私は、自民党の政治資金規正法改定案は、外資系企業のパーティー券購入を温存し、「公開方法工夫支出」を監査するとしている第三者機関「政治資金委員会」に公開のルールがないとただしました。
私は、自民党案が外国人・外国法人等によるパーティー券購入禁止を掲げながら「日本法人で5年以上上場している外資系企業」は、禁止の対象から外し、2006年の法改悪で献金可能とした、この外資系企業を、今回「特例上場法人」と規定し、温存していると追及しました。
自民党提案者の国光あやの議員は、厳しい上場審査基準が課せられており、市場の監査が徹底していると主張。日本の政治や選挙が外国人の勢力によって影響を受けることを未然に防止するとしている政治資金規正法の「趣旨に反しない」として温存を正当化しました。
私は「献金の是非という国民の参政権にかかわる問題を上場基準、市場のルールに任せてよいのか。上場基準は免許を受けた民間企業である証券会社が市場の運営化の観点から定めたものに過ぎない」と批判。「それがなぜ外国からの影響力排除の担保になるのか」と迫ると、国光議員は同様の答弁を繰り替えすだけで質問に答えられませんでした。
私は、「外国人からの献金禁止規定は質的規制の根幹をなすもので、外国人勢力によって影響と受けることを未然に防止するとしてきた国家主権に関わる原則を変えたことは重大だ」と厳しく批判しました。
また、私が「政治資金委員会」に提出された「公開方法工夫支出」の領収書等の写しが公開される仕組みがあるのかと迫ると、自民党提案者の長谷川淳二議員は、「新たにルールを定める」と答弁。
私は、現状、情報公開のルールが整備されていない国会に第三者機関を置くことになると指摘すると、長谷川議員は、領収書等の写しの公開は「想定されていない」と認めました。
さらに、政治資金委員会の議事録の公開も「委員会が判断したものは控える」と答弁。政治資金委員会には公開のルールが規定されていないことが明らかになりました。
外資企業パー券購入温存 「参政権に関わる問題」/衆院特別委/塩川議員が追及
日本共産党の塩川鉄也国対委員長は16日、衆院政治改革特別委員会で、自民党の政治資金規正法改定案は、外資系企業のパーティー券購入を温存し、「公開方法工夫支出」を監査するとされる第三者機関「政治資金委員会」にも公開のルールがないとただしました。
塩川氏は、自民党案が外国人・外国法人等によるパーティー券購入禁止を掲げながら「日本法人で5年以上上場している外資系企業」は禁止の対象から外し、2006年の法改悪で献金可能とした、この外資系企業を、今回「特例上場法人」と規定し、禁止の対象外にして温存していると追及しました。
自民党の国光あやの議員は、厳しい上場審査基準が課せられており、市場の監査が徹底していると主張。日本の政治や選挙が外国人の勢力によって影響を受けることを未然に防止するとする政治資金規正法の「趣旨に反しない」として温存を正当化しました。
塩川氏は「献金の是非という国民の参政権に関わる問題を上場基準、市場のルールに任せてよいのか。上場基準は免許を受けた民間企業である証券取引所が市場運営の観点から定めたものにすぎない」と反論。「それがなぜ外国からの影響力排除の担保になるのか」と迫ると、国光氏は上場基準があると繰り返すだけで質問に答えられませんでした。
塩川氏は、「外国人からの献金禁止規定は質的規制の根幹をなすもので、外国人勢力によって影響を受けることを未然に防止するとしてきた国家主権に関わる原則を変えたことはきわめて重大だ」と厳しく批判しました。
「政治資金委員会」に提出された「公開方法工夫支出」の領収書等の写しが公開される仕組みがあるのかと迫ると、自民党の長谷川淳二議員は「新たにルールを定める」と答弁。塩川氏が、現状、情報公開のルールが整備されていない国会に第三者機関を置くことになると指摘すると、長谷川氏は、領収書等の写しの公開は「想定されていない」と認めました。
さらに長谷川氏は同委員会の議事録の公開も「委員会が判断したものは控える」と答弁。同委員会には公開のルールが規定されていないことが明らかになりました。
「議事録」
第216回臨時国会 令和6年12月16日(月曜日)政治改革に関する特別委員会 第6号
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
最初に、自民党提出者にお尋ねいたします。公開方法工夫支出、政治資金委員会についてであります。
政治資金規正法では、収支報告書の提出に当たって、経費の支出を受けた者の氏名、住所、目的、金額、年月日を報告書に記載することになっておりますが、この公開方法工夫支出については、氏名、住所、年月日の日付は書かなくてもよい、こういう仕組みと承知をしておりますが、よろしいでしょうか。
○長谷川(淳)議員 お答えをいたします。
公開方法工夫支出の記載事項ということでございます。
国の安全・外交上の秘密や法人等の業務秘密、個人の権利利益を侵害するおそれがあるものとして政治資金委員会に監査の上認定された公開方法工夫支出につきましては、まず、支出の相手方の氏名、住所、支出日の全部又は一部、これが法人等業務秘密関連支出と安全・外交秘密について、そして個人権利利益関連支出としては氏名、住所、支出日について記載を要しないということでございます。
○塩川委員 収支報告書に記載される事項の一部について、それを記載しなくてもよいというスキームであります。
次に、公開方法工夫支出については支出額の上限の規制はないということでよろしいでしょうか。
○長谷川(淳)議員 公開方法工夫支出の支出の上限についてでございます。
公開方法工夫支出は、その支出の性質ですとか相手方の事情等を踏まえまして一定の工夫を必要とするものとして、やはりその支出の性質や相手方の事情等に左右、影響されますことから、あらかじめその規模についてどの程度なものとなるかは想定していないところでございます。
したがいまして、あらかじめどの程度か見込むことができない経費でありますことから、さらには政治資金委員会による支出の適正を担保する仕組みも設けておる以上、あえて公開方法工夫支出の年間の上限額を設ける必要はないものという整理をさせていただきました。
○塩川委員 年間の上限額を設けることは考えていないということです。
次に、公開方法工夫支出については、総務省に領収書等の写しを提出しなくてもよいということでよろしいでしょうか。
○長谷川(淳)議員 お答えいたします。
政党本部の会計責任者は、公開方法工夫支出である旨を記載した収支報告書を提出するときは、収支報告書の提出期限までに領収書等の写し等を政治資金委員会に提出して、その監査を受けなければならないこととしております。
○塩川委員 総務大臣ではなく政治資金委員会に提出をするということです。
このように、政治資金収支報告書の記載事項の一部について書かなくてもよい、支出額の上限の規制もない、また、総務大臣に対して領収書等の写しを提出しなくてもよいということになりますと、政治資金規正法第一条で定めております、政党、政治家の政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われる、この立場での政治資金の収支の公開に反するものになるのではないのか。公開方法工夫支出は、この公開の原則を破り、穴を空けるものになるのではありませんか。
○長谷川(淳)議員 お答えいたします。
そもそも、政治資金規正法が定める収支公開においては、収入、支出について一定額以上のものを公開する、あるいは項目ごとに支出の公開の対象が異なるなど、全ての収入、支出が一律に公開の対象となっているものではございません。
その上で、委員御指摘の公開方法工夫支出につきましても、その支出の相手方の氏名、住所及び支出日の全部又は一部が収支報告書に記載されて公開されてしまうと、国の安全・外交上の秘密、法人等の業務秘密、個人の権利利益を侵害するおそれがありますことから、その公開方法に関しては他の支出と異なる工夫を行うものでございまして、この点をもって、違う扱いをするのではないかという御指摘は当たらないのではないかと思います。
その上で、公開方法工夫支出につきましては、領収書の写し等を政治資金委員会に提出し、その監査を受けることによりまして、公開方法工夫支出の適正も担保しているところでございます。
○塩川委員 公開方法工夫支出というのは、政治資金の収支公開、その原則を掲げた政治資金規正法の中で特別扱いをする、そういう点でもダブルスタンダードを持ち込むことになる、この点が極めて重大だと言わなければなりません。
その上で、政治資金委員会においての公開の問題がどうなるのかということであります。この政治資金委員会について、公開方法工夫支出に当たって、収支報告書に記載、公表されなかった氏名、住所、年月日の日付については、政治資金委員会において公開するルールというのがあるんでしょうか。
○長谷川(淳)議員 お答えいたします。
政治資金委員会は、国会に置かれる機関として法制度上設計をしております。
したがいまして、情報公開法、行政機関の保有する情報の公開に関する法律の規定は適用されないということでございますので、新たに政治資金委員会として情報公開に関するルールを設けることが想定されているところでございます。
○塩川委員 現状では公開のルールはないということでよろしいですね。
○長谷川(淳)議員 現状においては、新たな政治資金委員会の制度をつくることによりますので、情報公開に関するルールを今後設けることが考えられるところでございます。
○塩川委員 つまり、この法案では、政治資金委員会に提出された領収書等の写しも公開をするという仕組みは入っていないということでよろしいですか。
○長谷川(淳)議員 お答えをいたします。
公開方法工夫支出の領収書につきましてでございます。新たに政治資金委員会の設置や公開方法工夫支出の監査に関するルールを定めることに伴いまして、政治資金規正法に基づく領収書等の写しの公開ルール、これは、現在、行政側、総務省の方で実施している公開ルールも参照しつつ、新たに公開ルールを定めることになることと想定しております。
したがいまして、同じ行政文書としての扱いであれば、先般も御答弁させていただきましたとおり、もし同じ行政文書としての公開ルールが整備されるとしたら、領収書等については総務省の収支公開室と同じスキームで公開されることとなるというふうに認識をしております。
○塩川委員 ならばということで、現状は何もないということであります。
その点で、昨日お答えいただいた点で、長谷川委員が、現状の国会の保存する文書における情報公開はいわゆる行政機関の保存する情報公開と同じ取扱いになっている、国会の情報公開は行政機関の情報公開と同じ取扱いになっていると答弁されましたが、これは間違いじゃありませんか。
○長谷川(淳)議員 せんだっての私の答弁につきまして、国会における保存文書は、議院行政文書と立法調査文書、両者ございます。
私が申し上げたのは、総務省が保存している行政文書としての領収書等、これは国会における議院行政文書に相当するものであろうということで、これにつきましては、同じような仕組みが設けられれば、領収書が同じような仕組み、マスキング等をされた上で公開されるというふうな認識を述べたものでございます。
ただ、委員御指摘だと思いますけれども、立法調査文書につきましては、そもそも開示制度の対象外でございます。これは行政文書とは違う範疇のものでございます。私は、そこまで想定して申し上げたものではございません。あくまでも行政文書類似のものは国会においても同じルールで公開をされていたので、領収書等においてもそのルールが整備されれば同じような形で、マスキングされた形で開示されるのではないか、それを想定していると申し上げたところでございます。
○塩川委員 立法調査文書について、公開の対象外となっているという点について触れられなかったという点、その点では答弁に不備があったと。
○長谷川(淳)議員 御指摘のとおり、立法調査情報は今私どもが提案している委員会の情報公開における領収書等とは全く性質が違うものでございますので言及はしなかったところでございますが、立法調査情報に関する公開の在り方は議運等で協議すべき事項でございます。したがいまして、情報公開の対象とならないという点を私が詳細に指摘しなかったところは、御指摘のとおりでございます。
○塩川委員 議運で協議するということでいえば、政治資金委員会の下におけるルール作りというのも合同協議会を含めて議運の下にあるということにもなりますので、それが実際どうなるのかというのは国会サイドの話になってくるということですよね。
その場合に、今二つの文書の話がありましたけれども、議院行政文書というのは、議会事務局、衆議院の事務局の人事ですとか予算や設備等についての庶務的、管理的な事務に関する文書ということになります。これ自身は、行政府の行政文書と同等の情報公開のルールを作って行っているところでありますけれども。
お話にもありました議員や政党活動に係る立法調査文書、この立法調査文書というのは、立法や国政調査を始めとする衆議院の有する様々な権能や活動に関する文書ということで、これについては議院行政文書の対象外で情報公開のルールがないといったことを踏まえると、実際にこの後、政治資金委員会で取り扱った領収書等の写しの公開の問題などについても、国会議員が関わるような文書について情報公開のルールがない、私はそれを作れとこの間ずっと要求しているわけですけれども、例えば、衆議院法制局の文書などはまさに情報公開の対象外になっているんですよ。こういう問題についてきちんと明らかにしていくということが、立法過程を明らかにしていく上でも必要なことなんだと。
ただ、その議論というのが残念ながら進んでいないといったときに、率直に言って、議員に係る資料、情報、ここでいえば領収書の問題などがどんな扱いになるのかというのが非常に不透明じゃないのかと。領収書公開の担保があるんだろうかと率直に思うんですが、いかがでしょうか。
○長谷川(淳)議員 お答えいたします。
行政機関が保有する情報でありましたら情報公開法の適用がございます。それに対して、国会が保存する文書につきましては情報公開法の適用がない。それにつきましては両議院がルールを定めるということで、現行、議院行政文書につきましては開示の対象となり、一方で立法調査文書については対象外ということでございます。
これはいずれにしても国会における情報公開の在り方に関することでございますので、今回、政治資金委員会をつくった暁に、領収書等の公開につきましても両議院の協議によってルールが定められるというものでございまして、その点は情報公開法があることとのアナロジーで先ほど、済みません、同じ性質の文書であればルールが整備されるのではないかと申し上げましたけれども、おっしゃるように、正確にはやはり両議院の協議によってルールが作られるというものでございます。
○塩川委員 ですから、政治資金委員会に出された領収書等の写しが公開をされるということは、この法律上は担保されていないということでよろしいですか。
○長谷川(淳)議員 もちろん、提案者といたしまして、あくまでも国会が保存する文書の公開につきましては両議院が協議をすることでございますので、その点は、想定をしていないというよりは、私どもの期待としては、先ほど来申しているように、行政文書と同じような形で公開されることになることは想定していると申し上げておりますけれども、これは最終的には両議院でお決めになることでございますので、そういう意味では想定されていないということではあるとは思います。
○塩川委員 領収書等の写しについての公開は想定されていないということでありますので、そういう意味でいいますと、まさに、政治資金規正法で公開をもって国民の不断の監視と批判の下に置く、そういうスキームから外されているという仕組みにならざるを得ないという点でも、極めて懸念を持つところということは指摘しなければなりません。
それから、政治資金委員会は、先ほどもちょっと議論がありましたが、国会事故調の委員会法と同様の規定と承知しておるんですけれども、それを参考にしてつくっているというのでよろしいんでしょうか。
○長谷川(淳)議員 国会における公正中立な委員会としての制度として、国会事故調も参考にしたことは事実でございます。
○塩川委員 拝見しても、条文的にはスライドするような形での記載だろうなと思っておりますけれども、国会事故調の法律におきましては利害関係者との接触等の報告を委員に対して求めるとか会議の公開の原則、会議の公開が盛り込まれているんですが、今回の政治資金委員会の法案にはこのような利害関係者との接触等の報告や会議の公開が盛り込まれておりません。それはなぜなんでしょうか。
○長谷川(淳)議員 お答えいたします。
委員御指摘の国会事故調における利害関係者との接触の報告の対象、原子力事業者、一定の一般職国家公務員又は一定の特別職国家公務員と接触した際の報告義務を定めたものが国会事故調の方の法律には盛り込まれているところでございます。
一方、私どもの政治資金委員会には、接触の報告義務については盛り込んでいないところでございます。それは、国会事故調における接触報告制度は、この事故調が一年の時限立法であり、当時の原子力行政において、いわゆる原子力村の中でアクセルとブレーキが一体化して、ブレーキが適切に利かなかったということを背景とした特有の事情によるものでございます。
そして、公開につきましても、事故調においては公開を原則としているところでございますけれども、政治資金委員会の監査におきましては、公開方法工夫支出に該当するか否かの監査を行う点にございます。したがいまして、公開になじまないものとして、公開の規定は設けていないところでございます。
○塩川委員 政治資金委員会の会議録もあるんですけれども、議員に提供するということなんですが、特に秘密を要するものと委員会で決議した部分についてはこの限りでないと規定しております。そういう点でも事故調の会議録の基本公表との違いもあるわけで、会議録全体の公開というのは行わないんでしょうか。
○長谷川(淳)議員 お答えいたします。
政治資金委員会の議事録は、電磁的記録の提供その他適当な方法により各議院の議員に提供するということを委員会法に規定させていただいています。
ただ、公開方法工夫支出の監査という事務の性質上、御指摘のあったとおり、特に秘密を要するものとして委員会で決議した部分につきましては、議事録を提供するということは省くという取扱いをさせていただいております。
○塩川委員 ですから、会議録全体を公開するというスキームは入っていないということですね。
○長谷川(淳)議員 公開方法工夫支出の監査の性質上、秘密を要するものとして委員会が判断したものについては、議事録として公開することは差し控えるという扱いにしております。
○塩川委員 将来的にも公開はしないということなんでしょうか。
○長谷川(淳)議員 将来的な公開につきましては、政治資金委員会の議事録の公開のルールの在り方として今後検討されるべきものと考えておりますが、ただ、事柄の性質上、やはり公開しないという取扱いを続けることも想定しているところでございます。
○塩川委員 これまで確認してきましたけれども、私も国会の情報公開のルール整備が強く求められると思っております。しかし、現状で情報公開のルールの定めがない国会において政治資金を取り扱うんじゃなくて、やはり規正法に基づき公開して、国民の不断の監視と批判の下に置くことこそ必要ではないのか。その点、お答えください。
○長谷川(淳)議員 お答えいたします。
私どもが提案させていただいています公開方法工夫支出につきましては、御指摘の政治資金規正法に基づく公開による不断の批判と監視の下に適正化を図る、その大原則の下に、国の安全や外交上の秘密あるいは法人や個人の権利利益に関するものにつきまして、支障が生じるものについて一部工夫をする上で公開するという制度でございます。
政治資金規正法の趣旨にのっとり、かつ個人のプライバシー等を配慮した中での調和を図った上での制度として提案させていただいています。
○塩川委員 結局、政治資金委員会のチェックを受けたというお墨つきの仕組みということを言わざるを得ません。元々、登録人監査制度の問題は先日も質問したところですけれども、政治資金は、政治団体がその収支を公開し、国民の不断の監視と批判の下に置き、国民の判断に委ねることが基本であって、収支はそのまま速やかに公表すればいいのであって、政治資金委員会は必要がない、その前提としての公開方法工夫支出も必要ないということを申し上げておきます。
若干前後して、外国人等によるパーティー券の支払い禁止についてお尋ねをいたします。外国人、外国法人等によるパーティー券購入の禁止としながら、五年以上上場している外資系企業は対象外としております。二〇〇六年の法改定で献金可能とした日本法人で五年以上上場している外資系企業を、今回、特例上場法人と規定しているようですけれども、これを温存するのはなぜなんでしょうか。
○国光議員 お答えいたします。
元々、特例上場日本法人による政治活動に関する寄附が許されていますのは、上場会社については三つ要件がございまして、所有と経営が分離されていること、株主数等に関して厳しい上場審査基準が課せられていること、そして株主の状況について厳しい市場の監視が徹底していること等から、我が国の政治や選挙が外国人の勢力によって影響を受けることを未然に防止するという二十二条の五第一項の趣旨に反しないことになるということを承知しております。
この趣旨を踏まえまして、今回、特例上場日本法人による政治資金パーティーの対価支払いを受けることについても禁止しないということにしております。
○塩川委員 今お話しされたような基準とかルールというのは、市場のルールの話ですよね。所有と経営の分離ですとか上場についての基準についてですとか市場の監視ということですけれども、あくまでも市場のルールの話であって、要するに政治資金の在り方の話ではないわけです。ですから、財務諸表などを公開し上場基準を満たしている企業であるから外国からの影響を受けることにはならないという説明なわけですけれども、献金の是非という国民の参政権に関わる問題を上場企業に委ねること自体が問題があるんじゃないですか。
○国光議員 お答えいたします。
委員の御指摘の点でありますけれども、再び申し上げますと、今回、上場会社については三つの要件、所有と経営が分離していることや株主数等に関する厳しい上場基準が課せられていること、そして厳しい市場の監視が徹底されていること等を鑑みまして、今回の法案におきましても、この基準を参考にして踏まえていくということを考えております。
○塩川委員 いや、国民の参政権に関わる問題をこんな上場基準、市場のルールに任せてよいのかという話なんですよ。市場のルールでやっていますという答弁でしかないので、国民の参政権に関わる問題を何で市場のルールに委ねるんですか。お答えください。
○国光議員 お答えいたします。
今回、上場企業については元々、今申し上げたような非常に厳しい基準を設けているということが実質的な規制になるということを私どもは考えておりまして、今回この法案を提出させていただいたところでございます。
○塩川委員 答えていませんよ。
上場基準というのは、免許を受けた民間企業である証券取引所が市場運営の観点から定めたものにすぎません。それが何で、参政権に関わる問題、特にここで言っている外国からの影響力排除にとってどんな担保になるんですか。
○国光議員 お答え申し上げます。
繰り返しになり恐縮でございますけれども、そのような懸念はあるかもしれませんが、今回、元々、特例上場日本法人による政治活動に関する寄附が許されているのは非常に厳しい基準に基づくものでありますので、それに基づいて今回の法案は提出させていただいているということでございます。
○塩川委員 だから、市場のルールでいいのかという話を繰り返して聞いているのにお答えがないわけですよ。だって、参政権に関わる問題なんですよ。まさに基本的人権に関わる問題を何で市場のルールでオーケーと言えるんですか。
○小泉(進)議員 塩川先生とは連日御議論させていただいていますので、塩川先生の御主張は私なりに受け止めているつもりです。
今日の質問の前提として、塩川委員の考えている、そもそも参政権のない企業が政治資金パーティー、これをいわば塩川先生の言葉で言うと、形を変えた企業・団体献金じゃないかという御指摘があるわけですよね。その中で、今回のこの質問の御指摘になっているとは思いますが。
そこは我々とは立場が違うのは、参政権が企業にないから企業が企業・団体献金を政党また政治家に対してすることはおかしいという立場には立っていないわけですね。我々としては、企業、また労働組合、そして御党のような機関紙によって党が成り立っている、それぞれの政党の違いがありますので、大事なことは、そういったことも含めた公開をしっかりと国民の皆さんにしていって、国民の皆さんの信頼にかなう政治の在り方を追求していくという考え方に立っております。
○塩川委員 私が聞きたいのは、献金の是非の話を聞いているわけで、それを上場基準に委ねていいのかと。つまり、外国からの影響力の問題について、それを上場基準に委ねるということでいいのかということを聞いているんですよ。
○小泉(進)議員 今回、上場基準に委ねているというふうにおっしゃいますけれども、今まで、外国人、外国法人によるパーティー券の購入の問題というのはこのように各党で議論をしていなかったわけですよね。今回、これは国民民主党さんもそうですし、我々も禁止ということに一致をしている、党を超えた理解も出てきました。
そういった中の制度設計の中で、塩川先生がおっしゃるような新たな制度に対する様々な御指摘はあろうことかと思いますけれども、少しでも前進をさせるべく、より公平公正な選挙に対する、また我々の活動に対する理解が深まっていくような努力はこれからも必要だと考えております。
○塩川委員 新たな制度への懸念ではなくて、現行ずっと、二十年近くやっている仕組みについて、それでいいのかということを聞いている話であって。
元々これが導入されたきっかけを振り返れば、外国人からの献金禁止規定というのは質的規制の根幹を成すものであって、これまで外国人勢力によって影響を受けることを未然に防止するとしてきた国家主権に関わる原則を百八十度転換するものだ。そのきっかけが、日本経団連会長企業が外資系企業のキヤノンになった、御手洗氏に会長が交代したことを受けて、その献金を期待し、根本原則を変えたことが極めて重大だ。
この点についても一層しっかりとした議論を重ねていくということが強く求められることを申し上げて、質問を終わります。