日付:2015-02-20 |
防衛省集計の「米軍機の飛行に係る苦情等受付状況表」の2014年10~12月分を入手しました。この3か月間の苦情は、12県88件にのぼります。「資料集」に掲載しました。
内訳は埼玉県1、群馬県38、山梨県1、福井県1、鳥取県3、島根県13、岡山県1、広島県8、徳島県1、高知県8、大分県7、鹿児島県6です。
2014年10~12月期の苦情の特徴は
1)群馬上空や中国山地(島根県浜田市など)上空、オレンジルート(徳島県、高知県など)・ブラウンルート(鳥取県、岡山県、広島県など)下の苦情が引き続き多い。またC130と思われる米軍機に関する苦情が、山梨県、埼玉県から寄せられています。
2)大分県、鹿児島県では輸送機と思われる米軍機の苦情が多数寄せられています。鹿児島県屋久島町の屋久島空港近くを米軍機が飛行しています(2014年10月1日)。かつて鹿児島県の屋久島空港で米軍機が低空で接近するロー・アプローチ訓練を繰り返していることについて赤嶺政賢議員が追及、岡田克也外相は「かなり危険を伴い、日米地位協定上許容されていない」と答弁(2010年2月25日)。その後屋久島空港付近での危険な飛行はなくなっていました。
なお、西日本新聞(2015年1月1日付)は「米軍機 九州で低空訓練」「特殊部隊の経路設定 目撃が急増」と、防衛省集計の「苦情等受付状況表」における苦情の実態を紹介しています。その中で「本紙の取材に、米軍嘉手納基地は『(MC130特殊作戦機を運用する特殊部隊の)第353特殊作戦群が10年以上前から九州上空に飛行訓練ルートを設けている』と認めた」とあるのは重大です。米空軍が九州上空でMC130戦術輸送機の低空飛行訓練を実施していることを初めて認めるものです。わが党が調査、告発してきたことを裏付けるものです。
3)福井県南越前町から苦情が寄せられています。記録の残っている2007年4月以降の苦情集計において、福井県からの苦情は初めてです。
なお島根県の苦情件数は13件となっていますが、島根県防災危機管理課が複数の苦情を取りまとめた場合も「1件」とカウントしているので、県に寄せられた個別の苦情件数を数え上げると65件にのぼります。このような事例は、群馬県や高知県の場合にもあてはまります。防衛省の集計数以上に多数の苦情が寄せられているのが実態です。