私は、最低賃金引き上げの目標を投げ捨てた政府を追及しました。
石破前政権は最賃について「2020年代に全国加重平均1500円」の達成目標を掲げていましたが、高市政権が21日に閣議決定した総合経済対策ではその目標は削除されました。私が「目標は投げ捨てたのか」と質すと、城内実賃上げ環境整備担当大臣は「高市内閣として数字目標を示すことは困難」と答弁しました。
私は、15年に当時の安倍政権が全国加重平均1000円目標、岸田政権以降は1500円目標と「ここ10年間、達成目標を掲げたのに、『数値目標を示すのは困難』となれば最賃引き上げ施策の後退は明らかだ」と批判し、「ナショナルミニマム(最低生活保障)としての最賃にふさわしく大幅引き上げの目標を持って取り組むべきだ」と迫りました。
続けて私は、大企業の責任について追及。最賃近傍の賃金で働く労働者数とその企業別の数値について質問すると、厚労省は24年の最賃改定後に最賃以下となる賃金で働いていた常用労働者数は約382万人で、うち115万人が従業員1000人以上の企業の労働者だったと答えました。
私は「最賃近傍の労働者の3割が、体力のある大企業の労働者だ。極めて大きい」と強調。城内大臣が「指摘の通り、3割は相当の割合だ」と認めたのに対し、私は「なぜ大手で最賃近傍の労働者が多いのか。明らかにすることが必要だ」と追及。城内大臣は「賃上げ環境整備担当大臣として、指摘も踏まえて取り組んでいきたい」と答弁。私は、大企業に賃上げや下請け単価引き上げなどで社会的責任を果たさせるよう求めました。
最賃施策後退明らか/衆院内閣委/目標削除/塩川議員が批判
日本共産党の塩川鉄也議員は26日の衆院内閣委員会で、高市政権が最低賃金引き上げの目標を投げ捨てたことを批判しました。
石破前政権は最賃について「2020年代に全国加重平均1500円」の達成目標を掲げていましたが、高市政権が21日に閣議決定した総合経済対策で削除されました。塩川氏が「目標は投げ捨てたのか」とただすと、城内実賃上げ環境整備担当相は「高市内閣として数字目標を示すことは困難」と答弁しました。
塩川氏は、15年に当時の安倍政権が全国加重平均1000円、岸田政権以降は1500円と「ここ10年間、達成目標を掲げたのに『数値目標を示すことは困難』となれば最賃引き上げ施策の後退は明らかだ」と批判。「ナショナルミニマム(最低生活保障)としての最賃にふさわしく大幅引き上げの目標を持って取り組むべきだ」と迫りました。
塩川氏は、最賃に近い賃金で働く労働者数について質問。厚生労働省の松本圭審議官は、24年の最賃改定後に最賃以下となる賃金で働いていた常用労働者数は約382万人で、うち115万人が従業員1000人以上の企業の労働者だったと答えました。
塩川氏は「3割が体力のある大企業だ。極めて大きい」と強調。城内担当相が「指摘の通り3割は相当の割合だ」と認めたのに対し、塩川氏は「なぜ大手で最賃近傍が多いのか明らかにすることが必要だ」と追及しました。城内担当相は指摘も踏まえて取り組むと答弁。塩川氏は大企業に賃上げや下請け単価引き上げなどで社会的責任を果たさせるよう求めました。
「議事録」
第219回臨時国会 令和7年11月26日(水曜日)内閣委員会 第4号
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
今日は、最低賃金について、賃上げ環境整備担当の城内大臣にお尋ねをいたします。
石破政権は、二〇三〇年代半ばから二〇二〇年代に達成時期を前倒しをして、最賃全国加重平均千五百円という高い目標に向かってたゆまぬ努力を続けるとしました。
このように、石破政権で、前の岸田政権から、この達成時期を二〇三〇年代半ばから二〇二〇年代に前倒しをした。その理由は何なのか、この点について御説明ください。
○城内国務大臣 お答えします。
塩川委員御指摘のとおり、岸田内閣はまず、二〇二三年八月三十一日に開催いたしました新しい資本主義実現会議におきまして、最低賃金について二〇三〇年代半ばに全国加重平均が千五百円となることを目指すとの方針を明らかにいたしました。そして、その後の石破内閣では、二〇二四年十月四日の所信表明演説におきまして、国民の皆様に生活が豊かになったとの思いを持っていただく観点から、従前の時期を前倒しする形で、二〇二〇年代に全国平均一千五百円という高い目標に向かってたゆまぬ努力を続けることとしたというふうに承知しております。
○塩川委員 石破政権で、国民の皆さんに暮らしがよくなったと感じてもらえる、そういうものとして、千五百円に対してその達成時期を前倒しをするという話であります。
今年の最賃の審議会も踏まえて、石破総理が九月五日に記者会見をしておられます。最賃近くで働く六百六十万人、労働者の一割強、明日の心配がない暮らしをしていただくために更に努力しなければならない、このように述べておりました。明日の心配がないようにするため、最賃引上げを前倒しをしたということであります。
そういった点について、我々は、達成額も低く達成時期も遅いと指摘をしてまいりましたが、最賃の更なる引上げに前向きの姿勢を示したことは重要だと考えております。
そこで、城内大臣にお尋ねしますが、この最低賃金について、昨年十一月の総合経済対策、それから今年六月の骨太方針、ここには全国加重平均千五百円を二〇二〇年代にとの方針が記載をされておりましたが、今年の総合経済対策ではその部分が削除されております。最低賃金全国加重平均千五百円を二〇二〇年代にという目標は、これは投げ捨てたということなんでしょうか。
○城内国務大臣 お答えします。
最低賃金について全国加重平均千五百円を二〇二〇年代にという本目標は維持されておりますが、同時に、この目標を事業者に丸投げすることはあってはならないというふうに考えております。
令和七年度補正予算案や令和八年度当初予算案、税制などを含めまして、事業者の皆様が継続的に賃上げができる環境整備に目下取り組んでいるところでございます。
現段階で、高市内閣として責任を持って国民の皆様に数字目標をお示しすることは困難であります。こうした政府の取組も踏まえまして、事業者の皆様や労働者の皆様に前向きな御判断をいただけるようにする考えであります。
いずれにしましても、最低賃金を含むこれまでの政府決定への対応につきましては、経済動向等を踏まえまして、今後、具体的に検討してまいります。
○塩川委員 済みません、二〇二〇年代に全国加重平均千五百円という目標は維持をしている、だけれども数字目標を示すことは困難だというのはちょっと矛盾しているんですが、どういうことなんでしょうか。
○城内国務大臣 繰り返しお答えしますけれども、現段階で、高市内閣として責任を持って国民の皆様に数字目標をお示しすることは困難であるというふうに考えておりまして、最低賃金を含むこれまでの政府決定への対応につきましては、今後、経済動向等を踏まえまして、具体的に検討していく考えであります。
○塩川委員 ですから、数字目標を示すことは困難だということであれば、この二〇二〇年代の千五百円達成という目標はもう取り下げたということですね。
○城内国務大臣 先ほどお答えしたように、この目標自体は維持しておりまして、撤回をしているわけではございますが、繰り返しになりますけれども……(塩川委員「撤回をしている」と呼ぶ)撤回してはおりません。ただ……(発言する者あり)いずれにしましても、冒頭申しましたように、この目標は維持されておりますが、現段階で、高市内閣として責任を持って国民の皆様に具体的な数字目標をお示しすることは困難でありまして、最低賃金を含むこれまでの政府決定への対応につきましては、繰り返しになりますけれども、経済動向等を踏まえて、今後、具体的に検討してまいる考えであります。
○塩川委員 分からないんですよ。数字目標を示すことは困難だと言っているんでしょう。であれば、二〇二〇年代のこの千五百円というのは、これはもう脇に置いたということにならざるを得ないじゃないですか。
○城内国務大臣 いずれにしましても、繰り返しになりますけれども、今後、経済的動向を踏まえて、その数値目標については、今、賃上げ環境整備について取り組んでいる最中でありますので、今後のその数値目標については、今、この現段階でお示しすることは困難でありますけれども、二〇二〇年千五百円と石破内閣で閣議決定されておりますので、その目標自体は維持されていることになっております。
○塩川委員 いや、これはちょっともう一回整理していただきたいと思うんです。委員長の方でお取り計らいいただけないでしょうか。
○山下委員長 今、大臣、何かありますか。
要は、目標としては掲げていると。その目標に対して今数値を示すことができるかどうかということであると思いますが。
○城内国務大臣 経済動向というのは、例えば具体的な例を言いますと、急にコロナになったとか、あるいはインフレが加速するとか、いろいろな経済的動向の変化もありますので、そしてもう一点は、賃上げ環境整備に向けて政府として様々な取組をしておりますので、先ほど申しましたように、最低賃金について全国加重平均千五百円を二〇二〇年代にという閣議決定された目標自体は維持されておりますけれども、今後の経済動向を踏まえて具体的に検討されていくということであります。
○塩川委員 いや、ですから、経済動向を見たら、分析の上で、この目標についてはもう脇に置くというふうに受け取られても仕方がないと思うわけであります。それではやはり国民の皆さんは納得されないんじゃないでしょうか。
最低賃金については、これは元々、金額の目安を示したというのは、二〇一五年のときからあるんですよね。二〇一五年の十一月の経済財政諮問会議で、当時の安倍総理が、全国加重平均で千円を目指すと掲げて、達成すべき最賃の目安を示しました。その後、二〇二三年の八月に、岸田総理は、これまで政府が目標としてきた千円に十月の改定で到達することを受け、二〇三〇年代半ばまでに千五百円を目指すと掲げました。そして、二〇二四年十月、石破総理は、千五百円の達成期限を二〇二〇年代へと前倒しをしました。
つまり、この十年間、第二次安倍政権、また菅政権は千円、岸田政権以降は千五百円と最賃について達成目標を掲げていたのに、高市内閣については、数値目標を示すことは困難だと。これで最賃引上げがきちっと進むととても思えないんですけれども、いかがですか。
○城内国務大臣 お答えします。
繰り返しになりますけれども、高市内閣におきまして、最賃の目標につきましては、この戦略を策定していく中で、経済動向等を踏まえ今後具体的に検討し、最終的には来年夏の成長戦略の中に位置づけるということでありますので、それまでの間は、二〇二〇年代に千五百円という石破内閣で閣議決定された目標が維持されるということになります。
○塩川委員 実際には棚上げされていると言わざるを得ません。
十年間、達成目標を掲げたのに、それ自身を、数値目標を示すことは困難だということになれば、最賃引上げの取組自身が後退したと見られても仕方がありません。達成目標が示されなければ、最賃引上げの施策の検証もできない。施策の後退は明らかであります。
この点でも、私どもは、全国一律で最低賃金を直ちに時給千五百円、そして千七百円への引上げを求めております。生活費を保障するナショナルミニマムとしての最賃にふさわしく、大幅引上げの目標を持って取り組むべきであります。
そこで、ちょっと数字の確認なんですけれども、最賃に近いような賃金の低い労働者数についてなんですけれども、二〇二四年六月の一時間当たり所定内給与額が二〇二四年の秋より適用された最低賃金額未満である常用労働者の総数は何人か、厚労省の方でお答えいただきたいんです。
要するに、去年夏の時点で最賃引上げについて審議会に出されます、そうすると、最賃が引き上がるという場合に、それに届かないような、最賃以下となり得る、そういった労働者数が一定出てくるわけです。それは、企業規模別で、千人以上、百から九百九十九人、十から九十九人、五人から九人という企業別の内訳がそれぞれどうなるのかも示してください。
○松本(圭)政府参考人 お答え申し上げます。
お尋ねの人数につきまして、令和六年の賃金構造基本統計調査の調査票情報を基に厚生労働省で独自集計した結果によりますと、企業規模五人以上で合計約三百八十二万人でございますが、企業規模千人以上が約百十五万人、百人以上九百九十九人以下が約九十五万人、十人以上九十九人以下が約百四十三万人、五人以上九人以下が約三十万人でございます。
○塩川委員 全体で三百八十二万人が新たな最賃の基準以下の労働者ということですけれども、この三百八十二万人に対して、千人以上の大手企業で百十五万人なんですよ。つまり、三割が、こういった大手企業でも最賃以下となりかねないような労働者の実態がある。これは非常に規模として大きいんじゃないか。
本来体力のある大企業で、三割も最賃を切るような労働者がいる、全体の中で三割を占める、これは極めて大きいと大臣は思いませんか。
○城内国務大臣 今委員から御指摘ありましたように、三割ということであれば、それは相当の割合だというふうに認識しております。
○塩川委員 こういったように、何でそういった大手企業で最賃近傍の労働者が多いのか、こういったことについてもきちっと明らかにすることが必要じゃないかと思うんですが、その点、いかがでしょうか。
○城内国務大臣 賃上げ環境整備担当大臣として、塩川委員が御指摘したことも踏まえて、賃上げ環境整備に取り組んでまいる考えであります。
○塩川委員 是非具体的に分析をしていただきたいと思います。
最賃近傍の労働者はもっと多いんじゃないか。石破総理が記者会見で述べた六百六十万人という数字もあるんですよね。それはやはり、最賃から一・一倍未満の労働者がどれぐらいいるかというと、六百六十万人ですから、今厚労省が紹介いただいた数字は三百八十二万人ですけれども、石破首相が紹介した六百六十万人というのを取れば、もっと、ぎりぎりの人の数が高い。そういった数字なんかについても是非とも分析をしてもらいたいと思いますし、そういう数字についてしっかりと明らかにしてもらいたいと思うんですが、厚労省。
○松本(圭)政府参考人 お答えいたします。
検討に資するよう、数値の整理をしかとしてまいりたいと思います。
○塩川委員 是非数字も明らかにしていただいて、こういった中小企業への賃上げのための直接支援を是非とも行うことによって中小企業を応援すると同時に、大企業については、本当に、体力を持っている企業としてしかるべく社会的責任を果たしていく、下請単価の引上げも含めた、中小企業を大企業としてもしっかりとサポートするような、そういう取組につながることを強く求めて、質問を終わります。


