【議院運営委員会】東京・大阪など緊急事態宣言解除/夏は感染拡大リスク増/五輪中止を

 緊急事態宣言と「まん延防止等重点措置」の一部解除にあたり政府から事前報告を受け、質疑を行いました。

 私は、政府分科会の尾身茂会長が、今夏は宣言解除で東京の人流加速、夏休み、お盆、帰省による人流加速、変異株の影響、によって感染リスクが大きいと述べたと指摘。政府の認識を質しました。

 西村康稔経済再生担当大臣は、分科会で夏は感染が増えるとの強い指摘があったことをあげ、「昨年も感染が広がった。デルタ株もある」と感染拡大のリスクを認めました。

 私は、菅総理が「切り札」と位置付けるワクチン接種による集団免疫は、夏までには効果が見込めないのではないかと追及。

 西村大臣は「集団免疫とはならないだろう」と認めました。

 私は、このような夏に五輪を開催すれば、感染拡大を招くと強調。こどもの運動会、修学旅行は中止なのに、なぜ五輪だけ特別にやるのか」との国民の声にどうこたえるのか質しました。

 西村大臣は「理解いただけるように取り組む」と答えるのみ。

 は、国民の声に答えていないと批判し、五輪中止を求めました。

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


「議事録」

<第204通常国会 2021年6月17日 議院運営委員会 第48号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 東京都の新規感染者は下げ止まり、増加の傾向すらあります。少なくとも東京では、緊急事態宣言は継続すべきだと考えます。
 そこで、昨日の厚労省アドバイザリーボード、また今日の分科会でも、東京都の人流について、このまま増加傾向が続くとリバウンドに向かうことが懸念され、警戒が必要としました。大臣はどう受け止めますか。
○西村国務大臣 本日の分科会でも、御指摘のように、後半の半分ぐらいは東京都をどういうふうに対応するかということで議論がなされました。御指摘のように、リバウンドについての強い懸念が示されたところであります。
 その上で、議論が最終的に集約されたのは、リバウンドに対して、それも想定しながら、強い措置を継続、強化していくこと、これは特に、ワクチン接種の加速と同時に、検査の拡充であったり、QRコードを活用することや下水のサーベイランス、下水によってチェックをしていくことですね、新たなこういった手法をしっかり徹底してやっていくべきこと、さらには、まさに感染再拡大の兆候があれば、ちゅうちょなく緊急事態宣言を発動すべきだということでございました。
 こうした分科会としての強い御意見をいただきましたので、しっかりと受け止めて、対策を引き続き継続、そして強化していきたいというふうに考えております。
○塩川委員 尾身会長は、オリンピックをやるかどうかにかかわらず、この夏は、宣言解除で東京の人流が加速する、夏休み、お盆、帰省で人流が拡大をする、そして変異株の影響、感染のリスクが大きいと述べております。西村大臣も同じ認識ですか。
○西村国務大臣 まさに、今後の様々なリスクについても本日議論がありましたし、基本的対処方針でも記載をしておるとおり、私自身もそのリスクについては認識をしているところであります。
 御指摘の夏休み、お盆、こうした人流の増加、それから季節性も今日かなり強く御指摘がありまして、夏はどこも、北半球は増えているんですね。実は、夏になると減るんじゃないかとありましたけれども、これは、暑いために冷房をかけて室内にいるということで、かなり感染が、昨年も広がったし、先進国各地、アメリカでも南部で特に昨年は広がったということが、今日も指摘がございました。
 こうしたリスク、そしてデルタ株についてのリスクも含めて、そういったことを認識しながら、感染拡大のリスクをしっかりと抑えていけるように対策を強化し、徹底していきたいというふうに考えております。
○塩川委員 先週の議運理事会で西村大臣は、夏までの集団免疫の効果は見込めないと私の質問に答えました。菅総理が切り札と言うワクチン接種による集団免疫は、夏までには効果が見込めないということではありませんか。
○西村国務大臣 先ほどお答え申し上げましたけれども、昨日までの時点で約二千七百万回の接種が進んでおります。さらに、今後、職域接種が進む中で、一日百万回程度の接種が進むということでありますと、一か月で、仮にの概算ですけれども、三十掛ける百万で三千万回プラスされるということで、約五千何百万回の接種が進む。七月末までには、高齢者、希望する方は全て打ち終わるということで、全自治体がそれを可能だということで回答があったと承知をしております。
 そうした中で、いわゆる発症予防、そして重症化の予防は、リスクのある高齢者が重症化することはかなりの程度抑えられるんではないかというふうに、これは専門家も含めて見ているところでございます。
○塩川委員 予防効果はある。集団免疫の効果が夏までには見込めるのかどうなのか。
○西村国務大臣 この集団免疫というのをどういうふうに定義するかはありますけれども、国民の六割、七割が免疫を持つということからすると、七月の段階では高齢者の全てが二回打ち終わるということでありますので、その段階では、恐らく数千万回ということでありますから、集団免疫ということには、六割、七割ということにはならないんだろうというふうに思います。
○塩川委員 イベント開催の人数要件について、緊急事態宣言や重点措置の場合は五千人、解除された場合は一万人まで認めるということです。感染拡大のリスクを高めることになりませんか。
○西村国務大臣 緊急事態宣言については、これまでも、解除後五千人の上限が一万人になるということにしてきておりました。その後に五〇%までなりますので、五万人の会場であれば二万五千人までなるということですが、蔓延防止等重点措置の場合は、五千人の下で進めてきたものが、解除されるといきなり五〇%だけの制限になりますので、そうすると五万人の会場なら二万五千人にいきなり上がってしまうということで、過渡期的、いわば段階的に緩和をしていくという観点から一万人という基準を今回導入したものでございます。
○塩川委員 元々、この緊急事態宣言、重点措置、五千人、その元をたどれば、昨年の夏の段階で五千人という人数要件を決めたわけであります。ただ、そのときには、アルファ株、ましてやデルタ株の影響などが考慮されない、そういう段階の五千人という数字だったのではありませんか。
○西村国務大臣 その後、緊急事態宣言の下でも、例えば、この四月、五月、六月も、プロ野球、Jリーグなど、五〇%、五千人の上限でやっていただいております。
 そうした中で、スタジアムで何か感染が拡大をした、クラスターが発生したということは報告を受けておりませんし、専門家の皆さんも、この五千人で何かリスクが高い、そういった評価は聞いておりません。
 今回、一万人という、いわば厳しくしているんですけれども、いきなり五〇%になるんではなく、一万人というのを一か月程度置いてから、更に状況を見て緩和するかどうかということを判断していくということで、この一万人という判断に当たっても、専門家の皆さんから満場一致で了解をいただいたところであります。
○塩川委員 このような夏に更に人の移動を拡大するオリンピックを開催すれば、一層の感染拡大を招く懸念があります。子供の運動会や修学旅行が中止になっているのに、何でオリンピックだけ特別にやるのか、こういう国民の声にどう応えますか。
○西村国務大臣 国民の皆さんの中には、様々な御意見、御心情を持っておられると思います。私どもとして、丁寧に御説明をしながら、感染のリスクをできる限り下げていく、このことに全力を挙げて、できる限り多くの方に御理解をいただけるように取り組んでいければというふうに考えております。
○塩川委員 オリンピックだけ特別扱いなのかという声に応えているとは思えません。
 菅総理は、国民の命と健康が守れないなら五輪をやらないと述べました。
 コロナ対策担当大臣として、総理に五輪の中止を進言すべきではありませんか。
○西村国務大臣 菅総理も、先般、国会で答弁されましたとおり、国民の皆さんの命と健康を守るのが最優先ということであります。そのことが第一ということは当然であります。
 感染リスクをできるだけ下げるべく、専門家の意見もしっかりと受け止めながら、対応していきたいと考えております。
○塩川委員 終わります。