記事一覧
第192 臨時国会 2016/9/26〜2016/12/17
日付:2016-12-29
2016年臨時国会の取り組み【4】政治とカネ、選挙制度
(1)献金企業に自民党総裁選の選挙権 企業・団体献金の全面禁止を
(10月26日、倫選特)
自民党と経団連との親密ぶりを示し、企業・団体献金を受けとり、国民には痛みを押し付け、企業が儲けられる国づくりをしている安倍政権を批判した。
自民党の政治資金団体「国民政治協会」への企業・団体献金は、自民党が政権復帰する12年から直近の14年を比較すると1・6倍に。この間に、経団連はそれまで中断していた「政策評価」を実施。これは、経団連の要望と政党の政策がどれだけ合致しているかを採点し、政党に対して“通信簿”を毎年つけ、会員企業に献金を呼びかけるもの。
「政策買収ではないのか」との国民の批判に対し、経団連の榊原会長は「政策をカネで買うとの批判はまったくあたらない。社会貢献の一環として行うもの。経済界へ利益を誘導するような政策はない」と述べており、高市早苗総務大臣は「経団連の言う通りに政策を決めているわけではない」と答弁。
経団連があげている課題は、法人税の引き下げ、消費税率の確実な引き上げ、原発の再稼働、TPP協定の早期成立という国民多数が反対しているもの。これらの課題を進めるために、選挙権を持たない企業がカネを出し、政策を誘導するということは、国民の参政権を侵害するものだ。日本共産党提出の企業・団体献金全面禁止法案の成立を目指したい。
第2次安倍政権以降、安倍総理は歴代総理で最も外遊が多い総理となった。その外遊は、成長戦略の一環として「インフラシステム輸出」を強調し、総理外遊に財界人を同行させ、トップセールスと銘打っているのが一つの特徴。
このような外遊が13回行われ、のべ676社、のべ2486人同行し、13回すべての外遊に経団連会員企業が参加していることが、明らかになった。このトップセールスは、トルコやアラブ首長国連邦への原発輸出を可能にする原子力協定を締結するなど、経団連の「政策評価」でも高く評価されている。
また、自民党には献金した企業に対し「特典」として総裁選の選挙権を与える仕組みがある。献金を行った企業を、参政権を有する国民の党員や党友と同列においていることをただすと、高市大臣は「企業・団体でも政治活動の自由はある」と強弁。
自民党総裁は、企業の代表という側面も持つ政党だ。
(2)洋上投票制度の改善 公選法改正案審議
(11月15日、倫選特)
11月17日の衆院本会議で、水産高校などの学生・生徒らが洋上投票を利用できるようにする公職選挙法改正案が、全会一致で可決。これにさきだち、倫理選挙特別委員会で選挙権を有している人が投票できるように、事態の解消を求めた。
まず、選挙権年齢が18歳に引き下げられた初の選挙、今年の参院選で、住民票を異動せずに遠方に進学した学生が投票できなかった問題を取り上げた。
住民票異動が基本だということはわかるが、同一の選挙において、選管の対応によって投票できるか違うことが、公平な選挙といえるのか問われる。
投票したいという意思があってもできなかった新有権者がいることを受け止め、この事態を解消していくため真剣に知恵を出し合う必要がある。