人事院勧告に関する質疑を行い、私は、国家公務員の高卒初任給が最低賃金近傍である問題を質しました。
私は、昨年の最低賃金改定後に、東京都や神奈川県の一部で高卒初任給が地域別最賃を下回る事例があったと指摘し、「公務員の給与が最賃以下となるのはおかしいのではないか」と質問。川本裕子人事院総裁は、民間の賃金引上げを俸給表に反映させるのに1年程度のギャップが生じるため、対策として「最賃との差を補填する新たな手当てを創設する」と答えました。
私は「そもそも最賃ギリギリとなる公務の給与体系になっていることが問題だ」と強調。最賃は全国加重平均で1121円であり、これでは暮らしていけないのが実態だとして「最賃近傍の給与水準を前提とする仕組みで、労働基本権制約の代償機関としての責任を果たしていると言えるのか」と主張し、「生計費原則にのっとった抜本的な俸給水準の引き上げが必要だ」と追及しました。川本総裁は「俸給表を改定すると、最賃を下回っていない地域の給与まで一律に引き上げることになる」と否定しました。
私は、そもそも俸給水準を引き上げる原資が足りていないから抜本的な引き上げができないのではないかと指摘し、官民比較の対象企業の規模を見直すよう求めました。
俸給抜本引き上げ必要/高卒公務員初任給/塩川氏がただす/衆院内閣委
衆院内閣委員会は10日、人事院勧告に関する質疑を行い、日本共産党の塩川鉄也議員は、最低賃金近傍にとどまっている高卒国家公務員の初任給の問題をただしました。
塩川氏は、昨年の最低賃金改定後に、東京都や神奈川県の一部で高卒公務員の初任給が地域別最賃を下回る事例があったと指摘し、「公務員の給与が最賃以下となるのはおかしい」と追及しました。
川本裕子人事院総裁は、民間の賃金引き上げを俸給表に反映させるのに1年程度のギャップが生じるため、対策として「最賃との差を補填(ほてん)する新たな手当を創設する」と答えました。
塩川氏は「そもそも最賃ギリギリとなる公務の給与体系になっていることが問題だ」と強調し、「最賃近傍の給与水準を前提とする仕組みで、労働基本権制約の代償機関としての責任を果たしていると言えるのか」と追及。最賃は全国加重平均で1121円にすぎず、これでは暮らしていけないのが実態だとして「生計費原則にのっとった抜本的な俸給水準の引き上げが必要だ」と迫りました。
川本総裁は「俸給表を改定すると、最賃を下回っていない地域の給与まで一律に引き上げることになる」などとして拒否しました。
「議事録」
第219回臨時国会 令和7年12月10日(水曜日)内閣委員会 第6号
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
月例給与の水準が地域別最低賃金に相当する額を下回る場合の差額を補填する手当、第二種初任給調整手当について人事院総裁にお尋ねをいたします。
私も国会で取り上げてまいりましたが、人事院によると、二〇二四年秋の最賃引上げにより東京都や神奈川県の一部で国家公務員の高卒初任給が地域別最低賃金を下回る事例があったということであります。今回、新たに第二種初任給調整手当が創設をされましたが、そもそも全国規模の公務組織の給与について高卒初任給が最賃以下になるということがおかしいんじゃないでしょうか。
○川本政府特別補佐人 お答え申し上げます。
最低賃金は都道府県別に定められており、地域ごとに水準差が設けられています。今後、最低賃金の更なる上昇が進むにつれ、俸給表の改定を行ってもなお地域手当を含めた月例給与水準が最低賃金に相当する額を下回るケースは、最低賃金が高い地域において、限られた職員で生じる可能性がありました。
また、最低賃金は毎年おおむね十月以降に改定されるので、年度の当初では上回っていても、年度の中途で下回る可能性もあります。その年の十月以降の最低賃金の改定を踏まえた俸給表の改定を実施するには、現在の法改正の流れを前提にすると、翌年の人事院勧告や改正給与法の成立まで含めて一年程度のギャップが生じることになります。
○塩川委員 都道府県別の地域別最賃の対応と関係と言いますけれども、そうはいったって、地域手当だって手当てしているじゃないですか、東京、神奈川は高めに設定しているわけで。それでもそもそも最賃ぎりぎりにならざるを得ないという今の公務の給与体系になっているというのがおかしいんじゃないかということであります。
ですから、今回新設する手当というのは、国家公務員の初任給が最賃を下回る場合があるということを前提としているわけです。最賃を下回るというのは、民間であれば、これは最賃法違反であります。
人事院総裁にお尋ねしますが、民間で違法となる最賃以下の給与水準を人事院が許容すること自体がおかしいんじゃないでしょうか。
○川本政府特別補佐人 お答え申し上げます。
先ほど申し上げたように、最低賃金は都道府県別に定められていて、地域ごとに水準差が設けられています。将来的な最低賃金の上昇により、俸給表の改定を行ってもなお月例給与水準が最低賃金に相当する額を下回るケースは、最低賃金が高い地域において、行政職俸給表(一)等の一級初号俸近辺の限られた職員で生じる可能性があります。
人材獲得競争が激しくなる中、採用市場での競争力を確保していくため、地域別最低賃金水準を下回らない月例給与水準を機動的かつ速やかに確保できるよう、制度上の措置をあらかじめ講じておくことが適当と判断しました。
○塩川委員 そもそも最賃ぎりぎりに張りつくような水準の給与の在り方そのものが問題だということだと思います。
最低賃金は全国加重平均で千百二十一円という水準であります、最も高い東京都で千二百二十六円ですが。でも、この金額では暮らしていけないというのが実際の労働者の現状でありまして、労働組合、全労連などの全国実態調査などでも、生活費を保障する賃金は、時給千五百円どころか、今は千七百円、更にその上というのが必要だという声であります。それが実態であります。
人事院が、余りにも低い最賃近傍で働かせることを前提とするような仕組みであっては、労働基本権制約の代償機関としての責任を果たしていると言えるのかということが問われます。生計費を考慮するという国家公務員法の規定もあるわけで、生計費原則にのっとって大幅な月例給の改善が必要であります。国家公務員の給与が最賃ぎりぎりなんというのは余りにもおかしい。
そもそも、俸給水準を引き上げる原資が足りないから抜本的な引上げができないということになっているのではありませんか。
○川本政府特別補佐人 繰り返しになりますが、将来的な最低賃金の上昇により、俸給表の改定を行ってもなお月例給与水準が最低賃金に相当する額を下回るケースは、限られた職員で生じる可能性があります。
このような状況に対し、仮に全国一律に適用される俸給表の改定で対応する場合には、最低賃金に相当する額を下回っていない地域の給与水準まで一律に引き上げることになります。そのため、特定の地域の一部の職員に限定して柔軟かつ速やかに支給対象を決定することができる手当による措置を講じることが適当と判断したものであります。
○塩川委員 民間では違法となるようなそういう賃金水準を前提としたような手当というのは仕組みそのものがおかしいわけで、全体のやはりパイを増やしていく、俸給水準の抜本的な引上げこそ必要で、更なる比較対象企業規模の見直しが必要だということを申し上げて、質問を終わります。


