国会での奮闘をご紹介します
 
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国会での取組み


●第175臨時国会●
2010年9月10日 国土交通委員会 アスベスト混入再生砕石問題/国交相が対策と協議を約束
 建材を再利用した「再生砕石」に、人体に有害なアスベスト(石綿)が含まれていたことが、埼玉など全国各地で判明し住民に不安が広がっている。国土交通委員会で実態調査の実施、再生材の品質保証、分別処理の適正コスト確保のためのルールづくりを求めた。

 国としてリサイクルを促進しながら、リサイクル品に有害物質が混入したことについてどう思うか?と、前原誠司・国交相に質問すると「きわめて遺憾だ」と答弁。

 『静かな時限爆弾』と呼ばれるアスベストと隣り合わせの生活を市民に強要することは許されない。解体や破砕の現場に限らず、再生砕石の使用場所を対象にした、アスベスト混入砕石の有無に関する実態調査を実施すべきだ。

 石綿含有建材の廃棄物排出量は今後10年間、増加しつづけると予測されている。

 リサイクル品の品質を保証するしくみをつくるべきだ――との質問に、前原国交相は「今回、関係団体への法令順守の徹底や自治体に破砕施設の立ち入り検査などを依頼した。さらなる対策の必要性があれば、関係省庁と協議したい」と答えた。

 再生砕石にアスベストが混入する背景には、解体工事の際の分別処理にかかるコストの問題がある。「大手ハウスメーカーからの仕事であっても、廃棄物を処理する段階では下請け業者に処理費用が渡らないことが多い」との下請け業者の声もある。適正なコストを保証するルールが必要だ。

 前原国交相は、解体工事を含む建設工事が適正な請負価格で契約されるようにする、必要があればさらなる対策をとると答弁した。


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「議事録へ」
2010年8月20日 質問主意書 菅内閣の機密費2億円支出/使途明らかにせず
 4日提出の質問主意書に対し、菅内閣発足後、6月25日と7月23日の2回、各1億円の官房機密費(内閣官房報償費)が国庫から支出されたとする答弁書を決定。使途については、今回も明らかにしなかった。

 答弁書によると、4月に2度1億円を支出。5月から7月の各月に1億円ずつ支出したとしています。毎月1億円の支出は自民党政権と同じ。

 使途について「せんべつなどに使わない」との平野博文前官房長官答弁をあげて「菅内閣も国会対策費や議員の海外視察などへのせんべつに使わないと明言できるか」と質問。答弁書は「報償費の性格上、お答えを差し控えたい」として明言を避けた。

 鈴木宗男元官房副長官が1998年の沖縄県知事選に機密費が使われたとする証言をしたこととの関連で、「知事選など各種選挙に使わないと明言できるか」「各種選挙で特定候補支援のために使用することは正当か」と質問したのに対しても回答はない。

 機密費の使途記録の引き継ぎについては、仙谷官房長官が3日の内閣委員会で「まったく引き継ぎは受けていません」と答弁していたのに、今回の答弁書では一転して「取扱要領に基づく支払関係書類を引き継いでいる」と認めた。

 鳩山前内閣が機密費の検証について2010年度内に終えるとしていたのに、答弁書は「1年位の時間が必要」として改めて先延ばしする考えを表明した。

 仙谷長官は3日の内閣委員会で沖縄知事選など選挙への機密費の使用を否定しなかったが、答弁書では、平野前長官さえ否定した国会対策費や議員の海外視察などへのせんべつに使用することを否定しなかった。機密費の帳簿の引き継ぎについても国会答弁と矛盾しており、初歩的な説明さえ一貫していない。菅内閣の姿勢は、機密費について「そんなのあるんですか」とうそぶいた平野前長官よりも後退している。


質問主意書全文(PDF)
答弁書全文(PDF)
2010年8月10日 質問主意書 薬物依存患者支援/民間職員の研修実施へ/政府が答弁書
 政府が今年度中に、薬物依存患者へのリハビリ支援活動を行っている民間団体の職員を対象として依存症の基礎知識などの研修を行うことを予定し、現在実施団体の選考等の準備を進めていることが、質問主意書に対する答弁書で明らかになった。

 答弁書によると、政府は今年度、「依存症回復施設職員研修事業」を創設。依存症のリハビリ支援を行う民間団体「ダルク」等へ基礎知識のほか、薬物の身体への影響、依存症患者が利用可能な支援内容等の研修を行うとしている。

 薬物依存症をめぐっては、所持や使用の犯罪の刑期を終えて社会復帰した後のリハビリ施設等が不十分で、薬物事犯の再犯率が5割を超えるといわれている。薬物依存症関係団体などから、治療体制の整備などを求める声が上がっていた。

 政府は一昨年「第三次薬物乱用防止5か年戦略」を取りまとめ、今年7月には「薬物乱用防止戦略加速化プラン」(加速化プラン)を具体策として打ち出した。

 この間、薬物依存症のリハビリ支援を行っている団体の関係者からの要請を受け、「加速化プラン」で再犯防止の対策強化のために連携するとしている民間団体や政府の具体的活動支援の内容を質問。また、受け皿となる治療回復施設の創設・拡充についてもただした。


質問主意書全文(PDF)
答弁書全文(PDF)
2010年8月3日 総務委員会 地デジ移行問題/国民の準備1年では困難/アナログ停波延期は放送局にもプラス
 来年の7月24日に迫った地デジ完全移行、それにともなうアナログ放送の停波で、テレビが見られなくなる世帯が出てくる問題で質問。

届かない支援策

 総務省が進めるアナログ停波の計画は、電波が届かなくなり地デジが見られない難視世帯が新たに数十万も生まれることを前提にしている。さらに受信側の準備についても、全国消費者協会の調査では、地デジ対応のために平均27万円かかるという。経済的理由やビル陰難視で、国民のデジタル化対応があと1年では困難だ。

 また、生活保護水準以下でありながら、デジタル放送受信のための機器購入の政府支援の対象となっていない世帯が400万もある。

 原口一博総務相は、具体策を示さずに、石川県珠洲市でアナログ停波を1年前倒したように「デジタル化推進の運動の輪を広げる」と答えただけ。

 珠洲市は総務省をはじめ、総がかりでやった結果であり、現状ではアナログ停波を強行すると、テレビが全く見られなくなる世帯が大量に生まれる。

利益は事業者へ

 アナログ停波を延期して困ることは何か?と質問すると、内藤正光副大臣は、放送事業者の機材の劣化と費用の問題だと答弁。

 費用はいくらかと尋ねると、内藤副大臣は「NHKは80億円」としましたが、民放は試算もしていないことがわかった。

 NHKと民放合わせて200億円程度で、それぞれ収入の1%くらいである。さらにNHKはアナログ停波にともなう受信料減を195億円と試算している。アナログ停波を延期するほうがNHKにとってもプラスとなる。

 地デジ化を機に過密化した電波を整理。アナログテレビが使っていた周波数帯は、デジタルラジオや携帯電話で受信するマルチメディア放送、警察・消防の自営通信、高度道路交通システム(ITS)に利用する計画が進んでいる。これを電波の『跡地利用』と称しているが、利益を得るのは携帯電話事業者や自動車メーカーで、それとひきかえに『テレビ難民』を生みだす国民置き去りのやりかたは認められない。1年後のアナログ停波を延期することを強く求めた。


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「議事録へ」
2010年8月3日 内閣委員会 98年沖縄知事選に3億円の機密費流用/なぜ調べぬ
 自民党・小渕政権当時の沖縄県知事選対策費に3億円の官房機密費が使われたとされる問題を取り上げた。

 この問題は、鈴木宗男元官房副長官(新党大地代表)が7月21日のTBS番組で証言したもの。官房副長官として当時の小渕恵三首相と野中広務官房長官を支えた鈴木氏は、1998年の沖縄知事選で稲嶺恵一陣営のために「3億円使ったと聞いている」と証言。全額を機密費から支出したことも明らかにした。

 鈴木氏らからの聞き取り調査を要求したのに対し、仙谷由人官房長官は、テレビ番組での発言は「証言でもなんでもない」として、「調査する手だてがない」と拒否。

 2001年の国会で知事選への流用が問題になったさい、当時の福田康夫官房長官さえ調査を行っている。ないのは手だてではなく、やる気だ。

 鈴木氏が毎月1億円以上支出していたと証言する当時の官房機密費(官房長官扱い分=年間約12億円)だけでは、知事選への3億円投入は不可能。外交機密費の首相官邸への上納分だった可能性があり、事実ならば、予算の目的外流用という財政法違反も加わり、二重に不正な流用になる。

 また、日米合意で沖縄県・米軍普天間基地の「移転」先とされている名護市での「地元工作費」のほか、鳩山政権が同県うるま市や鹿児島県・徳之島への一部「移設」を検討したさい、当時の平野博文官房長官が現地の自治体議員を官邸に呼んだり銀座で接待した費用に官房機密費を使ったとの疑惑を民主党の喜納昌吉前参院議員が国会で取り上げている。国民への説明が必要だ。

 仙谷氏は、鳩山政権の機密費の出納管理簿さえ「現時点では引き継いでいない」と答弁。

 1年間の支出状況を調査し公開を検討するとしていた鳩山政権よりも後退している。


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