任を感じている。お詫びしたい」と述べた。委員長の努力を無にするような暴挙を行った政府与党の責任は重大である。
●昨日、7日の理事会でも佐藤委員長は、本会議開会に向けた努力を行っている最中に、委員会の開会を強行したことについて「国会に20年いるが初めての経験だ。こんなことがまかり通れば議運はいらない」と厳しく指摘した。まさにそのとおり。
●国会審議を損なわせる、一番の原因である山本農水大臣に対する野党の辞任要求に対して、なんらの回答もしない政府与党の姿勢を厳しく批判したい。
●そのことに加えて「委員会審査終了議案」として、協定と関連法案について議運理事会で協議の対象とすることは、国会のルールを踏み破ったTPP特の質疑、「採決」の強行を容認することになる。議事日程延期で済む話ではない。TPP協定と関連法案は、委員会に差し戻して、徹底した審議を行うべきである。
大島議長、佐藤議運委員長のなおいっそうの努力を期待する。