第186 通常国会 2014/1/24~2014/6/22 日付:2014-03-27 |
NHKの2014年度予算案が、衆院総務委員会と本会議で日本共産党、民主党、日本維新の会、生活の党、結いの党、社民党が反対するなか、自民、公明、みんなの各党の賛成多数で承認。日本共産党は、籾井(もみい)勝人会長の一連の暴言などをあげて承認に反対した。NHK予算の承認が全会一致でなかったのは2006年以来。
本会議に先立って開かれた総務委員会で、予算案への反対討論に立ち、歴史を歪曲する籾井氏の発言は会長としての資質が根本から問われる。会長の発言に対してかつてない規模で国民、視聴者から批判が寄せられているもとでは、予算は承認することができないと述べた。
質疑で、籾井会長発言でNHKに寄せられた意見が今月26日までに3万6100件、うち64%にあたる2万3300件が「偏った放送になるのが心配」など批判的な内容だったことが明らかになった。
04年に受信料不正使用や、日本軍「慰安婦」の番組「ETV2001」が安倍晋三官房副長官(01年当時)らの圧力で改変された事件が明るみに出て、NHKに55日間で1万1000件の意見が寄せられたが、今回はそれをはるかに上回る深刻な事態だ。
公権力からの自立という姿勢が欠落した会長に、国民から厳しい意見が寄せられるのは当然だ。
またETV2001番組改変問題について取り上げ、安倍晋三官房副長官(当時)ら政治家の意図を「忖度」して番組を改編した事実を指摘。今回の籾井会長の就任記者会見での発言「政府が右というものを左というわけにはいかない」など、まさに政治家の意向を「忖度」するものだと視聴者が受け止めるのは当然だと追及。
籾井会長は「ETV2001については政治家の発言を忖度したという事実はない。放送の自主自律を堅持することは、公共放送の生命線」などと答えた。
NHKの生命線である政府からの独立に対する見識もなく、日本軍慰安婦問題など歴史歪曲の発言を改めていない籾井会長に厳しい視聴者の意見が寄せられるのは当然だ。
さらにNHK受信料値上げ問題について、事業収支差金を受信料値上げ回避に充てる考えはないかを質問。
籾井会長は「事業収支差金は老朽化が進む渋谷の放送センターの建てかえに繰り入れる」と答弁。
しかし現行の経営計画では、放送センターの規模、内容や建設時期、建設費用については何ら触れられていない。しかも、建設積立金を四百億円計上するだけで、積み増しをするということは経営計画には書いていない。視聴者は何も知らされていない。放送センター建設ありきのような事業収支差金のやり方はおかしい。視聴者の負担増を回避しようとするNHK側の経営姿勢が見られない。