第190 通常国会 2016/1/4~2016/6/1 日付:2016-05-24 |
東京電力福島第1原発の津波対策の問題点を指摘し、政府の対応を追及。
福島第1原発は新規制基準に準じて策定された検討用津波の高さが26.3メートルであるにもかかわらず、現在設置されている防潮堤は東北地方太平洋沖地震後の緊急対応として14.2メートルの津波を想定して設置されたもの。
26メートルの津波に対応した防潮堤の強化策をただしたのに対し、原子力規制委員会の田中俊一委員長は、防潮堤の強化策がないことを認め、「(26メートルの津波に対する)防潮堤を造ることは現実的にあそこの場所では極めて困難。浸水防止というより汚染水の大量漏えいを防止する対策を求めている」と答弁した。
東電の評価でも26メートルの津波が来た場合、タービン建屋の外壁が壊れるとされている。政府の対応は、老朽化、地震、津波、爆発事故による建物の劣化を想定していない。
さらに、新たな防潮堤を造らないことに地元への説明もない。地元住民の不安を拡大するだけだ。あらゆる手段を取る立場で、防潮堤の強化をしっかり行うことを求めた。
労働者の作業環境改善を要求
福島第一原発の労働者が使用している構内専用服は、重装備のタイベック防護服よりも通気性が悪く、かえって暑いといいます。このことを国会でただしたところ「今後、夏用の構内専用服に切り替える」と答弁。東電も対応せざるを得なかったようです。
廃炉作業がすすむ東電福島第一原発では、日々、7千人が働いています。困難な作業で事故や熱中症が相次ぎ、放射線被ばくによる健康への不安も大きい。東電は、構内に救急医療室を設けていますが、ある下請企業では「どこで怪我したのかと聞かれるから救急医療室は使うな」と指示が出ているとのこと。労災隠しは許されません。
厚労省が新たに下請企業を含めた全労働者の健康相談窓口を東電福島第一原発付近に設けるとしたことについて質問。厚労省は「東電に相談しにくい内容であっても、相談できるように窓口を設置したい」と答弁。
熊本地震のアスベスト飛散・ばく露防止対策
熊本地震で壊れたビルや家屋から、発がん性がある有害物質のアスベストが飛散する危険性が指摘されています。
「瓦れきの置き場や倒壊家屋の密集地域、多くの人が集まる避難所や学校周辺など、アスベストの大気中濃度の測定、調査を実施することが必要」と求めたのに対し、環境省は「壊れた建築物が多くあるところ、解体現場、避難所周辺など、20地点程度の調査を予定している」「(調査場所については)県に意見も聞いて選定したい」と答弁。
木造倒壊家屋のアスベスト調査を要求したのに対して、環境省は「石綿含有スレート板を破砕した時に飛散する可能性がある。自治体と連携して万全を期したい」と答えました。
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