第189 通常国会 2015/1/26~2015/9/27 日付:2015-03-25 |
「慰安婦」問題での日本軍の関与と強制性を認めた「河野談話」を裏付ける新資料の収集についてただした。
政府は「河野談話」発表以降も、日本軍「慰安婦」関連の資料があれば関係省庁は内閣官房に報告するよう求めている。
この間、研究者らの手によって多くの資料発掘が行われているが、政府は関係資料収集の努力を怠ってきた。一例として、関東学院大学の林博史教授が公表した「日本海軍占領期間中蘭領東印度西部ボルネオに於ける強制売淫行為に関する報告」は、日本軍『慰安婦』関連資料であることは明らかだ。同資料は国立公文書館に保管されているが、内閣官房に報告したのか、とただした。
内閣府の福井仁史官房審議官は「当該文書を保有する省庁が公文書館に移管する前に判断するものと考えている」と答弁。文書を保有していた法務省の萩本修司法法制部長は「現在の法務省が判断する立場にはない」と述べ、食い違った答弁を行った。
資料収集の努力を怠り、報告の責任を押し付け合う省庁の態度はとんでもない。しっかり収集すべきだ。
内閣官房の佐々木裕介内閣参事官は「資料の取り扱いを調整する」と述べた。
秘密保護法/密約の下ではチェック体制は機能しない
日米間の密約問題を取り上げて、秘密保護法の問題点を指摘した。
「いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会報告書」(2010年3月)は、1960年1月の安保条約改定時の、核持ち込みに関する「密約」問題を取り上げている。
1987年4月の衆院予算委員会で、中曽根康弘総理大臣は「安保条約及びその関連取り決めである岸・ハーター交換公文あるいは藤山・マッカーサー口頭了解というものは厳然と存在し、それ以外の秘密協定というものはありません」と答弁している。しかし実際には「討議の記録」が存在した。
「報告書」では「何より問題は、歴代の政府答弁が安保条約の事前協議に関して日米間には『交換公文』と『藤山・マッカーサー口頭了解』しかないと、事実に反する明白な嘘をつき続けたことである」と指摘し、その具体例として先の中曽根答弁を引用している。総理大臣が、存在する文書を存在しないと明白な嘘をついていた。
秘密保護法について、政府は秘密の恣意的な指定を防止する、適正な運用を確保するという重層的な仕組みをつくったと説明してきた。しかし、秘密の内容が明らかにされないことを盾にして、総理大臣が嘘をついた場合、チェックのしようがないのではないかと政府を追及。
上川担当大臣は「秘密保護法の施行にかかわる公務員が、法律、閣議決定に従うことが期待されないことを前提とするのは適当ではない」と答弁。
私は「秘密を指定する立場に立つ総理大臣が過去、明白なうそをついていた事実がある。このように悪意を持って運用されたら、そもそもチェックできない」と批判した。
日米間の密約は、国民にうそをつくことを前提に成り立っている。これでは秘密保護法のチェック体制など機能しない。秘密保護法の廃止を改めて要求した。
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