【内閣委員会】生活道路の交通安全/速度制限・歩行空間の確保のための対策を

 生活道路の交通安全対策が急務であると質しました。

 日本の交通死亡事故は、5割超が歩行中と自転車乗用中の人とG7で突出して高く、生活道路での事故発生率は増加し、子どもや高齢者が犠牲になっています。

 政府の対策について、警察庁の北村博文交通局長は、衝突時に時速30Kmを超えると歩行者が致命傷を負う確率が急激に高まるとして、区域内の最高速度の30Km制限やハンプの設置などを行う「ゾーン30」を全国で3649カ所を整備したと答弁。

 国交省は危険個所を特定し、道路管理者(自治体など)と警察、住民が協議して安全対策を行う「生活道路対策エリア」(全国で907エリア)の整備を促進していると説明しました。

 標識など交通規制は警察が実施し、ハンプ・狭さく・スラロームなどの物理的対策は道路管理者が行うなど担当がそれぞれ異なっていることで、相互補完する関係にある「ゾーン30」と「生活道路対策エリア」が一致していない場所がある

 山本順三国家公安委員長は「道路管理者と連携し、安全対策を講じるよう都道府県警察を指導したい」と答えました。

 生活道路・通学路での事故をなくすには、生活エリア内への通行車両の抑制、速度抑制、歩行空間の確保を図るために、交通規制と物理的手段の拡充をすることが必須であり、そのための予算措置が必要だ。

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「議事録」

<第198通常国会 2019年05月29日 内閣委員会 20号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 先々週、先週と、当委員会で生活道路の交通安全対策について質問を行ってまいりました。
 この間の質疑で、歩行中、自転車乗用中の死者数が欧米主要国は二割から三割台なのに、日本は五割を超えており極めて高い、歩行中、自転車乗用中の死亡事故の割合はG7で最下位だということも示しました。また、死亡事故件数は減少しているものの、生活道路で死亡事故が発生する割合は増加の傾向にある、さらに、生活道路の人口当たりの事故件数は、死傷事故件数では小学生、死亡事故件数では七十五歳以上が高いとなっているところであります。
 そこで、大臣にお尋ねをいたします。
 高齢者や子供たちの安全確保のために、生活道路の交通安全対策が極めて重要であります。対策として、車両の速度抑制や交通量の抑制、歩行空間の確保、歩車分離などが大きな課題ではないかと考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。

○山本国務大臣 お答えをいたします。
 昨今、東京都豊島区や滋賀県大津市などで大変痛ましい事故が発生をいたしました。こうした事故をなくすためには、主として地域住民の日常生活に利用される生活道路において交通の安全を確保すること、これは従来から塩川委員も力説をされておるところでございますけれども、大変重要であるというふうに思っております。
 そのためには、速度規制その他の交通規制や道路管理者の歩道整備による歩行空間の確保により、車両速度の抑制や通過交通の排除を図ることが重要であると考えているところでございます。
 また、歩行者が通行する時間と車両が通行する時間とを分離する歩車分離式信号も、歩行者等の安全確保に有効な手段であると考えており、その整備に努めているところでございます。
 五月二十一日に開催されました交通安全対策に関する関係閣僚会議におきましても、総理から、未就学児を中心に子供が日常的に集団で移動する経路の安全を確保する方策について取りまとめ、政府一丸となって取り組むよう指示されているところであり、私といたしましても、総理の指示を踏まえ、関係省庁と連携して対策を取りまとめるよう、警察を指導してまいりたいと思っております。

○塩川委員 大臣御答弁ありましたように、生活道路の交通安全対策が極めて重要だ。その場合に、都道府県公安委員会の交通規制とともに、道路管理者による歩行空間の確保、歩車分離の取組や交通量抑制の対策等と連携しての取組が重要であります。
 その点でも、車両の速度規制というのはその入り口としても極めて重要だということで、衝突時の自動車の走行速度が三十キロを超えると歩行者が致命傷を負う確率が急激に高まるということは、以前の質疑でも取り上げたところです。歩行者が重大な傷害を負う事故を防止するためには、自動車の走行速度を三十キロ以下に抑える必要があります。車道の幅員、幅が五・五メートル未満の道路を生活道路としているわけですけれども、このような生活道路においては車両の最高速度は三十キロ以下に抑制をする、こういう対策が必要ではないかと考えますが、その点についてお答えをください。

○北村政府参考人 お答えを申し上げます。
 先日の委員会におきましても、委員から御指摘のありました平成二十三年の報告書におきましては、二つの理由、一つは、自動車と歩行者とが衝突を回避するためには自動車の走行速度を時速三十キロメートル以下に抑える必要があるというのが一つ。もう一つには、先ほども御指摘のありました、自動車の走行速度が時速三十キロメートルを超えますと歩行者が致命傷を負う確率が急激に高まるという二つが記述されております。
 これを踏まえて、この報告書では、生活道路におけるゾーン規制を行う場合、その指定する最高速度は時速三十キロメートル以下であることが望ましいとされているところでございますが、この考え方は、ゾーン規制の場合にもちろん限らないわけでございまして、警察庁におきまして示しております交通規制基準というものがございますが、その中におきましては、主として、地域住民の日常生活に利用される生活道路につきまして、最高速度が必要だということで、その規制を実施する場合には、原則として時速三十キロメートルというものにするというようにしているところでございます。

○塩川委員 この交通規制基準では、もう生活道路は、五・五メートル未満の幅員の道路については三十キロ規制、そういうふうに措置しているということでよろしいですか。

○北村政府参考人 お答え申し上げます。
 通達の内容を、やや詳しくなってしまいますが申し上げますと、生活道路における速度規制につきましては、歩行者、また車両の通行の実態、それから交通事故の発生状況などについても勘案して、また、地域の住民の方、地方公共団体、道路管理者などの意見を十分に踏まえた上で、どこに速度規制を行うか、速度を抑えるべき道路をまず選定するとしております。
 その上で、そうする場合のその道路の最高速度は三十キロメートル毎時を原則とすると書いてございますので、全ての道路について一律に標識を立てて三十キロとするとしているわけではございませんが、速度規制をやる必要があるということで関係者の理解も得られている、あるいは、交通実態から必要がある道路につきまして、行う場合には三十キロメートルとしようということでございます。

○塩川委員 やはり、住宅街ですとか、あるいは学校の周辺の生活道路においては、三十キロ規制が当然必要だと考えます。その点で、それがきちっと行われているかどうかということが問われてくるんだと思いますけれども、そういう意味でも、単に道路の速度規制だけではなくて、車両の進入抑制を図るということもあわせて重要という点では、今答弁でも話がありましたゾーンの規制ですよね、エリアとしての規制というのも重要になってくるわけです。
 その点で、警察庁が取り組んでいるこのゾーン30というエリアにおける規制の概要及び整備状況について説明をしていただきたい。

○北村政府参考人 お答えを申し上げます。
 お尋ねのゾーン30でございますけれども、生活道路における歩行者等の安全な通行を確保するということを目的といたしまして、区域を定めて、時速三十キロメートルの最高速度規制を実施することとあわせまして、ハンプなどの物理的デバイスの設置等を必要に応じて組み合わせることによりまして、ゾーン内における速度抑制や、ゾーン内を抜け道として通行する行為、これを抑制しようというものでございます。
 平成二十三年から整備を開始いたしておりまして、平成三十年度末までに、全国で三千六百四十九カ所整備されているところでございます。

○塩川委員 資料をお配りさせていただきました。一枚目がゾーン30の整備状況、平成三十年度末ということで、全国で三千六百四十九ということであります。都道府県ごとでの整備状況の違いはありますけれども、これが全部、生活道路をカバーしているわけではないわけです。
 要するに、ゾーン30というのは、速度規制として最高時速三十キロに規制をするということをもって、まずはゾーン30たり得るということでよろしいんでしょうか。

○北村政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、平成二十三年以降、整備するに当たりまして、そのやり方、考え方等につきまして警察庁の方で基準を示しまして、全国で五年間で約三千カ所を目標に整備していこうと決めたところでございますので、そこに定めております考え方、手続、関係者との合意の取付け等に適合しているというものがゾーン30という形で計上させていただいております。

○塩川委員 「ゾーン30の推進について」という通達を見ると、ゾーン内の三十キロ規制と、路側帯の設置、拡幅と車道中央線の抹消、これがいわばゾーン30の最低限の要件というふうに示していると思うんですが、そういうことでよろしいですか。

○北村政府参考人 御指摘のとおりでございます。

○塩川委員 ですから、三十キロの速度規制を行うということがゾーン30の最低限の要件なんですよ。その上に、物理的なデバイスを整備、設置をしていくということを伴っていくということで、最低限の要件として速度規制があるということです。
 こういったゾーン30について、今後の整備目標というのは持っているんでしょうか。

○北村政府参考人 お答えを申し上げます。
 ゾーン30につきましては、平成二十三年九月に整備を開始する時点におきまして、当時、平成二十八年度末までに全国で約三千カ所整備するということを目標といたしました。
 各都道府県警察で整備を推進いたしました結果、その平成二十八年度末で、全国で三千百五カ所が整備されたところでございました。
 平成二十九年度以降でございますけれども、そちらにつきましては、引き続き、適切な箇所へのゾーン30の推進に努めますとともに、一方で、既に形としては整備されているゾーン30につきましても、道路管理者と連携して、更にその中に、視覚効果の高い法定外表示でありますとか、ハンプ、狭窄といいました物理的デバイスの設置を推進するということが大事であろうという考え方のもと、単に全体の数を目標として新たに設置することはいたしてございません。

○塩川委員 両方あってしかるべきだと思うんです。
 ですから、現状、設定をしているゾーン30について、今お話しのような物理的デバイスとか法定外の表示を行うとかいう格好で効果をより高める、これはこれでしっかりやる。同時に、でも、面的にはまだ、生活道路、生活エリアそのものをゾーン30でカバーしているわけではありませんので、しかるべきところ、住民の皆さんの御理解や合意などもいただきながら進めていくということは、これはこれとして目標を持っていていいんじゃないかと思うんですが、目標を持つという考えはないんですか。

○北村政府参考人 お答えを申し上げます。
 平成二十三年にこの制度を導入いたしました当初におきましては、全国の警察また関係者に対しまして、この制度の導入について積極的に取り組んでいただく、一定の数値目標を持って取り組んでいただくということが極めて大切であると考えて目標設定をしたところでございます。その結果、全国に三千カ所に上るゾーン30の整備が行われ、この事柄につきましては、かなり、地域それぞれにおいてそういうものがある、必要があればそういうものを設定していただけるということは周知されてきているものと思います。
 委員御指摘のとおり、更にこの制度を数においても充実させていくということは極めて大切なことであると考えますけれども、それはそれぞれの地域ごとの要望あるいは事情に応じて自主的に判断して適切に対応していただくことがより望ましく、警察庁において全国一律に数字を当てはめるということは、この時点になりましてはもはや必要ないのではないかと考えているところでございます。

○塩川委員 何か上から数字で押しつけるという話ではなくて、本当に実態に即して整備が行われていくということが重要だと思いますので、そういう点でも、都道府県公安委員会や道路管理者が主体的に、地域住民の方の要望等々を踏まえながら対策エリア、ゾーンを広げていくということで取り組んでいただくとともに、既存のゾーンについてのさらなる安全対策が必要だということになります。
 そこで、ゾーン30での物理的なデバイスの設置状況ですけれども、ハンプとか狭窄、スラローム、クランクといった、こういう物理的な手段による対策の設置状況はどうなっておりますか。

○北村政府参考人 お答えを申し上げます。
 最新のデータは持ち合わせてございません。
 ゾーン30における物理的デバイスの設置状況につきましては、先ほど申し上げました整備目標の最終年度でありました平成二十八年度末の際に特別に調査を行ったところでございまして、そのときのトータルの数字は、先ほど申し上げました、全国で三千百五カ所のゾーン30があったわけでございますが、この中で、ハンプが設置されていた箇所は三十七カ所、狭窄、道路の幅を狭めてスピードを出しにくくするというものでございます、が設置されていた箇所は六十九カ所、また、スラローム、クランクが設置されていた箇所は三十二カ所であったと承知いたしております。
    〔委員長退席、平委員長代理着席〕

○塩川委員 資料の二枚目に、警察庁の作成した表を載せておきました。
 このゾーン30における選択的対策ということで、左側の真ん中の特に物理的デバイスの設置、ハンプが一・二%、狭窄が二・二%、スラロームとかクランクとかが一・〇。ちょうど右側に写真があるように、ハンプはこぶ状のところですし、狭窄はポールを立てて狭くする、スラローム、クランクというのは、カーブをつくることによって速度抑制を図るといった対策ですけれども、こういうように、その他ゾーン入り口の明確化対策とか、交通規制の実施とか、路側帯の設置、拡幅及び中央線の抹消とか、具体的な対策というのがあるわけです。それが、でも、必ずしも実施率が高いわけでもありません。
 そういう点で、こういった生活エリア内への通過車両を抑制するためにも、交通規制とともに物理的手段が必要だということで、これは都道府県別の数字が欲しいと言ったんですが、資料の三枚目に都道府県別の数字はあるんですが、物理的デバイスの設置という枠でしか把握していないということで、先ほど答えてもらったハンプとか狭窄とかが、じゃ、例えば都道府県のそれぞれで幾つあるのかという数字が出てこないんですよ。この辺もちょっとしっかり把握してほしいと思っているんですが、そこはどうですか。

○北村政府参考人 お答えを申し上げます。
 先ほども答弁いたしましたが、いずれにせよ、この資料は平成二十八年度に、当時の五カ年の目標年次だったということがありまして集計した資料でございまして、最新の資料を持ち合わせていないということでございますので、よろしければ改めて、今現在全国にあるものについて、その内訳も含めて調べて、さらなる対策につなげるようにしてまいりたいと考えます。

○塩川委員 こういった物理的デバイスによる対策を進めようということですから、その都道府県ごとにおける実施状況の数字はぜひいただきたいと思っております。
 その点で、こういった生活道路の安全、交通安全対策というのは、警察だけで済む話ではないわけです。何よりも地域の住民の方の御理解や協力があって行われるものですし、道路管理者との連携というのが重要になってまいります。
 例えば、資料の二枚目に、左側の表にあるような具体的な選択的対策がありますよね。このそれぞれの選択的対策というのは、都道府県公安委員会が管轄するのはどこで、道路管理者が担当するのはどこでという、その辺の簡単な区分け、わかれば説明してもらえますか。

○北村政府参考人 お答え申し上げます。
 資料にございます中で、下から二段目の、交通規制の実施というところは、標識も含めまして、警察、都道府県公安委員会あるいは警察署長でございますが、警察で実施しているものでございます。
 それから、その下の、路側帯の設置、拡幅、中央線の抹消につきましては、警察、場合によっては、道路改良に合わせて行う場合などは道路管理者が行うという場合もございますので、一概には申し上げられません。
 下から三段目の、物理的デバイスの設置でございますが、基本的にはこちらは道路管理者の事業であると理解しております。
 一番上の、ゾーンの入り口の明確化対策でございますが、基本的には警察の方で設置しておりますが、先ほど申し上げましたように、道路の改良に合わせて行う場合でありますとか、これはまた道路管理者ではないのでございますが、入り口について、地域の、地元の自治体が時としては行う場合も、数字として持っておりませんが、あるかもしれませんので、基本的にはこちらは警察の事業でありますものの、道路改良等に合わせて道路管理者が行っている場合もあるということだと考えてございます。

○塩川委員 そのように、実際に対策において、こういった一応担当の区分があるわけですから、そういう点でも、道路管理者や自治体との連携というのが極めて重要になってくるわけ、不可欠な課題になってまいります。
 そこで、国交省にお尋ねをします。
 国交省が進めている生活道路対策エリアについて、その概要と整備状況を御説明ください。

○榊政府参考人 お答えを申し上げます。
 近年の交通事故による死者は、歩行中又は自転車乗車中の死者が全体の約半数を占め、また、その約半数が自宅から五百メートル以内の身近な道路で発生しているなど、生活道路における交通安全対策は喫緊の課題となってございます。
 このため、国土交通省におきましては、生活道路において、速度抑制や通過交通の進入抑制等の対策を地域の道路管理者、警察、住民等が連携して行う生活道路対策エリアの設定を進めております。
 平成二十八年度の制度開始以来、現在、全国四百十七の市町村で九百七のエリアが登録されており、自動車の速度抑制策、あるいは生活道路における歩行空間等の確保のための対策として、歩道や路側帯の設置、路肩のカラー舗装、速度規制等がエリアの特性に応じて実施をされております。
    〔平委員長代理退席、委員長着席〕

○塩川委員 生活道路対策エリアということで、国交省が進めている対策の説明がありました。やはり、自動車の速度抑制ですとか歩行者の歩行空間を確保するという物理的な手段を伴った対策の重要性ということを道路管理者サイドからのアプローチということで考えているということがわかります。
 これはスタートが平成二十八年からですので、まだ設置の状況というのは九百カ所余りということで、これからということですけれども、資料の四枚目には、この生活道路対策エリアの取組についてのフローの図を国交省の資料でつけてあります。もちろん、ビッグデータを活用してというものなんかは非常に有効だと思いますので、そういった対策などが取組にもつながっているんだと思うんです。
 ただ、資料の五枚目で、これは埼玉の例を挙げているんですけれども、埼玉県内の生活道路対策エリアの登録地区は平成三十一年一月現在で五市の六エリアなんですね。下に都道府県別の登録数の比較がありますけれども、埼玉県は決して多くないというところもありまして、茨城県がこんなに多いのは何でなのかなというのもよくわからなかったんですが、こういった対策ということで、今後の普及というのが課題となっていると思います。
 そこで、生活道路に係る交通安全対策としてゾーン30と生活道路対策エリアが行われているわけですが、それぞれがお互いにどういう関連があるのか。エリアとして重なっているのかどうか、連携がどうなっているのか、それをそれぞれ警察庁と国交省からお答えください。

○北村政府参考人 お答えを申し上げます。
 生活道路対策エリアにつきましては、平成二十八年度から取り組んでございます。生活道路における速度抑制や通過交通の進入抑制を図る取組という意味で、先ほど御答弁申し上げましたゾーン30と共通する部分があるわけでございます。
 市町村が生活道路対策エリアを地方整備局等に登録するに当たっては、各都道府県警察において、道路管理者が行う物理的デバイス等の設置が、警察によって行われているところのゾーン30等の施策と整合的かつ効果的なものとなるよう、必要な意見を警察から道路管理者に述べるなど、道路管理者との連携協力に配慮して生活道路における安全対策を図るように指導したところでございます。
 その前年になります平成二十七年の十二月に各市町村あるいは都道府県に対して通達された際に、警察の方でもあわせて都道府県警察に対してそういう趣旨の通知をしたところでございます。
 いずれにいたしましても、ゾーン内における自動車の速度抑制、通過交通の抑制というものを図るためには、ハンプや狭窄といった物理的なデバイスの設置は有効でございますので、引き続き、道路管理者と連携して、ゾーン30内における物理的デバイス等の設置が推進されるよう対策を講じてまいりたいと考えてございます。

○榊政府参考人 お答えを申し上げます。
 生活道路対策エリアのうち、ゾーン30との連携でございますが、平成二十九年度末時点で四百八十七の生活道路対策エリアがあり、約四百のエリアでゾーン30との連携が図られております。
 ゾーン30が指定されております区域と整合を図って定められました生活道路対策エリアにおきましては、速度抑制に資するハンプや狭窄といった物理的デバイスが設置されるなど、警察による交通規制と道路管理者の対策が連携して進められております。
 国土交通省といたしましては、生活道路対策エリアのさらなる拡大を図るなど、都道府県警察と道路管理者との緊密な連携による交通安全対策を今後とも推進してまいりたいと考えております。

○塩川委員 今の国交省の答弁ですと、生活道路対策エリアとゾーン30が重なっていないところも一定数あるということになるんですよね。
 これは、資料の六枚目に、草加市の清門地区における生活道路対策エリアの図を、国交省の大宮国道事務所の資料からとりました。これで、緑色で上の方にかかっているのがゾーン30、これは私の事務所の方でかぶせたんですが、こういうように、青の破線の生活道路対策エリアに対して、ゾーン30がかかっているのは半分なんですよ。
 これで連携しているのかなと率直に思うんですが、こういう事例というのは少なくないということなんでしょうか。何でこんなふうになるのか、わかる範囲で答えてもらえませんか。

○榊政府参考人 お答えを申し上げます。
 個別具体の事例につきまして、なぜゾーン30のエリアとあのようなずれ方をしているのかというのは、ちょっと今持ち合わせておりませんけれども、生活道路対策エリアの候補地の抽出の際には、ゾーン対策として実施するケースのほかに、個別の抜け道など区間対策として実施したいという地域もございまして、そうしたお話がある場合には、地域の実情を踏まえて生活道路対策エリアの指定に取り組んでいるところでございます。

○塩川委員 通り抜け道路、そこを何か規制したいという動機というのは、それはよくわかる話なんですが、その辺が、生活道路対策エリアとこのゾーン30というのは本来重なっていてしかるべき、対策としても有効だと思うんですが、最後、大臣にお尋ねします。
 このように、ゾーン30と生活道路対策エリアの連携がしっかりと行われているのか、その点での懸念もあるわけです。生活道路の交通安全対策において道路管理者と都道府県公安委員会の緊密な連携が必要ではないか、この点についてお答えください。

○山本国務大臣 先ほど交通局長の答弁にもございましたけれども、生活道路における自動車の速度抑制や通過交通の抑制を図るために、ハンプや狭窄といった物理的なデバイスの設置は極めて有効な対策というふうに認められます。
 引き続き、適切な箇所へのゾーン30の推進に努めるとともに、既に整備済みのゾーンにおいても、生活道路対策エリアを進める道路管理者としっかり連携をし、物理的デバイス等の設置を推進するなど安全対策を講じるよう、都道府県警察を指導してまいりたいと思っております。

○塩川委員 そういう点では、例えば道路標示についても、これは都道府県公安委員会と道路管理者がそれぞれ担当のところがあるわけですよ、地面にさまざまな標示を行う場合でも。そういう点では、停止線とか横断歩道などは都道府県公安委員会が設置するけれども、とまれの標示は都道府県公安委員会が設置するが補修は道路管理者もできるとか、道路管理者は、路側帯の標示や、とまれがない交差点の停止線の標示などを行うという点では非常に分担もあるわけで、そういう点でも緊密な連携が必要ですし、ふさわしい予算措置の拡充も欠かせないと思っています。
 ぜひ、生活道路対策エリアの拡充を図る上でも、もちろんゾーン30を進める上でも、この物理的デバイスに係る費用をしっかりと手当てをしていく。国交省の方では防災・安全交付金の活用を挙げていますけれども、この効果的な、更に拡充につながるような予算措置を求めて、質問を終わります。