日本学術会議を解体する法案の質疑が始まりました。私は法案の撤回を要求。現行の学術会議は、学術が政治に従属し戦争に協力した戦前の反省の上に立ち、科学者の総意によって設立されたと述べ、法案はその原点を否定するものだと批判しました。
法案は、現行法を廃止し、国の「特別の機関」である学術会議を特殊法人化。首相任命の「監事」や、外部者による「助言委員会」などを設け、政府が介入できる仕組みになっています。これを坂井学内閣府特命担当相は、「国から補助金を入れるということで最低限の説明責任等に関する仕組みをいれたうえでできるかぎり独立をした組織に変えるものを目指した。」と答弁しました。
私は、国の機関でありつつ法律上の独立性を担保され、政府への勧告権も持つ現行の制度を変える積極的理由は見いせだせないとした内閣府の有識者会議の報告(2015年)に言及。なぜ現行法のもとで独立性を高める措置をとらず、新法を定める必要があるのかと追及しました。
法案は、日本の平和的復興と人類社会の福祉への貢献を使命とすると明記した現行法の前文を削除しています。塩川議員は、現行法は日本国憲法23条「学問の自由」を具体化したものであり「憲法に立脚する学術会議の原点を真っ向から否定するものだ」と強調しました。
さらに、1949年の同会議発会式で吉田茂首相が、科学者の総意による設立と、政治的干渉を受けないための「高度の自主性」に言及していたと指摘。法案は、この学術会議の立脚点を否定し、現行法にはある独立性の保障規定を削除していると批判しました。
学術会議は2017年に、防衛装備庁の軍事研究委託制度に対し「問題が多い」とする声明を発表しています。私はその後の20年に菅義偉首相が学術会議会員の任命を拒否した経過に触れ「学問研究の軍事利用推進の立場から、学問の自由を掲げ、科学者の自主性・自律性を尊重してきた学術会議に干渉・介入しようとしている」と、法案の狙いを批判。坂井大臣は「指摘は違っている」と開き直りました。私は任命拒否と法案の撤回を強く求めました。
学問軍事化へ政府介入/学術会議解体法案/塩川議員が狙い告発/衆院委で審議入り
日本学術会議を解体する法案の質疑が25日、衆院内閣委員会で始まりました。日本共産党の塩川鉄也議員は法案の撤回を要求。現行の学術会議は、学術が政治に従属し戦争に協力した戦前の反省の上に立ち、科学者の総意によって設立されたと述べ、法案はその原点の否定だと批判しました。
法案は現行法を廃止し、国の「特別の機関」である学術会議を特殊法人化。首相任命の「監事」や、外部者による「助言委員会」などを設け、政府が介入できる仕組みになっています。坂井学内閣府特命担当相は「国から補助金を入れるということで最低限の説明責任に関する仕組みを入れた上で、できる限り独立した組織に変えるものを目指した」と答弁しました。
塩川氏は、国の機関でありつつ法律上独立性を担保され、政府への勧告権も持つ現行の制度を変える積極的理由は見いだしにくいとした内閣府の有識者会議の報告(2015年)に言及。なぜ現行法のもとで独立性を高める措置をとらず、新法を定める必要があるのかと追及しました。
法案は、日本の平和的復興と人類社会の福祉への貢献を使命とすると明記した現行法の前文を削除しています。塩川氏は、現行法は日本国憲法23条「学問の自由」の具体化であり、法案は「憲法に立脚する学術会議の原点を真っ向から否定する」と強調しました。
さらに、1949年の同会議発会式で吉田茂首相が、科学者の総意による設立と、政治的干渉を受けないための「高度の自主性」に言及していたと指摘。法案は、この学術会議の立脚点を否定し、現行法にはある独立性の保障規定を削除していると批判しました。
学術会議は2017年、防衛装備庁の軍事研究委託制度には「問題が多い」とする声明を発表。塩川氏はその後20年に菅義偉首相が学術会議会員の任命を拒否した経過に触れ「学問研究の軍事利用推進の立場から、学問の自由を掲げ、科学者の自主性・自律性を尊重してきた学術会議に干渉・介入しようとしている」と法案の狙いを批判。坂井氏はまともに反論できませんでした。塩川氏は、任命拒否と法案いずれも撤回を強く求めました。
「議事録」
第217回通常国会 令和7年4月25日(金曜日)内閣委員会 第17号
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
日本学術会議法案について質問をいたします。
最初に、今日の委員会の冒頭で、大臣の方から答弁の訂正がありました。四月十八日の衆議院本会議の答弁において、候補者選考委員会と申し上げるべきところを候補者選定委員会と間違えたという点、それぞれの機能、役割が違うものを間違えているという点は極めて重大であります。
ただ、大臣の答弁で、候補者選定委員会と言っている場所が全部で四か所あるんですよ。市來議員のところで二か所と、三木議員のところで一か所と、私のところで一か所なんですけれども、これを全部訂正するということなのか。
○坂井国務大臣 申し訳ありません。まだそこを全部当たっておりませんので。御指摘をいただいたところだけ。
○塩川委員 要するに、そういう格好で、精査していないという話だと思いますよ。
ということについて、私は、改めて、理事会でしっかり対応を議論する必要があると思いますので、この件について、理事会での協議を求めたいと思います。
○大岡委員長 この件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
○塩川委員 そういう点でも、この法案の準備が本当にいいのか、こういうことも、こういった一つの事例でも極めて問われていると思っております。
その上で、今日の質疑を聞いておりまして、やはり、現行の日本学術会議法が廃止をされるというような今回の法案のたてつけになっているわけであります。附則の第二十八条で、日本学術会議法を廃止をすると。
率直に思うんですけれども、なぜ現行の学術会議法を廃止をし、現行の学術会議を廃止しなければならないのか、この点についてお答えいただけますか。
○笹川政府参考人 済みません、法制的な話になりますので、お答えさせていただきます。
独立行政法人とか特殊法人、国の組織を外の法人にするときには、元々国の中にあった組織について書いている法律を廃止して新法でやるという形、国立大学もそうでございました、それに倣ったところでございます。
全く、学術会議をここで断ち切ってということではなくて、理念が拡大、深化しているということは我々も申し上げておりますので、そういうつもりはございません。法制的な理由です。
○塩川委員 外の組織にするときには新法で行うというだけの話であって、だったら、現行の組織の下で独立性や自律性を高めればいいんじゃありませんか。大臣、いかがですか。
○坂井国務大臣 懇談会の報告書でもありましたように、今、時代の流れ等の中で、学術会議に対していろいろな役割を求められているという状況の中で、今の組織ではそれに十分に応えることができないということを受けて、今回は特殊法人化ということで法案を作成をして、提出をさせていただいたということでございます。
○塩川委員 現行の組織の下で独立性、自律性を高める措置を取ればいいんじゃないのかと聞いているんですが、もう一度。
○笹川政府参考人 いろいろな理由がございましたけれども、分かりやすく二つ申し上げますと、法人になることによって、国の外、国とは別の組織になるということでございます。二つ目は、これによって、会員の選考、選任が完全に自由になって、国の関与がなくなる。
この二つで、海外のアカデミーと同様な自律性の高い組織になるというふうに思っております。
○塩川委員 いや、それは説明になっていません。
元々、だって、二〇一五年の有識者の報告の中で、「国の機関でありつつ法律上独立性が担保されており、かつ、政府に対して勧告を行う権限を有している現在の制度は、日本学術会議に期待される機能に照らして相応しいものであり、これを変える積極的な理由は見出しにくい。」と言っていた。それを覆すような説明にまるでなっていないわけでありますよ。
これは、科学者の総意として、科学者自身によって立法された学術会議の七十六年の歴史を否定する、そういうものじゃありませんか、大臣。
○坂井国務大臣 設立以来七十六年余りの学術の進歩と社会の変化を踏まえると、学術会議には拡大、深化する役割に実効的に対応していくことが求められるという懇談会の報告書を踏まえて今回の法案が作成されたものでありますが、この拡大、深化する使命、目的を現代の視点から捉え直し、法制的な観点から適切な用語を用いて記述して作ったのがこの新法でありまして、学術会議の継続性が失われることはないと考えております。ですから、否定をするものでもないということかと思います。
「科学が文化国家の基礎」「わが国の平和的復興」という理念は、「学術に関する知見が人類共有の知的資源」「経済社会の健全な発展」という表現に包含されているものと考えております。
○塩川委員 学術会議の廃止は、やはり学術会議の原点を否定するものだと言わなければなりません。
是非、この問題についてしっかりと議論を深めていく上でも、大臣も、学術会議の継続性が失われるものではない、継続するんだと言うわけですけれども、法律上は新法なんですよ。だから、現行法と新法との対比をしっかり行っていくことがこの委員会での議論を深めることになる。そういう意味では、新旧対照表のようなものが必要なんですよ。
これは要望したんだけれども、作っていないと言うんだけれども、それを作ってもらえませんか。現行法と新法との対照表、どこが変わってどこが同じなのかと異同が分かるような。そういうことによって当委員会での審議を深めていく。こういう、現行法と新法の対照表、是非作って、委員会に出してもらえませんか。
○坂井国務大臣 新法において、新旧というのが、今まで、新法の場合はやはり作ってこなかったということがあろうかと思います。旧はないということで、新旧、なかなかこれは難しいかと思います。
○塩川委員 だから、比較対照表でいいんですよ。別に新旧でなくていいから。比較対照表、作ってもらえませんか。
○坂井国務大臣 いや、申し訳ありませんが、今ここで拙速にちょっと私が決められる話ではないと思いますので。
今の法案は、とにかく新法ではございます。おっしゃるような、学術会議を継続をするという意味合いで我々臨んではおりますが、新法は新法でございますので、そういった立場を考えながら、ちょっとこれは考えさせていただきたいと思います。
○塩川委員 是非作っていただきたい。過去に例もあるんですよ。この委員会でも議論した、経済安保情報保護法。これは特定秘密保護法を念頭に置いて作っているわけですよ。私が要望しましたら、特定秘密保護法と経済安保情報保護法の比較対照表を作って持ってきましたよ。ちゃんと仕事していますよね。
議論を深めるのであれば、経済安保情報保護法と特定秘密保護法の対照表を作ったのと同様に現行法と新法の比較対照表を出すというのは、議論を本当に深めていく、政府が本当にいいと思うのであれば、そういう比較対照表を出すということが審議の大前提として必要じゃありませんか。
○坂井国務大臣 私も、法制局的にはなかなか難しいということですが、今御指摘をされた案件も含めて検討させてもらいたいと思います。
○塩川委員 是非、連休明けには出していただきたいと思います。理事会としても要望するということについて、是非求めたいと思いますが。
○大岡委員長 この件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。
○塩川委員 是非、こういった対応で審議を深めていくことをお願いしたいと思っております。
大臣にお尋ねします。
現行の日本学術会議法は、その前文で、科学が文化国家の基礎であるという確信に立って、科学者の総意の下に、我が国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と協力して技術の進歩に寄与することを使命とするという設立趣旨をうたっております。
これは、戦前の日本が学術を政治に従属させ、また学術の側も戦争遂行に加担する役割を果たしたとの痛苦の反省の上に、学問の自由を保障する日本国憲法を具体化した日本学術会議法の歴史的な出発点を記したものであります。
ところが、本法案は、この前文を削除し、文化、平和の文言は消え、社会課題の解決に寄与することを目的とし、学術を経済社会の健全な発展の基礎と置き換えております。これは、憲法に立脚する学術会議の理念を真っ向から否定するものではありませんか。
○坂井国務大臣 この法案における学術会議の目的及び基本理念は、学術会議の拡大、深化する使命、目的を現代の視点から捉え直し、適切な用語を用いて記述したものであり、この現行法の基本理念は新法に引き継がれていき、学術会議の継続性が失われることではないと思います。
国が設立する法人に対して国民が負託する使命、目的を表現する用語は、より恒久的、普遍的なものとすることが適切であり、法制的な観点からこのような表現としたと考えております。
○塩川委員 学術会議の使命というのが削除されているということが極めて重大だということであります。
一九四九年一月の日本学術会議第一回総会において、発足に当たっての決意表明ということが行われております。「われわれは、これまでわが国の科学者がとりきたつた態度について強く反省し、今後は、科学が文化国家ないし平和国家の基礎であるという確信の下に、わが国の平和的復興と人類の福祉増進のために貢献せんことを誓うものである。」と述べております。
このように、戦前、戦中に科学者が戦争に協力した、その反省に立っての決意が、日本国憲法に基づく日本学術会議の原点であります。前文の削除によってこの原点を投げ捨てることになるんじゃありませんか。
○坂井国務大臣 繰り返しになりますが、この理念は、用語を変えてはございますが、引き継いでいるということをまずは認識をしております。
学術会議の在り方については、まず、令和三年四月に、学術会議において、検討すべき課題があるという認識の下、「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて」を取りまとめ、改革に向けての取組を開始したと承知しております。
これを受けて、政府としても、学術会議を国から独立した法人とする案と国の機関のままとする案の両方を俎上にのせて議論することとし、令和五年八月から有識者懇談会を開催し、学術会議に求められる機能及びそれにふさわしい組織形態の在り方について検討を重ねたものでございます。この有識者懇談会も三十三回真剣な議論をいただいて、現在の出した報告書が取りまとめられております。
先ほども申し上げましたが、国の機関のままの改革では限界があるということから今回の法案につながっているということでございますが、学術会議からの意見も踏まえて修正を行ったり、配慮してこの法案を作成したものと考えております。
学術会議に対しては、この法案に関して示された懸念事項に対して内閣府から詳細な見解を示すなど、丁寧な説明をしてきたものと承知しており、また学術会議も、この法案や法人化をすること自体に反対するものではない旨表明されていると承知しております。
学術会議においては、会員選考の透明性の向上に努めるとともに、アクションプランを作成し、社会の課題の解決に向けての取組などに努めていただいているものと承知しており、独立性、自律性の強化や会員選考の透明性向上などの改革の方向性はこの法案と同じであると考えております。そういうことです。
○塩川委員 いや、学術会議の原点の話をしているわけで、やはり戦前、戦中に戦争に協力した、そういう科学者が取り来った態度について強く反省する、これが前文に盛り込まれている、科学者の総意の下における決意であった。ここのところが削除しているということに、その原点を投げ捨てることになる、このことについて、まともにお答えすることがありませんでした。
現行の学術会議法の審議における政府答弁においては、「科学者の総意の下に、我が国科学者の代表機関として、このような組織が確立されて、初めて科学による我が国の再建と、科学による世界文化への寄与とが期し得られるのであります。この法案制定の理由は、右のような役割を果し得る新組織、即ち科学者みずからの自主的団体たる日本学術会議を設立するにあるのであります。」と述べています。科学者自らの自主的団体として、科学者の総意の下に設立されたのが日本学術会議でした。
しかし、今回、日本学術会議の意見も聞かず、押し切るように提出をされた本法案というのは、科学者の総意による設立を否定をして、国の都合による新法人の設立を図る、こういうものになっているというのが実態ではありませんか。
○笹川政府参考人 お答え申し上げます。
私ども、繰り返しですけれども、学術会議の連続性について、継続性、大切なことだと思います。それが拡大、深化していくものに合わせて、時代にフィットした組織になっていただきたいということで、設立時の思い、理念、それは大事なものだと我々も思っておりますけれども、それを更に我が国のよい未来、歴史につなげていく、それは多分共通の思いだろうと思います。
私どもは、前文が基本理念、第二条に移ったことによって、そういった思いの重さが軽くなるというふうには思っておりません。あくまでも法制的な理由でそうなりましたけれども、きちんと今後も独立性、自律性を尊重しながら対応していきたいと思います。
○塩川委員 今の答弁はその前の質問の答弁で、それ自身もなっていませんけれども、科学者の総意の下にということが立脚点としてある、そのことが問われているということで、一九四九年の日本学術会議の発会式におきまして、吉田茂総理は、本会議の組織運営の構想は、全国科学者の総意に基づいたものであると祝辞を述べておりましたように、科学者の総意による設立というのが学術会議の立脚点であります。今回の法案は、この立脚点を否定するものと言わなければなりません。
さらに、吉田総理のこの祝辞では、日本学術会議はもちろん国の機関ではありますが、その使命達成のためには、時々の政治的便宜のための制肘を受けることのないよう、高度の自主性が与えられていると述べていました。第三条の、日本学術会議は独立して職務を行うという独立性の保障を指すものであります。
しかしながら、本法案ではこの規定を削除しました。大臣、独立性の保障という学術会議の根幹を否定するものではありませんか。
○坂井国務大臣 この法案は、独立性、自律性を抜本的に高めることによる学術会議の機能強化と説明責任の担保を図るものであり、独立を阻害をするというか、そういったものではないと考えております。
現行法では、行政機関で学術会議がございますから、関係府省庁との調整等によって自由な意思表出等ができなくなることを避けるために、独立して職務を行うという規定が置いてございますが、既にこの法案によって法人化ということをすれば、当然、組織的な面からも独立性が明確になるということでございますので、もう分かり切って、見たからに分かる独立しているという状況に際して、独立といった文言が、これは必要がなくなっているということかと思っております。
○塩川委員 独立性という言葉がなくなる。その一方で、いろいろな仕組みで新法人の独立性や自律性を侵害するような仕組みがある。これから議論していくわけですけれども、監事や評価委員会や中期的な計画、また、コオプテーションの考え方の逸脱や選定助言委員会の問題などがあるわけであります。
だから、新法ではなく、よりよくするのであれば、現行法でしっかりやればいいだけの話であって、しっかりとした独立性の保障ということを掲げた学術会議の活動のより発展につながる、そういう議論こそ行うことが求められていると思います。
日本学術会議は、二〇一七年三月に、軍事的安全保障研究に関する声明を発表しました。学術会議が一九五〇年に発した、戦争を目的とする研究はこれを行わないとする声明と、六七年発表の、軍事目的のための研究を行わない声明を継承すると明記をし、学問の公開性と軍事的安全保障研究の秘密性との緊張関係について注意喚起をし、二〇一五年に発足した防衛装備庁の軍事研究である安全保障技術研究推進制度に対して、適切な審査による自主的な対応を求めておりました。
そのことなどを受けて、二〇一七年十一月末の日本防衛研究大会では、元三菱重工航空宇宙事業本部顧問の西山氏が、学術会議の議論は全然論理的じゃないと批判を行いました。防衛装備庁の初代長官だった渡辺秀明氏が若干時間がかかると述べていたと、しんぶん赤旗が取材をしております。
その一年後の一八年十一月、内閣府が、学術会議の推薦と内閣総理大臣の任命との関係について、これまでの形式的な任命という立場を投げ捨て、推薦のとおりに任命すべき義務があるとまで言えないという内部文書を取りまとめました。これが二〇二〇年の任命拒否につながっているわけであります。
学問研究の軍事利用を推進する、そういう立場から、学問の自由を掲げ、科学者の自主性、自律性を尊重してきた学術会議に干渉、介入しようとする、これがこの法案の中身ということではありませんか。
○坂井国務大臣 この法案は、国の機関から学術会議を独立をさせ特殊法人化をし、そして独立性も機能も強化をする中で、様々社会の期待に応えられる、そして世界のナショナルアカデミーとして冠たる地位をまた築くといったことを期待をして、また求めて、独立をするということで特殊法人化、そして、その後も国からお金を入れるという、補助として入れるということから、最低限の説明責任等々に関する仕組みを入れて、できる限り独立をした、いわば学術会議自らが決める、運営をしていく、こういった組織に変えることを目指してこの法案化をしたものであり、委員御指摘の点を考えてというのは違っております。
○塩川委員 歴史的経緯を考えれば私が申し上げたとおりで、防衛省の軍事研究の推進の背景には、安倍政権の下での集団的自衛権行使容認の安保法制があるわけであります。軍学共同を進める安倍官邸が学術会議の会員選考に介入をしたというのが出発点です。
この六人の任命拒否、そして本法案の撤回を求めて、質問を終わります。