畑野さんを迎え、党国会議員団11人で国民要求に応える取り組みに全力をあげるとともに、憲法を真ん中にすえた共同を大きく広げて、高市政権に対峙していきます。
「戦争国家づくり」の危険 真っ向から立ち向かう/国会開会/共産党が議員団総会/田村委員長あいさつ/第2次高市内閣が発足
総選挙を受けた第221回特別国会が18日、召集され、衆参両院の首相指名選挙で自民党の高市早苗総裁が第105代首相に選出されました。高市首相は同日、第2次高市内閣を発足。第1次内閣の全閣僚を再任しました。日本共産党の田村智子委員長は同日の党議員団総会のあいさつで、与党が衆院の3分の2を大きく超える議席を占め、憲法9条改悪をはじめ「戦争国家づくり」を進める戦後かつてない危険な状況が生まれていると指摘。「高市政権に真っ向から立ち向かう日本共産党のかけがえのない役割を存分に発揮していこう」と表明しました。
田村氏は、高市首相が9日の会見で憲法改定の国民投票の環境づくりを表明したことについて、「クーデター」的手法で解散・総選挙を行い、衆院で多数の議席を獲得したからと憲法9条をはじめ改憲へ突き進むのは、「あまりにも乱暴な民主主義破壊の暴走政治であり、断じて許すわけにはいかない」と批判。「国会論戦とともに、大軍拡、非核三原則の見直し、武器輸出の全面解禁、長射程ミサイル配備、『スパイ防止法』制定の策動など『戦争国家づくり』を許さない運動と憲法9条を守り生かせの運動を、草の根から起こし広げていこう」と呼び掛けました。
田村氏は、暮らしでは、日本共産党が総選挙で掲げた「“富の一極集中”をただし大幅賃上げと労働時間短縮を」「タックス・ザ・リッチ(富める者に課税を)で消費税減税を」の実現が求められていると述べ、「論戦とともに、労働運動、多様な要求運動に連帯して、世論と運動を広げ、実現を迫ろう」と訴えました。
田村氏は、消費税減税を国民会議に丸投げする高市首相の構えについて、なぜ圧倒的多数の議席を持つ自民党が自ら法案を提出し、来年度予算案に盛りこまないのかと批判しました。高額療養費やOTC類似薬の患者負担増、年金の4年連続の実質減額、国立大学の標準額見直しによる学費値上げの推進、大軍拡財源に所得税増税分を充てる軍拡増税など予算委員会で審議すべき課題は山積みだと指摘。高市首相は予算案の年度内成立を主張し、予算委の審議の大幅短縮の姿勢を示しているが論戦回避は許されないとし、十分な時間をとった予算審議と国民の要求に応える政策の実現を強く求めました。
田村氏は、高市政権が「責任ある積極財政」の名のもと赤字国債の大量発行で異常円安をもたらし物価高騰に拍車をかけ、過労死を引き起こす裁量労働制のさらなる拡大を狙い、選択的夫婦別姓と同性婚の実現を阻むなど「多くの国民との関係で深い矛盾を幾重にも抱えており、その土台はもろくて弱い」と強調。外交でも、「法の支配」を投げ捨て「力の支配」に進む米トランプ政権を一言も批判ができないまま、大軍拡の暴走を行うのは、深刻な矛盾で重大な危険だと厳しく指摘しました。「財界中心」「アメリカいいなり」の自民党政治の「二つのゆがみ」と国民の要求との矛盾が臨界点に達していると指摘し、「自民党政治を変える党として、国民の要求にこたえる対案、新しい政治への展望を大いに示す」と表明しました。
共産党議員/国民の期待胸に
先の総選挙で当選した日本共産党の4人の衆院議員は、特別国会が開会した18日、国会に初登院しました。左から辰巳孝太郎、畑野君枝、田村智子、塩川鉄也の各氏
第2次高市内閣発足/民主主義壊す暴走政権
衆院選を受けた第221特別国会が18日、召集されました。衆院では自民党だけで3分の2を超え、連立与党の日本維新の会を加えると4分の3を占めるという、戦後かつてない巨大与党が出現。国会を軽視し、数の力を背景に「国論を二分する政策」を強力に推し進める高市政権と巨大な与党に対して、日本共産党は正面対決する姿勢を明確にしています。
高市政権は今国会で何を狙っているのか―検証しました。
予算 数の力で熟議切り捨て
真っ先に問われるのは、2026年度予算案の審議です。高市早苗首相は「年度内成立を諦めていない」と強調し、3月末までの成立を視野に審議を急ぐよう指示しています。与党の自民、維新両党も年度内成立を排除しない方針を確認。国会軽視の拙速な姿勢が早くもあらわになっています。
予算審議は衆参両院で約2カ月程度をかけるのが通例です。しかし今回は、1月の衆院解散という高市首相の「自己都合」「党利党略」によって審議入りが遅れ、年度内成立はほぼ困難な状況。与党の質問時間を削減してでも成立を急ぐ動きが取り沙汰されています。
与党は24年衆院選後に野党に渡っていた予算委員長などのポストを奪還する見通しです。衆院の常任・特別委員長や審査会長ポストを押さえ、審議の主導権を握って、数の力で議事運営を進めるという強権的な発想のもと、「熟議なき国会」となる危険が高まっています。
これに対し、日本共産党の小池晃書記局長は、審議を遅らせた責任は与党にあると指摘し、「乱暴極まりないやり方は許されない」と批判。立憲民主党の斎藤嘉隆参院国対委員長も「1カ月で予算案を通すのは国会の自殺行為だ」と強くけん制しています。
一方、国民民主党の玉木雄一郎代表は「年度内も含めた早期成立に協力したい」と与党への協力姿勢を示しています。こうした「補完勢力」の動きが広がれば、国会のチェック機能は形骸化し、強権的な国会運営はいっそう強まります。
予算審議は国会で最も重要な審議の一つです。拙速な成立を優先するのか、それとも徹底した審議で国民の声を反映させるのか。問われているのは、民主主義の土台そのものです。
経済 進む負担増と規制緩和
高市首相は「国論を二分する政策」の第一に、「責任ある積極財政」を挙げています。具体的には明らかではありませんが、大枠は、従来型の大企業向け「国内投資」支援の延長線上にある政策であり、国民生活を直接あたためるものとは言えません。むしろ国債の大幅な増発によって異常円安をさらに加速させ、物価高に拍車をかける危険すらあります。
一方で、国民の切実な要求である消費税減税には消極的です。高市首相は「悲願」とまで述べた飲食料品の消費税ゼロについて、超党派の「国民会議」に議論を丸投げし、「夏前に中間取りまとめを行いたい」としています。しかし、本気で実現するのであれば、与党として今国会に法案を提出し、正面から審議すべきです。来年度予算案にすら盛り込まれていないこと自体が、その本気度を疑わせます。
その一方で、来年度予算案には、昨年の審議で「凍結」したはずの高額療養費の負担増が盛り込まれています。OTC類似薬の患者負担拡大も狙われ、医療費のさらなる自己負担を国民に押し付けようとしています。
さらに、20日に予定される施政方針演説では、労働規制緩和に向けた「裁量労働制の見直し」を打ち出す方向だと報じられています。最低賃金1500円という目標を投げ捨てておきながら、労働者をいっそう追い込む規制緩和を進めようとする動きは極めて重大です。
安保 米要求うのみで大軍拡
安全保障分野で最大焦点となるのは大軍拡の指針である安保3文書の前倒し改定です。改定の最大の理由は、トランプ米大統領の要求に応じるためです。
トランプ氏は衆院選中に、自身のSNSで高市政権を「全面的に支持する」(5日)と表明。16日には、自民党が圧勝した結果について「彼女(高市首相)は私の支持のおかげだとしている」と強調しました。露骨に恩を売る姿勢には、3月19日に開かれる日米首脳会談で要求を押しつける狙いが透けて見えます。
特に危険なのは軍事費増額です。米側は国内総生産(GDP)比3・5%(21兆円以上)を求め続け、最近ではすべての同盟国に5%以上(30兆円以上)への増額を要求。高市政権も現行のGDP比2%以上の増額を当然視しています。
また、安保3文書改定で「非核三原則」が見直される恐れがあります。高市首相は、三原則のうち「持ち込ませず」は米国の核兵器持ち込みの支障になるため「邪魔」だとして3文書からの削除を要請していました(24年の編著)。衆院選中も三原則を今後も堅持すると明言しませんでした。
また、武器輸出の全面解禁にも踏み出します。今春にも武器輸出のルールである「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定し、要件を限定する「5類型」の撤廃を狙っています。「防衛(戦闘)目的」であっても戦闘機や護衛艦など殺傷能力の高い兵器の輸出が可能となり、紛れもない「死の商人」国家になります。
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡っては、米国防総省が25年9月に米政府監査院(GAO)に、新基地が完成しても、別の長い滑走路を用意できない場合、普天間基地(沖縄県宜野湾市)は「返還されない」と回答していたことが発覚。工事も大幅に遅れており、辺野古が普天間基地返還の「唯一の選択肢」と固執する日本政府の立場は破綻しています。
憲法 国論二分でも改憲推進
自民党が単独で衆院の3分の2超の議席を得たことで、9条改憲は重大な局面を迎えています。高市首相は選挙が終わった途端、改憲に向け取り組みを加速させる考えを表明。9日の記者会見では、改正案を発議し、「少しでも早く」改憲の是非を問う国民投票の実施環境をつくっていくと踏み込みました。
衆院選の公約で自民党は、自衛隊の明記など改憲4項目の実現に向け国民への説明を積極的に展開すると表明し、日本維新の会は「憲法改正の国会発議を実現させる」と明記。選挙結果を踏まえ、維新の吉村洋文代表は10日、「憲法改正の議論は加速させていくべきだ」と述べました。
さらに、自民党の井上信治幹事長代理は15日のNHK「日曜討論」で、「国論を二分する政策」について、「憲法改正などがその典型だ」と述べ、異論を排除してでも強力に推進する考えを示しました。
しかし、国の基本原理を定める憲法を改正するには国民の多数の合意があることが必要なのは、憲法96条を読めばわかることです。“国論を二分する改憲”はできないし、あってはならないのです。
首相の強い意欲を後押しするため、衆院憲法審査会長には、自民党憲法改正実現本部長の経験がある古屋圭司氏を充て、改憲の議論を加速させる姿勢を打ち出しています。
「スパイ防止法」等
首相は、インテリジェンス(情報活動)機能の強化を重視し、国民を監視する「スパイ防止法」の早期制定にも強い意欲を示しています。狙いは、政府に批判的な国内の団体や個人の言動を収集し、言論を弾圧することにあります。
衆院選挙後の9日の記者会見では、インテリジェンスの司令塔である国家情報局設置のための法案を特別国会に提出すると表明しました。
「スパイ防止法」を巡っては、木原稔官房長官が17日の記者会見で「課題や論点等の検討を開始している」と述べ、一部報道では、政府が法案提出をめざして今夏にも有識者会議を設置し議論する方向で調整に入ったとされています。
日本維新の会、国民民主党、参政党も衆院選公約に「スパイ防止法」制定を掲げており、国民を監視し民主主義を後退させる法案が次々制定される危険が強まっています。
国民の思想・信条や表現の自由を侵害する国旗損壊罪法案も狙われています。
高市政権はジェンダー平等実現など人権の保障には後ろ向きです。自民党の衆院選公約では、「通称使用の法制化」を目指すとしており、この法案が通れば、選択的夫婦別姓の実現はさらに遠のきます。




