【新聞「新埼玉」掲載】衆議院総選挙/埼玉でも自公に厳しい審判/自公は比例票39万票減、小選挙区でも議席減らす

新聞「新埼玉」11月号より

 衆議院総選挙が10月27日投票で行われました。過半数を割り込んだ自民・公明の連立与党は、埼玉でも比例代表の得票を合わせて39万票あまり減らし、厳しい審判を受けました。投票率は前回を3ポイント近く下回る51.14%でした。(小選挙区の結果詳報3面、比例代表の自治体別結果4面)

「2000万円問題」スクープ与党過半数割れにつながる

 日本共産党は裏金・腐敗政治の一掃、賃上げと労働時間短縮で「自由な時間」を増やす、年金・介護・医療の充実、大学学費の半額化と入学金ゼロ、憲法9条を生かした平和外交、気候危機の打開、ジェンダー平等の推進などの政策を掲げて選挙戦をたたかいました。日本共産党の訴えに大きな反響が寄せられ、特に裏金問題で自民党の公認を得られなかった候補者側に、自民党から政党助成金2000万円が振り込まれていた問題を「しんぶん赤旗」がスクープしてからは、与党への怒りが大きく広がり、与党過半数割れにつながりました。

 埼玉の日本共産党は比例50万票獲得で北関東ブロック2議席奪還を目標に奮闘。小選挙区では16選挙区中14選挙区に候補者を立ててたたかいました。

塩川氏9選果たす/梅村氏は及ばず

 比例代表選挙で日本共産党は全国で336万2996票(得票率6.16%)、埼玉県では21万2417票(同6.91%)を獲得。北関東ブロック4県(埼玉、茨城、栃木、群馬)合計で35万4915票(同6.1%)を獲得して現有1議席を守り、前職の塩川鉄也氏が9選を果たしました。目標としていた2議席目には届かず、元職の梅村旱江子氏は及びませんでした。

 比例代表北関東ブロックで自民は前回と同じ7議席を獲得しましたが、埼玉での得票は31万票あまり減少。得票率は前回から8ポイント減の24%にとどまりました。公明も前回と同じ3議席を確保したものの、埼玉での得票数は8万票あまり、得票率は約2ポイント減らしました。

 立憲民主党は埼玉では比例代表の得票数・率とも前回を下回りましたが、北関東ブロックでは前回と同じ5議席を獲得。日本維新の会は埼玉での得票を約11万票減らし、前回の2議席からI議席減らしました。国民民主党と、れいわ新選組が埼玉でも得票を大きく伸ばしました。

 小選挙区では、前回15選挙区中12選挙区で当選した自民が8議席にとどまりました。統一協会との密接な関係が明らかになった牧原秀樹法務大臣(5区)らが落選し、裏金問題で自民党の公認を得られなかった2氏も落選しました。公明党は区割り変更のあった14区に石井啓一代表を擁立し、小選挙区議席の獲得をめざしましたが、落選して議席を失いました。立憲民主党は前回の3議席から6議席に増加。国民民主党も2議席獲得しました。

公約実現に引き続き力尽くす塩川、梅村氏が結果報告

 塩川、梅村両氏は投票日翌日の28日、さいたま市内で街頭演説に立ち、選挙結果を報告するとともに、公約実現に引き続き力を尽くす決意を語りました。

 梅村氏は、選挙戦を通じて医療や子育て、物価高騰などの問題をたくさん聞いてきたと振り返り、「消費税の減税とインボイスの廃止、賃上げと労働時間短縮など、みなさんとともに実現していきたい」と述べました。

 塩川氏は、裏金政治と金権腐敗政治の一掃と徹底追及の先頭に立つてきたのが日本共産党だと力説し、「新しい国会の中で、企業・団休献金の禁止や政党助成金廃止の実現のため、全力でがんばります」と決意表明。また、来年夏の参院選で日本共産党を伸ばし、埼玉選挙区で伊藤岳参院議員の議席を守るため、日本共産党を大きくすることに力を貸してほしいと訴えました。

 埼玉1区候補としてたたかった矢野由紀子氏も演説しました。