【内閣委員会】新型コロナ/緊急事態宣言の根拠データ/西村大臣が示す

 西村康稔担当大臣は私の質問に答え、新型コロナウィルスの感染者数の倍増する時間(倍加時間)と感染経路をたどれない「孤発例」の割合について、「緊急事態宣言」発令の7都府県と北海道・愛知・京都の数値を、政府として初めて明らかにしました。

 西村担当相が答弁した緊急事態宣言時の今月7日時点での7都府県の倍加時間と孤発例割合は次の通りです。また、宣言が出されなかった3道府県の数値も明らかにしました。

▽東京=倍加時間5日、孤発例割合68%
▽大阪= 同 6・6日、同48%
▽埼玉= 同 5・4日、同54%
▽千葉= 同 11・5日、同39%
▽神奈川=同 5・9日、同59%
▽兵庫= 同 11・5日、同33%
▽福岡= 同 2・9日、同72%
▽北海道=同 51・6日、同61%
▽愛知= 同 23・5日、同27%
▽京都= 同 4・9日、同33%

 政府対策本部は、累計の感染者数とともに、「倍加時間」や「孤発例」割合を、緊急事態宣言発令の判断材料にしたとしています。

 感染拡大防止対策への国民の理解と協力を得るためには科学的根拠と情報開示は不可欠です。


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「議事録」

<第201通常国会 2020年4月15日 内閣委員会 7号>

○塩川委員 地域経済にかかわって、新型コロナウイルス感染症に関して何問か、大臣、お尋ねします。
 緊急事態宣言が発動、発出をされました。その緊急事態宣言の発動の判断要素、判断材料として、倍加時間、あるいは感染経路が不明の感染者数、孤発例と言っているそうですけれども、これについて、緊急事態宣言を公示をした七都府県がどういう数字なのか、また、累積の感染者数も多い北海道、京都、愛知ではそれぞれどうなっているのかについてお示しください。

○西村国務大臣 御指摘のように、緊急事態宣言を判断するに当たっては、専門家の皆さんは、それぞれの地域の患者数に加えて、倍加していくそのスピード、拡大のスピードですね、それとクラスターの状況、それから、感染源がわからない、いわゆる孤発例と言われている、リンクが追えない感染者の数、こういった感染の状況、あわせて、医療体制とか地域の経済圏、生活圏、特性、こういったものも見て、さまざまな分析をされているところであります。
 御指摘の北海道、愛知、京都でありますけれども、北海道は、直近七日の倍加時間、これは緊急事態宣言を発出した時点のものでありますけれども、五十一・六日で、感染経路不明が六一%、愛知県は二十三・五日が倍加期間で、経路不明は二七%、京都府は四・九日でありますが、感染経路不明が三三%であったところでございます。

○塩川委員 済みません、七都府県の数字もお願いできますか。

○西村国務大臣 東京都が五日で、不明が六八%、大阪府は六・六日で四八%、埼玉県は五・四日で五四%、千葉県は十一・五日で三九%、神奈川は五・九日で五九%、兵庫県は十一・五日で三三%、福岡県は二・九日で七二%という数字であります。

○塩川委員 そういう数字を見ますと、やはり具体的な根拠を示して緊急事態宣言の発動をしていくという、数値をぜひ明らかにしていただきたい。
 ですから、七都府県だけでいいのかという議論も当然ありますし、七都府県でいいのかといった点も含めて、お話しになったような累積感染者数もそうですけれども、倍加時間やクラスターの状況や孤発例、それから、お話しになった医療体制や地域の生活圏、経済圏を踏まえての発動といった点を総合的に判断してということでありますけれども、こういう数字を明らかにすることによって多くの皆さんが緊急事態宣言の意味をしっかりと把握をするといった点では、ぜひとも国民の理解と協力を得るための科学的根拠と情報開示が不可欠だということを申し上げたい。
 この点で、宣言の解除とかコロナ終息の判断要素としても極めて重要だという点で、しっかりやはり緊急事態宣言の発動の段階でそのことを明らかにしてほしいと思います。
 その上で、もう一点お聞きしたいのが、四月十一日のコロナの対策本部会議で安倍総理が、夜の繁華街においての感染の確認を踏まえて、緊急事態宣言発出地域のみならず、強い自粛要請を行うことを求めるということがありました。
 その際に、こういった繁華街の接客を伴う飲食店について、行かないでくださいねという要請なんですけれども、それと同時に、そういうクラスターが発生する懸念がある、そういった繁華街の接客を伴う飲食店等について、休業してもらうということが効果的ではないのか。であれば、安心して休業できるように休業補償を行うということが、まさにこの政府の要請とかみ合った形で行う点になる。この点についての大臣のお考えをお聞かせください。

○西村国務大臣 御指摘のように、外出自粛を全都道府県で、今、特に夜の繁華街については自粛していただくようにお願いしているところでございまして、飲食店におかれましては大変厳しい状況にあるというふうに認識をいたしております。
 そのために、政府としても、こうした事業者に対して全力を挙げて支援をしていきたいというふうに考えておりまして、補正予算の中で、中堅・中小企業は二百万円、これは幅広くいろいろな事業者に使っていただくようにというふうに今制度設計しております、個人事業者も百万円を上限に、フリーランスの方など含めて対応もしていきたいと思っておりますが、まさに過去に例のない現金給付を行うこととしておりますし、無利子、無担保の融資の拡充、あるいは非正規も含めて、また、業種を問わず雇用調整助成金の拡充、それから固定資産税、ことしはもう払わなくていいということでありますので、そういった措置、あるいはさまざまな社会保険料、その他の税の延納措置、こういった措置を通じて、全力を挙げて地域における飲食業を支援してまいりたいというふうに考えておりますし、また、地方自治体に対して、地方創生臨時交付金一兆円と緊急包括支援交付金一千四百九十億円を盛り込もうと考えております。
 地域の事情に応じて、それぞれの地域の経済を支える中小企業の皆さんへの支援を、こうした資金も活用していただきながら自由度を持って行っていただけるように、制度設計を具体的に進めていきたいというふうに考えているところでございます。

○塩川委員 外出自粛、休業要請によって損失をこうむっている事業者、個人に対して、しっかりと生活と営業を支える補償を行うことが最も感染症の拡大防止対策につながるということを申し上げて、質問を終わります。