【しんぶん赤旗掲載】学者・市民「人間の鎖」 国会前で連日/学術会議解体法案の廃案を/学問の独立守ろう

「しんぶん赤旗」5月9日・1面より

 政府が9日にも学術会議解体法案の衆院内閣委員会での採決を狙う中、学者と市民らが前日に続き8日も、国会前で「人間の鎖」をつくり、廃案を訴えました。高等教育予算拡充を求める同日の院内集会に集まった学生らも連帯してスピーチに立ち、政府の「稼げる大学」政策と学術会議法案はつながっていると指摘。「学問の独立性を守らなければならない」と主張しました。

 主催は「日本学術会議『特殊法人化』法案に反対する学者・市民の会」です。

 東大で近代史を専攻する大学院生は、国立大は法人化によって学外の役員が増え「政府に従属するようになった」と指摘。学術会議が法人化されれば、政府の意向に沿わない研究ができなくなるのではないかと危惧しました。

 九州大学で気象学を学ぶ大学院生は「学問の公共性の破壊を危惧し、学費値上げに反対する者として、市民として、学術会議の法人化に断固反対する」と強調。非常勤の高校教員で国際基督教大学の大学院生は「1000人の研究者がいれば研究テーマは1000通り以上ある」と述べ「それを政権の都合でたたきつぶすことは度し難い損失だ」と述べました。

 隠岐さや香・東大教授は、戦前の歴史をたどり「アカデミーの御用化はだんだんと静かに起きる」と警告。「本当に100年に1度の危機で、今が正念場。国会議員、国民のみなさん、声をあげてください」と呼び掛けました。

 日本共産党の山添拓政策委員長、私、堀川あきこ衆院議員、立憲民主党、れいわ新選組、社民党の国会議員が、廃案に追い込む決意を語りました。「人間の鎖」は9日(正午~午後1時)も議員会館前で行われる予定です。