【議院運営委員会】緊急事態宣言解除の質疑/コロナ対策に全力を挙げるとき/オリパラ中止の検討せよ

 新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言の解除にあたって政府から事前報告を受け、質疑を行いました。

 解除の理由に菅義偉首相が病床使用率の低下などをあげたのに対し、私は全国の新規感染者数は横ばいや微増が続き、東京では17日に400人を超えるなど増加の動きだと指摘。リバウンド(感染再拡大)の危惧がある。病床使用率が再増加するのではないかと迫りました。

 菅首相は「再拡大が起こらないよう検査の徹底など総合的な対策を講じる」と述べました。

 私は、医療提供体制のひっ迫が懸念されるのに、政府は発熱患者の診療や検査をする診療検査医療機関への補助金を3月末で打ち切ると批判。医療提供体制の拡充をと強調しました。

 東京五輪・パラリンピック実施について、コロナ患者の治療やワクチン接種に尽力する医療従事者に、さらなる負担増を強いるのではないかとして、コロナ対策に全力を挙げるとき。五輪の中止も含めて検討せよと求めました。

 菅首相は「IOCのバッハ会長と必ず実施すると合意している」と開催ありきの姿勢を示しました。


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「議事録」

<第204通常国会 2021年3月18日 議院運営委員会 18号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 医療提供体制に関連して、菅総理にお尋ねします。
 総理は、昨日の記者会見で、緊急事態宣言解除の理由について、感染者や病床使用率の数字が解除の方向に入っていると述べておりました。しかし、全国の新規感染者数は、三月上旬以降、横ばいから微増が続き、東京都では、今日も三百二十三人、七日間平均で前の週よりも増えるなど、増加の動きが見られます。
 リバウンド、感染再拡大の危惧があります。新規感染者が増えれば、入院患者、重症者の方が増えます。今後、病床使用率が再増加するのではありませんか。
○菅内閣総理大臣 まず、緊急事態宣言の解除の基準についてです。
 これは、コロナ対策本部の中で、基本的対処方針に書かれていまして、感染状況や医療提供体制、公衆衛生体制の逼迫状況などを踏まえて、総合的に判断をすることになっております。
 飲食を中心としためり張りの対策を講じた結果として、一都三県の新規感染者数は、一月七日の宣言時の四千二百七十七人から、昨日は七百二十五人まで、八割以上現実的に減少していることも事実です。
 また、東京では、解除の目安である新規感染者数五百人、病床使用率五〇%を下回っており、昨日の時点では、それぞれ、四百九人、病床使用率は二五%になっています。さらに、二週間前に病床の逼迫が続いていた千葉県においても病床使用率は四〇%以下になっており、今回の解除について、こうした客観的な数値に基づき、専門家の御意見も踏まえながら判断をしたものであります。
 また、今回の緊急事態の解除の際には、感染の再拡大が起こらないよう、検査の徹底など、総合的な対策を講じることにしております。
 さらに、各都道府県で、今回のような感染の急拡大に対応できるように準備を進めており、コロナ病床、後方支援医療機関、宿泊療養施設などが役割分担して、感染者を効果的に療養できる体制を構築してまいりたいと思います。
 残余については、担当大臣から答えさせます。
○塩川委員 医療提供体制の逼迫状況、今後、やはり懸念はされます。そういう中で、診療・検査医療機関への外来診療・検査体制確保事業の補助金などがこの三月末で打ち切られるという問題もある。こういうことはきっぱりやめて、しっかりとした医療提供体制の拡充に努めるべきだ、こういうことを強く求めるとともに、三月の二十五日に聖火リレーがスタートをします。
 政府は、オリンピック・パラリンピックの準備を進めております。しかし、オリンピック・パラリンピックの実施というのは、感染の再拡大や変異株の影響の拡大が懸念をされて、コロナ感染症の治療、ワクチン接種に尽力をしている医療機関、医療従事者に更なる負担増を強いることになりはしないのか。
 総理に、是非、このコロナ対策に全力を挙げるべきときだということを申し上げたい。オリンピック・パラリンピックの中止を含めて、開催の是非について、東京都、組織委員会、IOCなどと協議、検討すべきではありませんか。
○菅内閣総理大臣 まず、新型コロナウイルスの克服に全力を尽くします。
 IOCバッハ会長とは、昨年から、東京五輪を必ず実現することで一致しており、今月三日には、IOC、IPC、組織委員会、東京都及び国による五者協議において、引き続き東京大会の成功に向けて緊密に連携していくことを確認いたしております。
 安全、安心な大会を実現するためには感染対策が極めて重要であり、地域医療に支障を生じさせずに大会において必要な医療体制を確保できるよう、関係者と丁寧に調整を進めているところであります。
 引き続き、東京都、大会組織委員会、IOC等と緊密に連携して準備をしっかりと進めていきたいというふうに思います。
 医療機関の質問については、担当大臣から答えさせます。
○塩川委員 地域医療に支障が生じないようにとおっしゃるんですが、感染の再拡大、変異株の影響の拡大が懸念をされるというときに、医療機関、医療従事者に更なる負担増を強いることになるんじゃないのか、そこの点を是非お聞きしたいんですが。
○西村国務大臣 まず、御指摘がありました補助金についてでありますけれども、これは、インフルエンザとの同時流行に備える、対応する補助金でありますので、これにつきましては今年度末で終了することとしておりますが、他方で、医療機関には、引き続き、来年度以降も、コロナ患者への外来診療あるいは検査に対応していただくことを考えておりますので、三次補正で手当てしております支援、あるいは診療報酬上の加算によって必要な支援を行っていきたいというふうに考えております。
 医療機関の負荷などをしっかりと見ながら、私ども、必要な支援をしっかりと行っていきたいというふうに考えております。
○菅内閣総理大臣 オリンピック・パラリンピック大会を、安全、安心な大会を実現するためには感染対策が極めて重要ということで、克服に全力を尽くします。
 さらに、その上で、地域医療に支障を生じさせずに大会において必要な医療体制を確保できるよう、関係者と丁寧に調整を進めているところであります。
○塩川委員 時間が参りましたので、終わります。