第187 臨時国会 2014/9/29~2014/11/30 日付:2014-11-12 |
いま群馬県において、有害物質を含む鉄鋼スラグが八ツ場ダムや道路用資材など公共工事に使用されていることが明らかになり、大問題となっている。
この鉄鋼スラグは、大同特殊鋼渋川工場で生成されたもの。このスラグは、強アルカリ性で、フッ素や六価クロムなどの有害物質が含まれ、環境汚染、健康被害が懸念される。
私は以下の3点で政府を質した。
1)国交省、経産省など関係行政機関に対して、使用実態の全容把握を行うことを要求。国交省は、この間の私たちの指摘を踏まえ、露出した状態の鉄鋼スラグ使用場所の調査は開始した。しかし露出していない場所の調査には及んでおらず、民間工事にも使われている鉄鋼スラグの使用実態の全容把握に努めるよう重ねて要求した。
2)有害物質を含む鉄鋼スラグを自然砕石と混ぜ合わせても、廃棄物であることには変わりないと追及。大同特殊鋼渋川工場では、廃棄物として処理すべき土壌環境基準を超える鉄鋼スラグを自然砕石と混ぜることで有害物質が希釈されたかのようにして、出荷していた。この件について環境省は、一般論といいながら「(廃棄物である)鉄鋼スラグと自然砕石とを混合するということになると、廃棄物と廃棄物でないものの混合物ということなので、廃棄物でなくなるということではない」と答弁。今後、大同特殊鋼渋川工場の鉄鋼スラグの扱いについて、群馬県の対応が注目される。
3)前橋市内の上武国道工事現場では、道路の盛土部分にあたる「路体」に鉄鋼スラグが使用されていた。しかし国交省の仕様書においては「路体」の材料は礫質土となっており、鉄鋼スラグを含む再生砕石は対象外。この点を指摘すると、国交省は「仕様には合っていない」と認めた。撤去を含めた是正措置を求めると、国交省は「瑕疵があれば瑕疵の補修請求か損害賠償を請求できる。群馬県などと連携して適切に対応したい」と答弁した。
最後に、コスト優先の企業体質と廃棄物のリサイクル活用を促進してきた国の対応が、このような有害物質の拡散につながったと厳しく指摘した。