第186 通常国会 2014/1/24~2014/6/22 日付:2014-05-16 |
安倍総理出席の下で、電気事業法改正案の締めくくり質疑が行われた。
5月9日の参考人質疑で植田和弘参考人は、規制基準にかかわって安全性を考えた時には、原子力規制委員会の審査をパスするだけではなく、「住民が安全かどうか」が大前提だと指摘した。総理の言う、いわゆる「世界最高水準の安全基準」の中には、住民の避難計画や避難受け入れ計画が含まれているのかただしたのに対し、安倍総理は、避難計画は地方自治体が作るものであると述べるのみだった。
福島原発事故により、東京二十三区の倍の広さの地域が無人の地となって三年。今なお、14万人の方々が困難な避難生活を強いられている。福島県楢葉町からいわき市に避難している住民から寄せられた長期化する避難生活へのストレスや、「福島第二原発が存在する限り不安で戻れない」の声を紹介。福島第二原発に固執していることが、復興の妨げとなっていると厳しく指摘し、速やかな廃炉を求めた。
電気事業法改正案の採決に先立ち反対討論
本法案は、三年前の東日本大震災と福島第一原発事故の教訓を踏まえ、戦後の電力システム改革の第二段階のものとされているが、以下の重大な問題点を持っている。
第一は、東電条項とも言うべき、新たな一般担保条項の問題。東電のホールディングカンパニー制(持ち株会社化)移行を先取りし、一般担保つき電力債の発行を新たな持ち株会社や子会社にも認めるものだが、原発など大規模集中電源の開発のため巨額の設備資金調達を保障する公益特権であり、きっぱり廃止すべき。
第二は、本法案の目玉である小売参入全面自由化とエネルギー産業の再編問題。原子力、火力など巨大な独占的発電事業者が届け出制にされることに伴い、原発付加金などの料金コストを一層見えにくくすることは、原価情報のブラックボックス化を進めるものであり、容認できない。
従来の電力独占と新規参入の鉄鋼、ガス、石油、総合商社や外資企業など巨大独占大企業間の再編による、形を変えた電力市場の規制なき独占となりかねない問題や、再生可能エネルギーの爆発的普及の障害となっている原発優先給電の仕組みを変えることなど、課題が残されており、電力独占への民主的規制と再エネ、地域循環システムへの大転換を柱とする電力民主化こそ求められていることを指摘した。
→「議事録へ」(質疑)
→「議事録へ」(反対討論)