【政治改革特別委員会】裏金事件再発防止にも抜本改革にもならない、政治資金規正法の自民党案/衆院の委員会で可決

 政治資金規正法改正案などの採決が行われ、自民党が提出した改定案が、自民、公明、維新の賛成多数で修正のうえ可決しました。日本共産党は、反対しました。

 自民党は、企業・団体献金の禁止に触れず、政策活動費を合法化し、収支公開に逆行するものです。

 私は、反対討論で、「裏金事件の当事者である自民党が真相究明に背を向けたままだ」と指摘し。「自民党提出の法案と修正案は、再発防止にも抜本改革にもならない」と強調しました。

 私は、自民党案で抜け落ちている企業・団体による献金や政治資金パーティー券購入の禁止こそが「再発防止に不可欠だ」と主張。「企業・団体献金は、本質的に政治を買収する賄賂」「選挙権を持たない企業が巨大な資金力で政治を歪めることは国民の参政権を侵害する」と主張しました。

 私は、現行法に規定がない政策活動費は「規正法の趣旨に反する脱法行為だ」と指摘。自民案は「政策活動費を新たに法定化し、堂々とやれるようにしようというものだ」と批判。さらに、修正案に盛り込まれた10年後公開の検討は「政策活動費に固執している自民と維新で都合がいい制度をつくろうというものだ。政策活動費の合法化、温存は認められない」と強調しました。

 また、自民党案が収支報告書の要旨の作成・公開義務を削除したことは、規正法の柱である「収支公開」に逆行するものだと指摘。「過去の不祥事を隠蔽するもの」と批判し、要旨作成の廃止はやめるべきだと主張しました。


衆院特委/規正法改定案を可決/企業・団体献金も政策活動費も温存/共産党反対「抜本改革できず」

「しんぶん赤旗」6月6日・1面より

 自民党が提出した政治資金規正法改定案は5日の衆院政治改革特別委員会で、自民、公明と日本維新の会の3党の賛成多数で修正のうえ可決しました。自民党の改定案は、企業・団体献金の禁止に触れず、政策活動費を合法化し、収支公開に逆行するもの。日本共産党と立憲民主党などは反対しました。

 私は反対討論で「裏金事件の当事者である自民党が真相究明に背を向けたままだ」と指摘し、「自民党提出の法案と修正案は、再発防止にも抜本改革にもならない」と強調しました。

 私は、自民案で抜け落ちている企業・団体による献金や政治資金パーティー券購入の禁止こそが「再発防止に不可欠だ」と主張。「企業・団体による献金は、本質的に政治を買収する賄賂だ」「選挙権を持たない企業が巨大な資金力で政治をゆがめることは、国民の参政権を侵害する」と批判しました。

 私は、現行法に規定がない政策活動費は「規正法の趣旨に反する脱法行為だ」と指摘。自民案は「政策活動費を新たに法定化し、堂々とやれるようにしようというものだ」と批判し、修正案に盛り込まれた10年後の公開の検討についても「政策活動費に固執している自民党と維新で都合のいい制度をつくろうというものだ。政策活動費の合法化、温存は認められない」と強調しました。

 自民案で政治資金収支報告書の要旨の作成・公開義務を削除したのは、規正法の柱である「収支公開」に逆行すると指摘。「過去の不祥事を隠ぺいするものだ」と批判しました。


「議事録」

第213回通常国会 令和6年6月5日(水曜日) 政治改革に関する特別委員会 第8号

○塩川委員 日本共産党を代表し、政治資金規正法に関する四法案と修正案の討論を行います。

 まず、法案及び修正案の条文を吟味する時間も与えず、僅かな審議時間、拙速な審議で採決することに断固抗議をするものです。

 裏金事件の当事者である自民党は、真相究明に背を向けたままであり、自民党提出の法案と修正案は、再発防止にも抜本改革にもなりません。

 第一に、肝腎要の企業、団体による献金や政治資金パーティー券購入の禁止がすっぽり抜け落ちています。

 裏金事件は、自民党派閥のパーティー収入を原資とした組織ぐるみの違法行為です。企業・団体献金の禁止、抜け道であるパーティー券購入も禁止することが再発防止に不可欠です。修正案は、パーティー券購入の公開基準を五万円超としていますが、複数回に分ければ、これまで同様に非公開で購入できます。抜け道を温存するものです。

 企業・団体献金は、本質的に政治を買収する賄賂です。選挙権を持たない企業が巨大な資金力で政治をゆがめることは、国民一人一人の権利である参政権を侵害するものです。企業・団体献金を聖域とする自民党案は、国民の願いに反するものであり、認められません。

 第二に、現行法に規定がない政策活動費は、政治家を迂回させることで支出の目的を明らかにしないものであり、規正法の趣旨に反する脱法行為であります。

 自民党案は、政策活動費を新たに法定化し、堂々とやれるようにしようというものです。

 さらに、修正案で政策活動費の上限を定め、十年後には領収書等を公開するかのように言っていますが、上限額も内容も、提案者は今後の検討で結論を得ると繰り返すだけで、政策活動費に固執している自民党と維新で都合のいい制度をつくろうというものです。

 政策活動費の合法化、温存は認められません。きっぱり廃止すべきです。

 第三に、自民党案が収支報告書の要旨の作成、公開義務を削除したことは、規正法の柱である収支公開に逆行するものです。収支報告書の根幹部分が記載されている要旨すらなくなれば、収支報告書の公開三年後には、政治資金の流れが全く見えなくなります。過去の不祥事を隠蔽するものと言わざるを得ません。国民の不断の監視と批判の下に置くとした規正法の基本理念を貫き、収支報告書は公的に永久に残すことこそ必要です。国民の監視を妨害する要旨作成の廃止はやめるべきです。

 このほか、お墨つきを与えるだけの政治資金監査制度の拡大や政党助成金を利用した法違反のペナルティー制度の創設の検討、第三者機関へのルール作りの丸投げの検討など、看過できない規定が盛り込まれています。

 立憲、国民、有志案も同様の理由から反対です。立憲のパーティー開催禁止法案も賛同できません。立憲の企業・団体献金禁止法案は賛成をするものです。

 日本共産党は、企業・団体献金、政党助成金を一切受け取らず、政治資金パーティー券購入を含む企業・団体献金禁止法案をこの三十年間、国会に提出し続けてきました。その実現に全力を挙げることを申し述べ、討論を終わります。(拍手)