高市首相の所信表明演説を聞いて

 参院選の審判である裏金解明や企業・団体献金禁止など「政治とカネ」について言及なし。国民が求めた消費税減税にも全く触れていない。

 「物価上昇を上回る賃上げ」と言いながら、最賃大幅引き上げもなく、中小企業への賃上げ直接支援もなく、ケア労働者への抜本的賃上げ策もない。

 食料自給率の向上や高い大学学費軽減にも触れず、気候危機打開も核兵器廃絶もなく、ジェンダー平等の施策もない。民意に逆行する政権だ。

 やろうとしていることは、自民・維新連立合意を踏まえた、OTC類似薬の保険外しや病床削減などの社会保障改悪の推進であり、原発の新増設であり、大軍拡だ。

 何よりも、安保3文書で「GDP比2%水準」とした軍事費を2年前倒しで、今年度中に達成しようとしていることは重大だ。辺野古新基地建設の強行など米軍・自衛隊基地の強化を進める。そして「改憲」をめざす。軍事的緊張をあおる戦争する国づくりにストップをかけ、「対話と包摂」で戦争の心配のない東アジアをつくる道をひらいていきたい。

 日本共産党は、高市自・維政権とそれに手を貸す勢力による悪政に対して、正面から対決する国民的な共同を大きく広げていく。多様な民意を切り捨て、政府監視機能を後退させる議員定数削減を断固阻止する広範な共同に取り組んでいく。排外主義に反対する幅広い人々との連帯を広げ、危険な潮流を包囲する取組をすすめたい。