【「しんぶん赤旗」掲載】地方3団体・有識者の意見聴取/衆院選挙制度協議会/定数削減 是とした人おらず

「しんぶん赤旗」7月6日・6面より

 衆院選挙制度のあり方について、衆院選挙制度協議会ではこの間、地方3団体や有識者から意見を聴取、質疑を行ってきました。意見を述べた7人のうち、定数削減を是とした人はいませんでした。

 平井伸治・全国知事会副会長(鳥取県知事)は、都道府県知事を対象とする共同通信のアンケートで、態度を表明した19人のうち、14人が定数削減に「反対・懸念がある」としたことについて「国会議員というパイプを減らすことへの懸念の表れだ」と述べました。

 水谷洋一・全国市長会地方創生特別委員長(北海道網走市長)は、人口の減っている地域から定数が削減されるとし「多様な民意、地方の声は非常に届きにくくなるのでは」と批判しました。

 星学・全国町村会副会長(福島県下郷町長)は、議員定数を削減すれば地方の声を反映する議員が削減されるとし、「議員の数が減ることは政治の安定化につながらない」と訴えました。

 竹中治堅・政策研究大学院大教授は、国会議員は「国民の要望を国政に伝える媒介者」であり、日本の議員定数は「歴史的に見ても、世界的に見ても少ない」と強調。議員を「特権階級」だとして削減する日本維新の会の「身を切る改革」について「議員と市民・国民の間に対立を生んで支持を拡大する政治手法にすぎない」と批判しました。

 大山礼子・駒沢大学名誉教授は、比例のみの定数削減によって、選挙制度の議論を経ずに現行の小選挙区比例連立制が変質するおそれがあると批判。定数削減は議員の新陳代謝・多様化を阻害し、中小政党の議席減、地方・少数意見切り捨て、国会の常任委員会の運営が維持できなくなるなどの懸念を示しました。

 大泉淳一・選挙制度実務研究会会長(元総務省選挙部長)は、議員定数が「理論的な数というより政党の意思・公約などによって推移してきた」と指摘。2016年に衆院議長の下に設置された有識者調査会で「削減する積極的な理由や合理的な根拠は見いだしがたい」としていると強調しました。

 中北浩爾・中央大学教授は、定数削減を一方的に進めるのは望ましくなく、定数増も選択肢だと述べました。

 地方3団体への意見聴取は5月12日に、有識者への意見聴取は同21、26両日に行われました。