【予算委員会】庶民に負担重い消費税の減税迫る/拒む自民党/経団連通信簿で巨額の献金

 「あらゆる商品が値上がりする中、庶民に重い負担がかかる消費税の減税に踏み出すべきだ」

 私は、自民党が消費税減税に背を向けるのは、経団連が消費税増税と法人税減税を求め、巨額の献金を行ってきたからだと追及し、企業・団体献金の全面禁止を求めました。

 私は「くらしが大変な時に自民党の裏金は許せない」という国民の怒りにも触れ、有罪判決が確定した旧安倍派会計責任者の参考人招致と派閥幹部の証人喚問を要求しました。新たに明るみに出てきた都議会自民党の裏金作りや各県連の収支報告書不記載問題などに言及し、全容解明を求めました。

 私は物価高騰の実態について、今年の値上げ品目数は、昨年の1万2520品目を大幅に超える2万品目に到達する可能性があるとする帝国データバンクの試算を紹介し、ここに重くのしかかるのが消費税だと指摘。消費税の負担割合は年収200万円未満世帯で8.3%なのに対し、1500万円以上の世帯では2.1%となっており「消費税には所得の少ない人ほど重い負担がかかる逆進性があると認めるか」と首相に迫りました。

 石破首相は「導入時から逆進性は指摘されてきた」と述べ、逆進性については認めましたが「しかし受益の面では、低所得者に大きな社会保障給付がある」と正当化しました。私は、そもそも低所得者から税を取り立てること自体が、生計費非課税や応能負担の原則から外れるものだと批判。「あらゆる商品が値上がりする中で、最も効果があるのが消費税の減税だ」と迫りました。

 石破首相は「では社会保障の税源をどこに求めるのか」と述べたのに対し、私は、石破首相自身が2024年の著書で『法人税減税にめぼしい意義は見いだせず、経済的格差の拡大を是正するのであれば、消費税の逆進性をどう軽減するか議論すべきだ』と述べていることを指摘。大企業の法人税減税が行われてきた結果、30年間で経常利益は5.5倍、配当金は9.4倍、内部留保は539兆円に大幅に増加したと指摘し、法人税引き上げを財源として消費税を減税するよう迫りました。

 石破首相は「法人税減税は、賃上げ等を期待して行ったが、実現されたのか検証が必要。賃上げ等が不十分だったのであれば、法人税引き下げは何だったのかということになる」と答えつつも、「法人税の在り方は税制全体の中で議論する必要がある」と述べるに留まりました。私は「賃上げは行われず内部留保だけが積みあがったのが法人税減税だ」として、大企業優遇税制をただせば、消費税5%への引き下げとインボイスの廃止は可能だと強調しました。

 さらに私は、自民党政権が法人税の引き上げと、消費税の引き下げに背を向け続けるのは財界からの要求があると追及。経団連が法人税減税・消費税増税を要望し“政党通信簿”で企業・団体献金「促進」した2003年~23年に、法人税実効税率が40.87%から29.74%に下がる一方、消費税は10%に上がったと批判。この間、経団連企業などから自民党にわたった献金額は488億円であり、「多額のカネの力」で法人税減税・消費税増税が行われたと追及しました。

 石破首相は「政策は企業献金で決めているわけではない」と強弁。私は、経団連は自民党が下野した時期に政策評価をやめて自民党への献金額も13億円に減らしたのに、政権復帰すると政策評価を再開し献金額20億円超まで大幅に増やしたと告発しました。「経団連は(献金は)社会貢献だというが、政権党かどうかで献金額が変わるのがなぜ社会貢献なのか。結局要求を実現してもらう見返りだ」と追及。国民の参政権を侵害する企業・団体献金を全面禁止するよう強調しました。

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


庶民に重い消費税 減税迫る/拒む自民 背景に企業献金/塩川議員が追及/衆院予算委

「しんぶん赤旗」2月4日・1面より

 「あらゆる商品が値上がりする中、庶民に重い負担がかかる消費税の減税に踏み出したらどうか」―。日本共産党の塩川鉄也議員は3日の衆院予算委員会で、自民党が消費税減税に背を向けるのは、経団連が消費税増税と法人税減税を求め、巨額の献金を行ってきたからだと追及し、企業・団体献金の全面禁止を求めました。

 塩川氏は「暮らしが大変な時に自民党の裏金は許せない」という国民の怒りにも触れ、有罪判決が確定した旧安倍派会計責任者の参考人招致と派閥幹部の証人喚問を要求しました。新たに明るみに出てきた都議会自民党の裏金づくりや各県連の収支報告書不記載問題などに言及し、全容解明を求めました。

 塩川氏は、物価高騰で国民の暮らしに消費税が重くのしかかっている実態を指摘。今年の値上げ品目数は2万品目に到達する可能性があり、消費税の負担割合は年収200万円未満世帯8・3%、1500万円以上の世帯2・1%だとして「消費税には所得の少ない人ほど重い負担がかかる逆進性があると認めるか」と首相に迫りました。

 首相は逆進性については認めましたが「では社会保障の税源をどこに求めるのか」と答弁。塩川氏は、そもそも低所得者から税を取り立てること自体が、生計費非課税や応能負担の原則から外れるものだと批判。また、大企業ほど法人税率が下がっていると指摘し、法人税引き上げを財源として消費税を減税するよう迫りました。首相は「法人税減税は、賃上げ等を期待して行ったが、実現されたのか検証が必要」と述べつつも、「法人税のあり方は税制全体の中で議論する必要がある」と述べるにとどまりました。

 塩川氏は、大企業優遇税制をただせば、消費税5%への引き下げとインボイス廃止は可能だと強調しました。

 さらに塩川氏は、経団連が法人税減税・消費税増税を要望し“政党通信簿”で企業・団体献金を「促進」した2003年~23年に、法人税実効税率が40・87%から29・74%に下がる一方、消費税は10%に上がったと批判。この間、経団連企業などから自民党に渡った献金額は488億円であり、「多額のカネの力」で法人税減税・消費税増税が行われたと追及しました。

 首相は「政策は企業献金で決めているわけではない」と強弁。塩川氏は、経団連は自民党が下野した時期に政策評価をやめて献金額を減らし、政権復帰すると政策評価を再開し献金額も大幅に増やしたと告発しました。「経団連は(献金は)社会貢献だと言うが、政権党かどうかで献金額が変わるのはおかしい。結局要求を実現してもらう見返りだ」と追及。国民の参政権を侵害する企業・団体献金を全面禁止するよう強調しました。


論戦ハイライト/塩川議員、石破首相に迫る/衆院予算委/カネで動く政治 転換を

「しんぶん赤旗」2月4日・3面より

 日本共産党の塩川鉄也議員は3日の衆院予算委員会で、深刻な暮らしの危機の中で、所得の低い人ほど重い負担がかかる消費税の減税を求めました。石破茂首相が消費税減税に耳を貸さない背景に、多額の企業・団体献金の見返りに消費税増税や法人税減を要望してきた日本経団連と自民党との関係があるとして、カネの力で動く政治の転換を迫りました。

塩川氏 都連裏金と旧安倍派は同じ手法。調査し報告を/首相 “都議会自民は調査した”と強弁

 「赤旗」日曜版のスクープで発覚した、東京都議会自民党の裏金づくり。日本共産党都議団が明らかにした、2019年の政治資金パーティーでの都議会自民党の内部文書には「都連所属衆参議員46名、1人30枚配布」と記載があります。

 塩川氏は、都議会自民党の小松大祐幹事長が「都連所属の国会議員にもチケット販売は依頼している」としつつ政治資金収支報告書の不記載については「確認が取れていない」と述べたことを挙げ、「国会議員に不記載があるか調べたのか」とただしました。石破首相は「都議会自民党が事実関係を調査し、警察当局の捜査にも協力してきた」と答えました。

 塩川 誰がいつから、何のために始めたのか、明らかになっていない。全容解明のために国会議員の関与を明らかにすべきだ。

 首相 党国会議員への確認と、都議会自民党の不記載問題はリンクしていないが、必要なら話を聞く。

 塩川氏は、都連の裏金づくりは、ノルマ超過分は事務局に納めないことが前提で、旧安倍派の裏金づくりと同じ手法だと告発。「都連所属の国会議員46人のうち、旧安倍派などの派閥パーティーの裏金に関与した議員が10人もいる。調査し委員会に報告すべきだ」と求めました。

 ところが石破首相は「都議会自民党は調査を行った。国会議員の関与はなかった」と強弁。塩川氏は「聞き取りだけで、まともな調査を行っていないのが自民党だ」として全容解明を求めました。

 さらに共同通信が自民党の8府県連で、党本部からの交付金の不記載や過少記載が起きたと報じた問題に言及し、「不記載は法の根幹に触れる悪質なものであり、それすら守れないのは国民に対する背信行為で民主主義の根幹を脅かすものだ」と警告しました。

塩川氏 低所得者ほど重い負担 消費税の減税に踏み出せ/首相 社会保障の財源はどこに/塩川氏 (首相の著書示し)法人税の引き上げで財源を

 塩川氏は「暮らしが大変な時に自民党の裏金は許せない」という国民の怒りの声を代弁。コメや野菜など食料品の高騰が止まらず、2024年12月の消費者物価指数は前年同月比で3・0%上昇。価格の上昇が止まりません。

 塩川氏は「帝国データバンクによると、25年の値上げは、現状ペースだと4月にも累計1万品目を突破すると予想される。暮らしの先行きは深刻だ」と強調しました。

 塩川 物価高騰に苦しむ国民の暮らしに重くのしかかっているのは消費税だ。消費税には所得の低い人ほど重い負担がかかる逆進性があると認めるか。

 首相 導入時から逆進性は指摘されてきた。しかし受益の面で、低額所得者に大きな社会保障給付がある。

 塩川氏は「そもそも低所得者から税を取り立てることは生計費非課税の原則や応能負担原則に反する」と批判。「最も効果があるのが毎日の買い物で支払う消費税の減税だ」と迫りました。

 石破首相は「社会保障の財源はどこに求めるのか」などと主張。塩川氏は、石破首相自身が著書の中で、「法人税減税にめぼしい意義は見いだせず、経済的格差の拡大を是正するのであれば、消費税の逆進性をどう軽減するかを議論するべき」と述べたと指摘。

 塩川 法人税の引き上げで財源をつくり、消費税減税するべきだ。

 首相 法人税のあり方は税体系全体の中でさらに議論する必要がある。

 塩川 大事なポイントはやはり庶民が苦しんでいる。生計費に税金はかけるべきではない。

 塩川氏は、大企業の法人税減税がされてきた結果、30年間で経常利益が5・5倍や配当金は9・4倍、内部留保は539兆円に大幅に増やしたと言及し、大企業減税の見直しに踏み出せと強調。石破首相は「賃上げや設備投資を期待して法人税減税をしたが本当に実現されたのか検証しなければならない。不十分だったのであれば、法人税減税はなんだったのかということになる」と答弁。塩川氏は「賃上げはされず内部留保だけが積みあがったのが法人税減税の結果」と指摘。「法人税はアベノミクス以前の税率に戻し、消費税減税とインボイスは廃止に」と重ねて強調しました。

塩川氏 経団連が献金促すもとで消費税増税と法人税減税。企業・団体献金禁止を/首相 透明性を極限まで高めることは大事

 「自民党が消費税減税、法人税引き上げに耳を貸さないのはなぜか」―。塩川氏は、経団連が「優先政策事項」に基づき政党の政策評価を行い、自民党に対し多額の献金が行われるもとで法人税が減税され、一方で消費税が増税されてきた実態を告発しました。

 塩川氏は、2003年に企業献金あっせんを復活させた経団連が「優先政策事項」で、「法人税実効税率引き下げ」「消費税引き上げ」を掲げ、奥田碩(ひろし)会長(05年当時)が「会員企業が自民党の政策への理解を深め、社会貢献の一環としての政治寄付をしていただくよう期待する」と発言していたと指摘。03~23年で、法人税実効税率が40・87%から29・74%に下がる一方、消費税が5%から10%に上がり、その間、経団連等の企業・団体から自民党への献金額が488億円に上った事実を突き付けました。

 塩川 多額のカネの力で法人税減税と消費税増税が行われてきたのではないか。

 首相 企業・団体献金の見返りとして政策を決定し、行ってきたことはない。

 塩川氏は、経団連が民主党政権となった09年に政策評価を取りやめる一方、自公政権復活後の13年に再開し、自民党は「法人実効税率25%に向けた抜本改革」「消費税の着実な引き上げ」「原発の再稼働プロセスの加速」などの経団連の要求に応えてきたと反論。「まさに自民党のための政策評価だ」と強調しました。

 さらに、石破首相が昨年の臨時国会の答弁で「営利企業である以上、利益を見返りとまったくせず献金することはそれ自体がおかしなこと」だと認めていると指摘。自民党への企業・団体献金は野党時代に全体で年約13億円だったのが、政権復帰後20億円超になったことを示しました。

 塩川 政権党かどうかで献金額が変わるのがなぜ「社会貢献」なのか。要求実現してもらう見返りだ。

 首相 透明性を極限まで高めることは大事だ。

 問題をすりかえる石破首相に塩川氏は「参政権・投票権がない企業が多額のお金で政策を動かし政治を誘導すること自体が国民の参政権を侵害する。賄賂性が問われている企業・団体献金の全面禁止を」と求めました。


主張/衆院予算委の論戦/金権腐敗 追い込まれる自民党

「しんぶん赤旗」2月5日・2面より

 裏金問題の解決をはかる気があるのか―。衆院予算委員会での論戦が始まりました。新しい疑惑が次々報じられているにもかかわらず、石破茂首相は実態解明を求める野党の追及に対し、のらりくらりと後ろ向きの答弁に終始しています。これでは、国民の政治不信は払拭されません。

■地方組織でも裏金
 自民党による裏金づくりは地方組織にまで及んでいました。東京都議会の自民党会派の政治団体「都議会自民党」が政治資金パーティーの収入約3500万円を政治資金収支報告書に記載していませんでした。

 日本共産党の塩川鉄也議員は3日の予算委で、都議会自民党の裏金づくりは旧安倍派と同じ仕組みだと指摘。「国会議員から地方議員まで裏金にどっぷりつかっているのが自民党だ」と追及しました。石破首相は「都議会自民党として所要の調査を行った」として、積極的に実態解明に乗り出す意思は微塵(みじん)も示しません。

 都議会自民党の裏金問題を受けて行った自民党の全国調査のいいかげんさも判明しています。

 自民党は22の道府県連で、パーティー券の販売でノルマを超えた分を議員に還付していたものの収支報告書には適正に記載していたとしています。

 しかし、岐阜県連会長の武藤容治経産相は「2023年、安倍派の記載漏れが判明した際の確認で、一部の支部に記載漏れがあった」(1月31日、立憲民主党議員への答弁)と述べ、収支報告書を訂正していたことを認めました。

 石破首相は「かなり詳細な調査を行った」として再調査を拒否していますが、裏金づくりは東京都以外にも広がっている可能性があります。

 石破首相は旧安倍派の会計責任者の参考人招致についても「民間人であり、検察の捜査で決着がついている」と消極姿勢です。

 しかし、裏金づくりの全容はいまだに解明されていません。会計責任者は政権中枢を担った派閥の裏金問題の詳細を知る人物です。単なる一民間人とはいえません。招致を拒むならば、関係者の証人喚問で事実を明らかにするよりほかありません。

■経団連の言うまま
 裏金の原資となった政治資金パーティーの収入は、形を変えた企業・団体献金です。

 塩川氏は、自民党に巨額の献金をしている経団連の要請にそって法人税減税、消費税増税が行われたことを数字をあげて具体的に指摘。「多額の企業献金で政治が動かされている」として、賄賂性の問われる企業・団体献金の禁止を求めるとともに、法人税引き上げで財源をつくり消費税を引き下げるよう求めました。

 しかし、石破首相は拒否。企業・団体献金についても「透明性を高める」と言い張って、禁止に背を向けるばかりです。

 与野党は3月末までに企業・団体献金のあり方について結論を得ることで合意しています。立憲民主党、日本維新の会も禁止を求めており、自民党は追い詰められています。

 消費税減税を求める国民の切実な要求実現のためにも、野党が一致して企業・団体献金の禁止を迫ることが必要です。