日付:2013-04-23 |
「しんぶん赤旗」日刊紙・2013年4月23日付・首都圏版より
在日米軍横田墓地(東京・多摩地域の5市1町)所属のC130戦術輸送機が、関東平野広域を低い高度で行う訓練飛行に使用していることが、米軍が開催した第4回関東平野空中衝突防止会議(21日)で配布した資料でわかりました。また、資料から、危険な離着陸訓練を行うための場所(強襲帯)の実態も明らかになりました。
資料は、小冊子『空中衝突事故防止のために』です。
小冊子によると、米軍は基地所属のC130が地上から約150~1500mの低い高度で行う有視界の編隊飛行訓練の空域として、羽田、成田両空港の管制空域や民間航空路などを避ける形で設定。その範囲は、甲府盆地を中心とした南アルプス東側から、伊豆半島、宇都宮市、茨城県日立市付近までに及んでいます。
一方、強襲帯は3353mの滑走路の中央部に約1200m、東側誘導路に約1500mにわたり設けられています。強襲帯は、軍用機の短距離での離着陸訓練、兵員のパラシュート降下訓練、物資の投下訓練などに使用されます。
横田基地の撤去を求める西多摩の会の寉田一忠事務局長は「基地があることで、日本の空を米軍が好き勝手に飛び回り、民間機まで危険を強いられています。首都圏上空一帯を勝手に訓練空域にしている実態を知らせて、基地撤去の運動を広げていきたい」と話しています。
関東平野空中衝突防止会議は、横田基地を拠点にしている第374空輸航空団が、関東地域の民間パイロットや小型機の所有者の団体を対象に2010年1月から開催しています。横田基地には、C130が14機、C12小型輸送機3機、UH1ヘリコプター4機が常駐しています。
基地周辺以外にも危険
今回明らかになったことは、爆音や事故の危険で住民の生活を脅かす訓練が、基地周辺のみならず、首都圏広域の住民の頭上で行われているということです。
横田基地所属とみられる米軍のC130輸送機の低空飛行は、山梨県の八ヶ岳周辺や群馬県桐生市、埼玉県北部の熊谷、深谷両市上空など首都圏各地で確認されています。
今回、横田基地所属のC130輸送機が関東平野上空の広い範囲で飛行訓練を実施していることが、米軍提供の資料で裏付けられました。
米空軍のC130の機長は、夜間を含め1人平均で有視界の低空飛行訓練を年間15回以上実施することが義務付けられています。
この訓練が関東平野の広い範囲で行われているのです。
米軍は、関東平野空中衝突防止会議で、強襲帯を設置していることを説明していました。今回、その場所や規模が明らかになりました。
機長1人あたりに課せられた強襲帯を使った訓練は、強襲着陸訓練が夜間を含め年間70回以上、投下・降下訓練は30回以上が義務付けられています。
関東平野空中衝突防止会議について、日本共産党の塩川鉄也衆院議員は、防衛省に内容を公開するよう求めてきました。党地方議員や住民・平和団体も関係自治体に、米軍・防衛省に会議の内容について情報提供を求めるよう働きかけてきました。そのなかで、今回、米軍は周辺自治体に資料提供しました。
横田基地有視界飛行訓練エリア図 |