日付:2012-08-24 |
米空軍横田基地(東京・多摩地域の5市1町)所属の輸送機が関東平野で低空飛行訓練を実施している問題で、防衛省に住民に情報提供するよう求めた。
関東平野と周辺は、横田・厚木・入間など米軍や自衛隊の飛行場が多く、民間の小型機が使用する飛行場なども十数カ所に及び、低高度を飛行する米軍・自衛隊の輸送機やヘリコプター、民間の小型機・ヘリの飛行がさくそうしている。
横田基地では、米空軍第374輸送航空団が、日本の民間小型機所有者やパイロットと過去3回(2010年1、3月、11年9月)、「関東平野空中衝突防止会議」を開催。米軍は、所属するC130輸送機が、西は南アルプス周辺、東は茨城県上空、南は伊豆半島、北は群馬、栃木県上空までの広い範囲を低高度(地上からで約150~1500メートル)の編隊による有視界飛行訓練の空域としていることを明らかにしている。
このことは、日本航空機操縦士協会発行の機関誌『PILOT』2010年5月号の「関東平野空中衝突防止会議」(奥貫博氏)に掲載された「関東平野エリアでの有視界訓練飛行活動」にも紹介されている。
画像をクリックでPDF(127KB)が開きます↓
また「板倉滑空場オペレーションハンドブック」(社団法人・日本グライダークラブ)には、自衛隊訓練試験空域「エリアH」「エリア3」の説明の注記として「上記空域にかかわらず、米軍横田基地所属のC130戦術輸送機(4発ターボプロップ機)の編隊飛行ルートが、ミカモ山から佐野市北付近に設定され、500ft~5000ftの低空で飛行するのでニアミスの危険がある。(米軍機は航空法適用除外となっている)」と記載されている。
防衛省担当者は、民間の小型機が多数横田基地に飛来した第2、3回の会議については、基地周辺にも影響があるとして、関係自治体に情報提供したと回答。しかし、米軍からの空域の説明など、会議の内容については「承知していない」と答えた。
米軍が会議で示した空域の資料の提出を。頭の上を米軍機が飛んでいるのに住民には何も知らされていない。小型機のパイロットに周知したものと同じものを住民にもきちんと提供すべきだ。