自民党が提出し、昨日に修正した政治資金規正法改正案が、今日の衆議院本会議で、自民、公明、維新の賛成多数で可決されました。
この法案は、企業・団体献金の禁止には全く触れず、脱法的な政策活動費を合法化し、収支公開を改悪させる内容です。
日本共産党、立憲民主党などが反対しました。
私は反対討論に立ち、裏金事件の当事者である自民党が真相究明に背を向けたまま提出した法案には、企業・団体献金の禁止がすっぽり抜け落ちているとして「国民の要求にこたえるものではない」と指摘しました。
裏金事件は自民党派閥の政治資金パーティー収入を原資とした組織ぐるみの違法行為。企業・団体による献金の禁止、その抜け道であるパーティー券購入の禁止が、再発防止に不可欠だと主張しました。
企業・団体献金は、本質的に政治を買収する賄賂であり、国民の権利である参政権を侵害するものだとのべ、「金権腐敗政治根絶の核心は、企業・団体献金の全面禁止だ」と強調しました。
また、「政策活動費を合法化し、温存することは重大な改悪だ」と主張。
岸田総理も、政策活動費は現行法に規定がなく、だから法定化すると述べ、合法化する法案だと認めざるを得なかったと指摘。「政策活動費はきっぱり廃止すべきだ」と主張しました。
さらに、収支報告書の要旨の作成・公表義務の削除する規定について、要旨すらなくなれば、政治資金の流れは見えなくなる。不祥事を隠蔽するものだと批判。
国民の監視を妨害する要旨作成の廃止はやめるべきだ、と主張しました。
私の反対討論(5分)は、以下のYouTubeからご覧ください。
裏金幕引き改定案/衆院通過政治資金規正法/共産党は反対
「しんぶん赤旗」6月7日・1面より
自民党が提出し、修正された政治資金規正法改定案が6日の衆院本会議で、自民、公明、日本維新の会の賛成多数で可決されました。日本共産党、立憲民主党、国民民主党などは反対しました。
私は討論で、裏金事件の当事者である自民党が真相究明に背をむけたまま提出した法案は企業・団体献金禁止が抜け落ちているとして「国民の要求に応えるものではない」と指摘。裏金事件は自民党派閥の政治資金パーティー収入を原資とした組織ぐるみの違法行為であり、企業・団体献金とその抜け道であるパー券購入の禁止が再発防止に不可欠だと主張しました。
企業・団体献金は本質的に政治を買収する賄賂であり、国民の参政権を侵害すると述べ「金権腐敗政治根絶の核心は、企業・団体献金の全面禁止だ」と強調しました。
また「政策活動費を合法化し温存することは重大な改悪だ」と強調。岸田首相も、現行法に規定がないから「法定化する」と述べ、政策活動費を合法化する法案だと認めたとして「きっぱり廃止すべきだ」と求めました。
収支報告書の要旨の作成・公表義務を削除する規定について、政治資金の流れを見えなくし、不祥事を隠蔽(いんぺい)するものだと指摘。国民監視の妨害をやめるよう主張しました。
「議事録」
第33号 令和6年6月6日(木曜日)
○塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表し、自民党提出の政治資金規正法改正案と修正案に反対の討論を行います。(拍手)
まず、法案及び修正案について、条文を吟味する時間も与えず、僅かな質疑時間、拙速な審議で採決をしたことは重大であります。民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする政治資金規正法の審議でこのような暴挙を行ったことに、強く抗議をするものであります。
裏金事件の真相を徹底解明し、再発防止の抜本改革を実現することは、今国会に課せられた重要な責務であります。ところが、当事者である自民党が真相究明に背を向けたまま提出した法案は、肝腎要の企業、団体による献金や政治資金パーティー券購入の禁止がすっぽり抜け落ちているではありませんか。到底、国民の要求に応えるものではありません。
裏金事件は、自民党派閥のパーティー収入を原資とした組織ぐるみの違法行為です。企業・団体献金を禁止し、その抜け道である企業、団体によるパーティー券購入を禁止することが再発防止に不可欠です。修正案は、パーティー券購入の公開基準を五万円超にしたと言いますが、一回当たりにすぎず、複数回に分ければ、これまでと何ら変わるものではありません。抜け道を温存するものです。
営利を目的とする企業は、金を出せば必ず見返りを期待するものであり、企業・団体献金は、本質的に政治を買収する賄賂です。選挙権を持たない企業が巨大な資金力で政治に影響力を行使し、金の力で政治をゆがめることは、国民一人一人の権利である参政権を侵害するものです。金権腐敗政治根絶の核心は、企業・団体献金の全面禁止です。企業・団体献金を聖域とする自民党案は、国民の願いを裏切るものであり、断じて認められません。
第二に、政策活動費を合法化し、温存することは、重大な改悪であります。
自民党は、政策活動費と称して、政党本部から政治家個人に巨額の資金を支出してきました。政策活動費は政党のために使う支出だと言いますが、政党の支出であれば、そのまま収支報告書に支出を記載すればよいのであります。現行法に規定がないにもかかわらず、政治家を迂回させることで支出の実態を隠そうとするものであり、収支を全て公開するという規正法の趣旨に反する脱法行為であります。
しかも、岸田総理は、政策活動費は法律に基づいて認められていると強弁する一方で、現行法に定めがないことも認め、だから今回法定化すると述べ、脱法行為を合法化する法案であることを認めざるを得ませんでした。
さらに、維新の会との合意による修正案で政策活動費の上限を定め、十年後には支出状況を公開するかのように言っていますが、提案者は、上限額も公開内容も、今後の検討で結論を得ると繰り返すだけでした。政策活動費に固執している自民党と維新で、都合のいい制度をつくろうというものであります。政策活動費はきっぱり廃止すべきです。
第三に、自民党案が収支報告書の要旨の作成、公開義務を削除したことは、規正法の柱である収支公開に逆行するものです。
収支報告書の根幹部分が記載されている要旨すらなくなれば、収支報告書の公開三年後には、政治資金の流れが全く見えなくなります。裏金事件が起きても、過去に遡って金の流れを検証し、政治的、道義的責任を明らかにすることができなくなるのであります。不祥事を隠蔽するものと言わざるを得ません。国民の不断の監視と批判の下に置くとした規正法の基本理念を貫き、収支報告書は公的に永久に残すことこそ必要です。国民の監視を妨害する要旨作成の廃止はやめるべきです。
日本共産党は、企業・団体献金、政党助成金を一切受け取らず、政治資金パーティー券購入を含む企業・団体献金禁止法案をこの三十年間、国会に提出し続けてきました。その実現に全力を挙げることを申し述べ、討論を終わります。(拍手)