私はそもそも今回の裏金事件は公党である自民党ぐるみの問題であり、90年代の規正法改定当事の「公党ならば大丈夫」との主張は「成り立たない事態だ」と指摘しました。
さらに90年代の改定で、政党・政治資金団体に限り企業・団体献金をうけられるよう、献金の受領者は政治家個人を禁止し、政党に限定しました。こうした改定の理由を私に問われた小泉進次郎議員は「選挙や政治活動を(政治家個人ではなく)政策・政党本位にするという考えだ」と答弁しました。
これに対し私は、リクルート事件や佐川急便事件などの金権腐敗汚職事件を一掃してほしいという国民の声を受けた改定だと指摘。そのうえで、自民党は当時「政治家個人であれば企業との癒着が問われるが、公党であればお金に左右されることはない」などとしたが、「『政党支部への献金』という形で、政党支部の支部長である政治家個人が多額の献金を受け取れる抜け道を作ったことが問題だ」と述べ、この抜け道をふさがなければならないと主張。政治資金規正法の企業・団体献金の規制の経緯を振り返り、自民党と企業との癒着の歴史と実態を追及しました。私は、政府の審議会においても繰り返し「企業・団体献金の禁止」「政治資金は個人献金に限る」と答申してきたことに触れ、政治資金規正法は1948年の制定以来、企業と自民党のさまざまな贈収賄事件を受け、献金に「量的規制と質的規制」を加えてきたと指摘。75年の改正では、補助金等を受けている会社や赤字会社、外国法人等からの献金を禁止し、献金額の上限を規定しました。
私は「規制措置の積み重ねが企業・団体献金による腐敗と癒着の実態を示している」と強調。企業・団体献金の全面禁止に向かうことが必要だと述べ、「企業献金は禁止せず透明性を高める」という自民党の主張を批判しました。
90年代の「改革」成り立たず/衆院政治改革特/塩川議員が指摘
日本共産党の塩川鉄也国対委員長は17日、衆院政治改革特別委員会で、そもそも今回の裏金事件は公党である自民党ぐるみの問題であり、1990年代の政治資金規正法改定当時の自民党の「公党ならば大丈夫」との主張は「成り立たない事態だ」と指摘しました。
90年代の改定では、政党・政治資金団体に限り企業・団体献金を受けられるようにし、政治家個人への献金を禁止。こうした改定の理由を塩川氏に問われた小泉進次郎議員は「選挙や政治活動を(政治家個人ではなく)政策・政党本位にするという考えだ」と答弁しました。
これに対し塩川氏は、リクルート事件や佐川急便事件などの金権腐敗汚職事件を一掃してほしいという国民の声を受けた改定だと指摘。その上で、自民党は当時「政治家個人であれば企業との癒着が問われるが、公党であればお金に左右されることはない」などとしたが、「『政党支部への献金』という形で、政党支部の支部長である政治家個人が多額の献金を受け取れる抜け道をつくったことが問題だ」と述べ、この抜け道をふさがなければならないと主張しました。
塩川氏は、政治資金規正法の企業・団体献金の規制の経緯を振り返り、自民党と企業との癒着の歴史と実態を追及しました。政府の審議会においても繰り返し「企業・団体献金の禁止」「政治資金は個人献金に限る」と答申してきたことに触れ、政治資金規正法は48年の制定以来、企業と自民党のさまざまな贈収賄事件を受け、献金に「量的規制と質的規制」を加えてきたと指摘。75年の改正では、補助金等を受けている会社や赤字会社、外国法人等からの献金を禁止し、献金額の上限を規定しました。
塩川氏は「規制措置の積み重ねが企業・団体献金による腐敗と癒着の実態を示している」と強調。企業・団体献金の全面禁止に向かうことが必要だと述べ、「企業献金は禁止せず透明性を高める」という自民党の主張を批判しました。
「議事録」
第216回臨時国会 令和6年12月17日(火曜日)政治改革に関する特別委員会 第7号
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
最初に、今日は政治資金規正法の企業・団体献金の規制に係る歴史的な経緯について確認をしたいと思っております。
自民党の提出者に伺います。
政治資金規正法は、一つは、政治資金の収支の国民への公開の徹底を図るということと、もう一つに、政治資金の授受の制限措置が置かれております。この二つ目の点について、企業・団体献金に対する制限措置として、献金先の制限、献金の量的制限、献金の質的制限というのが行われてきたところであります。
一九四八年に政治資金規正法を制定して以降、企業・団体献金の規制に関しどのような法改正が行われてきたか。
戦後、昭和電工事件や造船疑獄などがあり、一九六一年、当時の池田勇人総理の諮問を受けて、第一次選挙制度審議会は、会社、労働組合その他の団体が選挙又は政治活動に関し、寄附をすることは禁止すべきものであると答申をしております。
六三年の二次審においても、選挙資金及び政治資金についての寄附は個人に限る、会社、労働組合その他の団体からの寄附は禁止するという第一次審議会の答申を再確認するものとすると答申をしております。
さらに、黒い霧事件もあって、六七年の五次審では、政党はおおむね五か年を目途として個人献金と党費によりその運営を行うと答申をしております。ようやく企業・団体献金に量的規制や質的規制が盛り込まれたのが、七五年の改正であります。
そこでお尋ねしますが、この一九七五年の法改正で、企業・団体献金に対し、補助金等を受けている会社や赤字会社や外国法人等からの献金禁止などの質的制限を加えた、その理由は何でしょうか。
○小泉(進)議員 今回、私、衆法第六号の提案者としてこの場にいますので、今御指摘の一九七五年、昭和五十年の法案の趣旨を詳細に御答弁する立場にはありませんが、今の質的制限ということについて言えば、質的制限を含め政治資金の授受に関する規制については、政治献金に節度を持たせようとするものであるとされていると承知をしております。
○塩川委員 節度を持たせるものであるということですが、この逐条解説は皆さんも御承知のところだと思いますけれども、政治資金規正法の逐条解説におきましては、補助金等や出資等を受けていることにより国又は地方公共団体と特別な関係に立っており、その特別な関係を維持又は強固にすることを目的として不明朗な政治活動に関する寄附がなされるおそれがあるので、それを防止しようとするものだとし、また、株主に対する利益配当もできないという経営状態にあるにもかかわらず、政治活動に関する寄附をすることを許容するのは適当でないこと。過去の事例から見て、このような赤字会社が寄附を行うことについては疑惑がつきまといがちなこと等の理由により、不明朗な寄附がなされることを未然に防止をする。さらには、我が国の政治や選挙が外国人や外国の組織、外国の政府など外国の勢力によって影響を受けることを未然に防止しようという趣旨。
このように、企業・団体献金が、不明朗な政治活動につながるおそれがあり、疑惑がつきまとう、さらには外国勢力などの影響を受けることについて未然に防止をする、こういった措置として質的制限が行われた、それが理由だった、その点は否定されませんね。
○小泉(進)議員 今丁寧に塩川先生が御説明されたことを端的にお答えをすると、先ほど私が御説明をさせていただいたとおり、政治資金の授受に関する規制については、政治献金に節度を持たせようとするものであるという私の答弁も、あながち、先ほどの御丁寧な解説ともそこまでそごはないものかなと思っております。
○塩川委員 否定をされませんでした。
不明朗な政治活動につながるおそれがある、疑惑がつきまとう、こういうところに質的制限の理由、こういった法的措置を取る、今まで許されていたものを法的に規制をするということが行われてきたのが、この歴史の経緯の一つであります。
また、この一九七五年の法改正では、企業・団体献金に上限を設ける量的制限を加えておりますが、その理由は何でしょうか。
○小泉(進)議員 これも、衆法第六号の提案者としていますので、一九七五年の法案の趣旨を詳細に御答弁する立場にはありません。
なお、今の御指摘の量的制限を含め、政治資金の授受に関する規制については、同じく政治献金に節度を持たせようとするものであるとされていると承知をしております。
○塩川委員 これまでも企業・団体献金でいろいろ議論してきたのに、この辺になるとお答えできないような趣旨というのは、率直に言って、いかがかなと思いました。
節度の話をされましたけれども、同様に逐条解説を見ますと、巨額の政治資金の授受が政治の腐敗、癒着に結びつきやすいことから、このような量的制限を図るとしております。この巨額の企業・団体献金が政治の腐敗や癒着に結びつきやすいというのが理由だったわけであります。
その後、ロッキード事件やリクルート事件があり、九〇年の第八次審でも、将来の姿としては、政党の政治資金も個人の拠出により支えられるようになることが望ましいと答申をしております。
そこでお尋ねしますが、一九九四年の法改正は、政治、政党資金団体、資金管理団体以外への企業・団体献金を禁止をいたしました。このように、企業・団体献金の受領者、献金先を制限した理由は何でしょうか。
○小泉(進)議員 これも、今歴史的経緯をたどっておりますけれども、衆法第六号の提案者としてこの場にいますので、一九九四年の法案の趣旨を詳細に御答弁する立場にはありません。
今御指摘の点については、端的にお答えをすると、選挙や政治活動が、政策本位、政党本位という方向にしていこう、こういった考え方の下だと考えております。
○塩川委員 個人ではなく政策本位、政党本位ということでしょうかね。
○小泉(進)議員 今申し上げたとおり、政党本位の選挙制度、政治活動、こういった形にしていかなければならないという考えの下でなっていると思います。
○塩川委員 個人でなく政党本位にするというその趣旨はどのように受け止めておられますか。
○小泉(進)議員 政党本位にする趣旨でありますか。その当時、九四年、まさに総総合意といったこともありますけれども、やはり、一連の様々な事案を受けて、今後は政党が中心となった政治活動を国民の皆さんの監視の下でやっていかなければならないという考えの下で定められた、決められたことだと思っております。
○塩川委員 政治家個人が受けるのを制限しようというところから、政党中心、政党本位という話が出てくるわけですが、政治家個人が献金を受けるのを制限をするというのはなぜなのか。
○小泉(進)議員 これは、選挙制度の改革もあったと思います。中選挙区から小選挙区ということになって、今の選挙の結果でも分かるとおり、やはり政党がまた、一歩踏み込んで言えば、かなり党首の、党の代表の力というものが小選挙区にとっては物すごく強くなったわけですよね。そういった政党の力、党首の力というところと合わせて、この選挙活動、政治活動というものは、政治資金も含めて政党本位であるべきだという流れの中ではないでしょうか。
○塩川委員 背景にはリクルート事件があり、佐川急便事件等々があり、まさに個別の政治家と特定企業との癒着の問題があったので、政治家個人が献金を受けることはやはり癒着の批判を免れないということの中から規制をする、その流れで政党中心に、政策中心にということが出てきたわけであります。
この九四年の法改正も、おっしゃっておられるように、政治資金の調達を政党中心とするためということも逐条解説で触れております。併せて、近年における政治と金をめぐる国民世論の動向などに鑑みということが挙げられているわけです。
まさに、リクルート事件、佐川急便事件、こういう金権腐敗汚職事件を一掃してくれという国民の声に応える、率直に言えば、我々とすれば、その点をすり替えて政治家個人としたということ自身にその限界があると考えておりますが、この政治と金をめぐる国民世論の厳しい批判が献金の制限、献金先の制限の理由だったということを改めて確認をしたいと思います。
その五年後に、九九年の法改定で、資金管理団体の企業・団体献金を禁止をする、受領者を制限をする、その理由についてはいかがでしょうか。
○小泉(進)議員 九四年のことですか。(塩川委員「九九年」と呼ぶ)九九年。そこは通告が抜けているところ、この七番ですね。九九年、ちょっと待ってくださいね。
○渡辺委員長 速記をちょっと止めてください。
〔速記中止〕
○渡辺委員長 速記を起こしてください。
小泉君。
○小泉(進)議員 済みません。ありがとうございました。ちょっと抜けていまして。
九九年は、まさにこの九四年からの見直し規定、こういったことの意味で、九四年から九九年の五年後だと思います。
これは委員会の中でも私も何度か言及をさせていただいておりますが、この五年後の見直しというのは、企業・団体献金の禁止ではなくて、五年後に、政党財政の状況等を勘案し、会社、労働組合その他の団体の政党及び政治資金団体に対してする寄附の在り方について見直しを行うものとするというふうになっていますので、時々言われている、禁止を合意をしたとかそういったことではなく、見直しだというふうに理解をしています。
○塩川委員 私も別にそういうことを言っているわけじゃありません。歴史的にこういう企業・団体献金を規制、制限をする、それがどういうことを背景に行われてきたのかの確認をしているわけで、この九九年の法改定によって、その際にも、逐条解説に立ち返れば、政治資金の調達を政党中心とするため、また、近年における政治と金をめぐる国民世論の動向などに鑑みということでの措置を行った。
ですから、九四年と同趣旨の点です。もちろん政党中心にという話と同時に、やはり国民の厳しい、金権腐敗汚職事件、こういうものを一掃してほしいという声の中で行われてきたものであります。我々はその点が不十分だと言ってきたわけですが。
つまり、政治家個人だと癒着が問われるけれども、公党であれば、いわば公の党として、そんなにお金に左右されることがない、大丈夫なんだというのが趣旨だったわけですけれども、しかし、その当時も議論になったんですが、政党に対しての企業・団体献金については、政党支部という格好で、実質その支部長である政治家個人に多額の企業・団体献金が受け取れるような仕組みとなっている。それがまさに、政治家個人の癒着が問われているにもかかわらず、抜け道となるようなものをつくったことが問題だ、こういうのを塞げということを言ってきたわけですし、今、そもそもこのような公党である自民党が、今回のように裏金問題でいえば、有罪となった三つの派閥だけで自民党の議員数の過半数ですし、それ以外の疑惑の派閥も含めればもう多数がまさに自民党ぐるみの問題だったという点でも、公党なら大丈夫という理屈がそもそも成り立たない事態にあるということを言わざるを得ません。
そこで、このように歴史的な経緯を振り返ってみると、企業、団体の献金というのが、不明朗な政治活動の疑惑がつきまとう、外国勢力の影響、腐敗、癒着、政治と金の是正を求める国民世論との批判があったから、このような措置を行ってきた。
お尋ねしますけれども、このように、金による特別な関係を絶つ、疑惑を未然に防止するということで、企業・団体献金の規制を行ってきたわけであります。このような立法府における企業・団体献金禁止の議論の積み重ねというのをどのようにお考えですか。
○小泉(進)議員 まず、今、塩川委員が前段で、不記載事件と、この企業・団体献金の問題とをつなげてお話しされますが、これは直接の関係ではありません。やはり自民党の今回の一件は不記載が問題で、そして派閥によるパーティーのところからですから、我々自民党としては派閥のパーティーはもう禁止という形にしてあります。
その上で、今、要は政治と金を断ち切るというふうに塩川委員はおっしゃいますけれども、大事なことは、不透明なお金の流れを断ち切るということだと思っています。ですので、我々は政策活動費の廃止というものも、今までだったら自民党の幹事長に約十億円年間で入る、使い道がよく分からない、こういったことはもう全廃をしよう、そして公開を高めるためにはデータベースも活用して、今回新しく構築をして、国民の皆さんが検索しやすい環境をつくろうということであります。
ですので、今、この企業・団体献金などで、もうとにかく政治に入ってくる金を断ち切るということの結果、御党のように機関紙収入で九割で立っているという政党がほとんどだったら、私は、それは成り立つのかもしれませんが、自民党、立憲民主党、国民民主党、維新含めて、政党交付金。
仮に、立憲さんが言っているように、企業・団体献金全廃といったときに、立憲さんも維新さんも、やはり税金丸抱えの一本足になりかねないわけですよね。それで、かつて挑戦をしたけれどもやはり集まらないから、もう一回、企業・団体献金を受け取ろうという歴史を踏まえると、今度、全部を断ち切ってしまう前に、本当に、組織それぞれ、政党それぞれの収入の在り方、そして成り立ちの違い、こういったことも含めて議論する必要があるのではないかなと、改めて今の歴史を振り返っても私は感じております。
○塩川委員 政治資金については、基本は個人献金中心にしていくか、その点がやはり問われているわけで、やはり主権者である国民にその財政を依拠することが政党の活動の基本なんだ、ここをやはりどう貫くのか、その実践の積み重ねが実際にその活動に反映をしていく。それを安易に企業・団体献金に頼れば、そういう道に行くこともありませんし、政党助成金という税金に頼ればそうならないというのはあるわけで、そういう点でも、政党として国民に向き合う、国民のまさに代表としての活動を行うときに、個人献金中心の取組をどう進めていくのかが必要だということ。
裏金の問題について不記載の問題ですとおっしゃるんですけれども、そもそも、でも裏金となっている、不記載であれば表に見えないお金なので、これは裏金だと。裏金について言えば、その原資をたどればパーティー券の購入の資金で、それそのものが、まさにその大半が企業、団体からの購入だと。まさに形を変えた企業・団体献金。その穴を塞げということを我々が求めてきたわけであります。
そういった取組を行っていくことこそ必要なときに、ずっとつらつら聞いてきましたけれども、最後にお尋ねしますが、この企業・団体献金の規制措置の積み重ねがずっと行われてきているわけです。こういった規制措置の積み重ねそのものが、企業・団体献金による腐敗や癒着の実態を示しているものではありませんか。
○小泉(進)議員 先ほど塩川委員から、企業、団体によるパーティー券購入は形を変えた企業・団体献金だという御指摘が、先日もありましたけれども、今回、我々が指摘をしているのは、立憲民主党さんの言う政治団体を除くとなっている部分も、労働組合関係政治団体がパーティーを開催をして、そして……(発言する者あり)パーティーを開催していますよ。これは明らかですよ。組合がパーティーを開催していますから。
ですから、これは、塩川先生の定義でいえば、この労働組合が開催をしているパーティーも形を変えた企業・団体献金と言えるということですよね。まあ、私は質問権がないので、そうだと思っています。
その上で、今の献金の歴史、このことを鑑みれば、やはり、個人の献金を促していくという方向性に異論がある党はないと思います。しかし、それは、一方で、そんなにすぐに、仮に控除を引き上げてもすぐに増えるというのはなかなか現実問題としては難しいということも、うなずいている野党の先生方もいるとおり、これはなかなか難しいというのは分かっているはずですよ。
ですから、やってみて禁止してみて駄目だったら、かつての民主党のようにもう一回撤回をして受け入れるんですかと。それよりも、まずは各党で一致するところから公開を高めて、幅広い原資によって成り立つ政党を志向するのは、決して自民党だけが考えていることではなくて、本来であれば、立憲民主党さんや維新さんだって国民民主党さんだって、税金丸抱えの政党交付金一本でということは考えていないんじゃないでしょうか。
このような議論を冷静に積み上げることが大事だと思っております。
○塩川委員 この企業・団体献金の腐敗、癒着の実態こそしっかりと見定めるべきだ、そこにそもそも禁止の大本の議論があるわけであります。
企業・団体献金の禁止じゃなくて透明性、公開と言うんだけれども、この間、政治資金収支報告書の要旨公表の義務の削除とか、要旨公表期限の延長とか、収支報告書の情報公開請求の制限など、公開の改悪を行ったまま透明性を高めるというのは全く矛盾をしている、こういったことを最後に指摘をし、こういう議論は是非引き続きやって企業・団体献金の禁止に向かっていく、そのために引き続き取り組んでいきたいと思います。
質問を終わります。
○塩川委員 日本共産党を代表して、討論を行います。
まず、今日の採決に反対であります。審議は尽くされておりません。今国会を延長してでも議論を続けるべきです。
この臨時国会で行うべきは、総選挙での国民の審判に応え、自民党裏金問題の真相究明と金権腐敗政治の一掃です。
政治改革の根幹は、企業・団体献金の禁止の実現です。これこそ国民の声ではありませんか。自民党は企業・団体献金にあくまで固執し、国民の声に耳をかそうとしていません。
政治資金は、主権者である国民の浄財で支えられるものです。国民一人一人が自ら支持する政党に寄附することは、主権者として政治に参加する権利そのもの、国民の代表を選ぶ選挙権、投票権と結びついた国民固有の権利です。
一方、企業・団体献金は、本質的に政治を買収する賄賂です。自民党と企業との癒着によって政治がゆがめられた事例は、枚挙にいとまがありません。営利を目的とする企業が、巨額の金の力で政治に影響を与え、自己の利益を図れば、政治は大企業、財界に向けたものになってしまうことは明らかです。
選挙権を持たない企業の献金は国民主権と相入れず、国民の参政権を侵害するものです。今なお企業・団体献金に固執するのは、国民の権利を侵害している実態から目をそらし、立法府が積み重ねてきた議論を無視するものです。
今こそ、企業・団体献金を温存してきた政党支部への献金、政治資金パーティー券の購入という二つの抜け道を塞ぐことこそ行うべきです。
次に、法案について述べます。
国民、公明提出の第三者機関の設置法案は反対です。
政治資金は国民の不断の監視と批判の下に置くべきであり、政治資金の収支をチェックするのは第三者機関ではなく国民です。
現行の政治資金監査制度の導入後も事件、問題が相次ぎ、収支報告書の形式上の適正すら確認できていない実態も明らかとなっています。お墨つきを与えるだけの監査制度を残し、更に屋上屋を重ねて第三者機関で監視するなど、隠れみのでしかありません。
この間の政治資金の公開を後退させる改悪を行ったまま、透明性を確保するというのはまやかしです。収支報告書は公的に永久に残し、速やかにそのまま国民に公開することこそ徹底すべきです。
また、第三者機関の提言機能は、政治資金に関するルール作りの丸投げであり、看過できません。
自民提出の法案、修正案は、使途が不明瞭な政策活動費を廃止し、公開方法工夫支出の項目が削除されたとはいえ、問題点が残るものであり、反対です。
外国人、外国法人等によるパーティー券購入を禁止としながら、日本法人で五年以上上場している外資系企業を特例上場日本法人と規定して、禁止の対象から除外しています。外国人等からの献金は国家主権に関わると言いながら、献金欲しさに例外をつくるものです。特例上場日本法人に、献金もパーティー券購入も温存したことは極めて重大です。
また、政党助成金をペナルティーとして利用する制度の一年後創設も認められません。政党助成金制度をめぐっては、当委員会の審議でも、収入の七割、八割、九割を政党助成金に依存していることが問題となりました。政党の在り方が問われています。今行うべきは、政党助成金の利用ではなく、廃止の議論です。
以上、討論を終わります。(拍手)