政治資金規正法改定を含む「政治改革」関連3法案が賛成多数で可決しました。日本共産党は立憲民主党など5会派と共同提出した「政策活動費」廃止法案に賛成。自民党提出の政治資金規正法改正案と国民民主党と公明党が出した、第三者機関設置法案に反対し、私が討論しました。
私は討論で「この臨時国会で行うべきは、総選挙での国民の審判に応えた自民党裏金問題の真相究明と金権腐敗政治の一掃だ」「政治計画の根幹の企業・団体献金の禁止こそ国民の声だ。自民党は企業・団体献金に固執し、国民の声に耳を貸そうとしていない」と批判しました。
政治資金を支える「国民の浄財」である国民個人の政党への寄付は「国民固有の権利」である一方、企業・団体献金は本質的に賄賂であり、営利が目的の企業が巨額の金の力で政治に影響を与えれば、政治は大企業、財界にむけたものになると断罪しました。選挙権を持たない企業の献金は国民主権と相いれず、国民の参政権の侵害だとして、企業・団体献金は全面禁止し、「政党支部への献金」「政治資金パーティー券の購入」の二つの抜け道をふさぐよう求めました。
私は、政治資金は「国民の不断の監視と批判の下に」置くべきであり、第三者機関で「監視」するなど「隠れ蓑」でしかないと批判しました。
私は、自民党の修正案が外国人・外国法人等によるパーティー券購入禁止としながら「日本法人で5年以上上場している外資系企業」を禁止の対象から除外し温存したことは「断じて容認できない」と批判しました。
「政党助成金をペナルティとして利用する制度の1年後の創設も認められない」と述べ、「企業・団体献金は禁止して個人献金を中心とし、政党助成金を廃止することが金権腐敗政治の一掃となる」と断じました。
以下、討論の全文です。
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日本共産党を代表して、討論を行います。
この臨時国会で行うべきは、総選挙での国民の審判に応え、自民党裏金問題の真相究明と金権腐敗政治の一掃です。
政治改革の根幹は、企業・団体献金の禁止です。これこそ、国民の声ではありませんか。自民党は企業・団体献金にあくまで固執し、国民の声に耳をかそうとしていません。
政治資金は、主権者である「国民の浄財」で支えられるものです。国民一人ひとりが、自ら支持する政党に寄附することは、主権者として政治に参加する権利そのもの、国民の代表を選ぶ選挙権・投票権と結びついた「国民固有の権利」です。
一方、企業・団体献金は、本質的に政治を買収する賄賂です。自民党と企業との癒着によって政治がゆがめられた事例は、枚挙にいとまがありません。営利を目的とする企業が、巨額のカネの力で政治に影響をあたえれば、政治は大企業・財界に向けたものになってしまうことは明らかです。
選挙権を持たない企業の献金は国民主権と相いれず、国民の参政権を侵害するものです。
石破総理をはじめ自民党は、1970年の最高裁判決を持ち出し、企業献金を正当化しますが、この判決は企業・団体献金の弊害を認め、その対策は「立法政策にまつべき」と述べており、企業・団体献金を禁止する立法を否定していません。
今なお、企業・団体献金に固執するのは、国民の権利を侵害している実態から目をそらし、立法府が積み重ねてきた議論を無視するものです。
いまこそ、企業・団体献金を全面禁止し「政党支部への献金」「政治資金パーティー券の購入」という二つの抜け道を塞ぐことこそ、行うべきです。
次に、法案について述べます。
国民・公明提出の第三者機関の設置法案は、反対です。
政治資金は「国民の不断の監視と批判の下に」置くべきものです。政治資金の収支をチェックするのは第三者機関ではなく国民です。
現行の「政治資金監査」制度の導入後も、事件・問題が相次ぎ、収支報告書の形式上の適正すら確認できていないのが実態です。“お墨付き”を与えるだけの監査制度を残し、さらに屋上屋を重ねて、第三者機関で「監視」するなど隠れ蓑でしかありません。
この間の政治資金の公開を後退させる改悪を行ったまま、「透明性を確保」というのは、まやかしです。収支報告書は公的に永久に残し、速やかに、そのまま、国民に公開することこそ徹底すべきです。
また、第三者機関の提言機能は、政治資金に関するルール作りの“丸投げ”であり、看過できません。
自民提出の法案・修正案は、使途が不明瞭な「政策活動費」を廃止し「公開方法工夫支出」の項目を削除しましたが、重大な問題点が残っています。
外国人・外国法人等によるパーティー券購入を禁止としながら、「日本法人で5年以上上場している外資系企業」を「特例上場日本法人」と規定して、禁止の対象から除外しています。外国人等からの献金は国家主権に関わると言いながら、献金欲しさに例外を作るものです。特例上場日本法人に、献金も、パーティー券購入も、温存したことは、断じて容認できません。
また、政党助成金をペナルティとして利用する制度の1年後創設も、認められません。政党助成金制度をめぐっては、当委員会の審議でも、収入の7割から8割を政党助成金に依存していることが、問題となりました。政党のあり方が問われています。政党は、何よりも国民の中で活動し、国民の支持を得て、その活動資金をつくることが基本でなければなりません。いま行なうべきは、政党助成金の利用ではなく、廃止の議論です。
最後に、企業・団体献金は禁止して個人献金を中心とし、政党助成金を廃止することが金権腐敗政治の一掃となると申し述べ、討論を終わります。
「政治改革」関連3法案 衆院通過/「政策活動費」廃止法案に賛成/塩川議員が討論/本会議
政治資金規正法改定を含む「政治改革」関連3法案が17日の衆院本会議で賛成多数で可決しました。日本共産党は立憲民主党など5会派と共同提出した「政策活動費」廃止法案に賛成。自民党提出の政治資金規正法改定案と国民民主党と公明党が出した、第三者機関設置法案に反対し、塩川鉄也国対委員長が討論しました。(関連2、討論要旨4面)
塩川氏は討論で「この臨時国会で行うべきは、総選挙での国民の審判に応えた自民党裏金問題の真相究明と金権腐敗政治の一掃だ」「政治改革の根幹の企業・団体献金の禁止こそ国民の声だ。自民党は企業・団体献金に固執し、国民の声に耳を貸そうとしていない」と批判しました。
政治資金を支える「国民の浄財」である国民個人の政党への寄付は「国民固有の権利」である一方、企業・団体献金は本質的に賄賂であり、営利が目的の企業が巨額のカネの力で政治に影響を与えれば、政治は大企業・財界にむけたものになると断罪しました。選挙権を持たない企業の献金は国民主権と相いれず、国民の参政権の侵害だとして、企業・団体献金は全面禁止し「政党支部への献金」「政治資金パーティー券の購入」の二つの抜け道をふさぐよう求めました。
塩川氏は、政治資金は「国民の不断の監視と批判の下に」置くべきであり、第三者機関で「監視」するなど「隠れみの」でしかないと批判しました。
塩川氏は、自民党の修正案が外国人・外国法人等によるパーティー券購入禁止としながら、「日本法人で5年以上上場している外資系企業」を禁止の対象から除外し温存したことは、「断じて容認できない」と批判しました。
「政党助成金をペナルティーとして利用する制度の1年後の創設も認められない」と述べ、「企業・団体献金は禁止して個人献金を中心とし、政党助成金を廃止することが金権腐敗政治の一掃となる」と主張しました。
政治改革に関する法案/衆院本会議/塩川議員の討論(要旨)
「しんぶん赤旗」12月18日・4面より
日本共産党の塩川鉄也議員が17日の衆院本会議で行った政治改革に関する法案に対する討論(要旨)は次の通りです。
臨時国会で行うべきは総選挙での国民の審判に応え、自民党裏金問題の真相究明と金権腐敗政治の一掃です。政治改革の根幹は企業・団体献金の禁止です。これこそ国民の声です。
政治資金は、主権者である「国民の浄財」で支えられるものです。国民一人ひとりが、自ら支持する政党に寄付することは主権者として政治に参加する権利そのもの、国民の代表を選ぶ選挙権・投票権と結びついた「国民固有の権利」です。
一方、企業・団体献金は、本質的に政治を買収する賄賂です。営利を目的とする企業が巨額のカネの力で政治に影響を与えれば、政治は大企業・財界に向けたものになります。
選挙権を持たない企業の献金は国民主権と相いれず、国民の参政権を侵害します。今なお企業・団体献金に固執するのは国民の権利を侵害している実態から目をそらし、立法府が積み重ねてきた議論を無視するものです。
企業・団体献金を全面禁止し「政党支部への献金」「政治資金パーティー券の購入」という二つの抜け道をふさぐことこそ必要です。
国民・公明提出の第三者機関の設置法案に反対です。政治資金は「国民の不断の監視と批判の下に」置くべきです。政治資金の収支をチェックするのは第三者機関ではなく国民です。現行の「政治資金監査」制度の導入後も事件・問題が相次ぎ、報告書の形式上の適正すら確認できていません。お墨付きを与えるだけの監査制度を残し、屋上屋を架して、第三者機関で「監視」するなど隠れみのでしかありません。収支報告書は公的に永久に残し速やかに、そのまま国民に公開することこそ徹底すべきです。
自民提出の法案・修正案は、使途が不明瞭な「政策活動費」を廃止し「公開方法工夫支出」の項目を削除しましたが、重大な問題点が残っています。外国人・外国法人などによるパーティー券購入を禁止としながら「日本法人で5年以上上場している外資系企業」を「特例上場日本法人」と規定し、禁止対象から除外しています。外国人からの献金は国家主権に関わると言いながら、献金欲しさに例外をつくるものです。
政党助成金をペナルティーとして利用する制度の1年後創設も認められません。委員会審議でも収入の7~8割を政党助成金に依存していることが問題となりました。政党のあり方が問われます。政党は、国民の中で活動し、その活動資金をつくることが基本です。いま行うべきは政党助成金の利用ではなく、廃止の議論です。