【内閣委員会】国家情報会議設置法案/イラク戦争の反省と官房機密費/国家情報会議設置法案/米国の戦争に加担の危険も 

 私は、「国家情報会議」設置法案は米国の要求に基づく政府のインテリジェンス(情報活動)体制強化が狙いだと告発し、米国の無法な戦争に付き従うことになる危険があると指摘しました。

 私は、米国やイギリスはイラク戦争の際、イラクが大量破壊兵器を保有していると断定したが、その後、情報が間違っていたと認めたと指摘。同戦争を起こした米国などを支持した日本政府も情報が誤っていたと認めるかと追及しました。

 外務省の三宅浩史審議官は「大量破壊兵器が確認できなかったことは事実」だと認めながら、情報が誤まっていたかについてはまったく答えませんでした。また、大量破壊兵器がないと判明した段階で米国に問い合わせたのかとただされた木原稔官房長官も「外交上のやり取りに関しては答えられない」と拒否。私は反省も検証もない政府の態度に、米国が間違った情報で始めた戦争に唯々諾々と従うことになると批判しました。

 私は、元内閣情報官で国家安全保障局長を務めた北村滋氏が、内閣情報官の役割は「日米同盟の陰の庇護者」であり、「日米安保体制に確実に組み込まれそれを支える有力な支柱」だと語っているほか、米シンクタンクの報告書も、日本の情報活動の現状は「同盟の最大の弱点」だとし、情報機関の「縦割り」を是正すべきだと指摘してると指摘。これらの事実からも、米国の要求に従い、内閣情報官が統括する内閣情報調査室などの情報機関や省庁を一体として「インテリジェンスコミュニティ」を強化するのが同法案の狙いだと明らかにしました。

 その上で、「米国が行ってきた先制攻撃に組み込まれ、日本の戦争国家づくりを強化することになる」と指摘。

 私は、過去には官房機密費が政治評論家に配られたほか、消費税導入のために年額5億円も使用されたことを示す証言や文書を示し追及。「適正な執行をしていく」と繰り返すだけの木原官房長官に対し私は「情報機関が世論誘導、政界工作の一端を担うようなことは断じて認めることができない」と批判しました。

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米国の戦争に加担の危険/衆院委/国家情報会議設置法案/塩川氏が指摘

「しんぶん赤旗」4月16日・2面より

 日本共産党の塩川鉄也議員は15日の衆院内閣委員会で、「国家情報会議」設置法案は米国の要求に基づく政府のインテリジェンス(情報活動)体制強化が狙いだと告発し、米国の無法な戦争に付き従うことになる危険があると指摘しました。

 塩川氏は、米国やイギリスはイラク戦争の際、イラクが大量破壊兵器を保有していると断定したが、その後、情報が間違っていたと認めたと指摘。同戦争を起こした米国などを支持した日本政府も情報が誤っていたと認めるかと追及しました。

 外務省の三宅浩史審議官は「大量破壊兵器が確認できなかったことは事実」だと認めながら、情報が誤っていたかについてはまったく答えませんでした。大量破壊兵器がないと判明した段階で米国に問い合わせたのかとただされた木原稔官房長官も「外交上のやりとりに関しては答えられない」と拒否。塩川氏は、米国が間違った情報で始めた戦争に唯々諾々と従うことになると批判しました。

 塩川氏は、元内閣情報官で国家安全保障局長を務めた北村滋氏が、内閣情報官の役割は「日米同盟の陰の庇護(ひご)者」であり、「日米安保体制に確実に組み込まれ、それを支える有力な支柱」だと語っているほか、米シンクタンクの報告書も、日本の情報活動の現状は「同盟の最大の弱点」だとし、情報機関の「縦割り」を是正すべきだと指摘していると指摘。これらの事実からも、米国の要求に従い、内閣情報官が統括する内閣情報調査室などの情報機関や省庁を一体として「インテリジェンスコミュニティ」を強化するのが同法案の狙いだと明らかにしました。

 その上で、「米国が行ってきた先制攻撃に組み込まれ、日本の戦争国家づくりを強化することになる」と指摘しました。

 塩川氏は、過去には官房機密費が政治評論家に配られたほか、消費税導入のために年額5億円も使用されたことを示す証言や文書を示し追及。「適正な執行をしていく」と繰り返すだけの木原官房長官に対し塩川氏は「情報機関が世論誘導、政界工作の一端を担うようなことは断じて認めることができない」と批判しました。


「議事録」

第221回特別国会 令和8年4月15日(水曜日)内閣委員会 第4号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 国家情報会議設置法案について質問いたします。

 最初に、外務省にお尋ねをいたします。

 二〇〇三年のイラク戦争についてですが、米国のブッシュ大統領、英国のブレア首相は、イラクへの軍事攻撃を開始する際に、イラクは大量破壊兵器を保有していると繰り返し断定し、それを戦争の最大の理由としました。当時の小泉総理も、イラクは大量破壊兵器を保有していると断定をし、それを最大の理由として米英の軍事攻撃への支持を表明しました。にもかかわらず、大量破壊兵器は存在しなかった。

 この事実を前にして、ブッシュ大統領は、イラクの大量破壊兵器に関する情報機関の分析は誤りであることが判明したと、この情報の誤りを認めました。ブレア首相も、情報の誤りについては責任を感じていると表明しております。米英とも当事者たちは、戦争を開始したことが間違っていたとは認めておりませんが、大量破壊兵器の保有という情報が誤っていた、認識の誤りがあったと認めています。

 そこで、日本政府としても、イラクにおける大量破壊兵器の保有という情報が誤っていたということを認めますか。

○三宅政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のイラク戦争の核心は、イラクがクウェートに侵攻して国際社会の信頼を失っている中、査察への協力を通じて大量破壊兵器の廃棄を自ら証明すべき立場にあったイラクが、即時無条件の査察受入れを求める安保理決議に違反し続け、大量破壊兵器の不存在を積極的に証明しなかったことにあると考えております。

 政府としましては、二〇〇三年のイラクに対する武力行使は、国際の平和及び安全を回復するという目的のために武力行使を認める国連憲章第七章の下で採決された関連する安保理決議により正当化されるとの立場でありまして、米国等によるイラクに対する武力行使を支持した我が国政府の判断は妥当性を失うものではないと考えております。

○塩川委員 ですから、日本政府として、イラクにおける大量破壊兵器の保有という情報が誤っていたということを認めますか。

○三宅政府参考人 お答え申し上げます。

 事後、イラクの大量破壊兵器が確認できなかったということは事実でございます。

○塩川委員 いや、ですから、事後、イラクの大量破壊兵器が確認できなかったということですけれども、ですから、大量破壊兵器の保有という情報が誤っていたということは認めるわけですね。

○三宅政府参考人 繰り返しになりますが、イラクの大量破壊兵器につきましては、二〇〇四年十月に発表された米国中央情報局長官特別顧問による包括的報告によれば、イラクに大量破壊兵器が存在しないことはほぼ確実になったと判断されたと承知しております。

 これを受けまして、事後、イラクの大量破壊兵器は確認できなかったということは事実であると認識しております。

○塩川委員 いや、ですから、聞いたことに答えていないんですよ。大量破壊兵器の保有という情報が間違っていたということは日本政府として認めたのか。もう一回。

○三宅政府参考人 恐縮ながら、繰り返しになりますが、事後、イラクの大量破壊兵器が確認できなかったということは事実であると認識しておるところでございます。

○塩川委員 答えないんですよ。こんな根本の問題について答えないということで、政府の姿勢の根本が問われる大問題であります。

 ですから、この間、外務省の報告書などでも、今、「大量破壊兵器が確認できなかったとの事実については、我が国としても厳粛に受け止める必要がある。」と言っているだけで、こういった情報が誤っていたということは一貫して認めていないのが日本政府の対応であります。極めて重大であるわけです。

 重ねて聞きますけれども、イラクに大量破壊兵器が存在しないことが明らかになった段階で、アメリカ政府もそのことは認めたわけです。誤りも認めたわけですけれども、イラクに大量破壊兵器が存在しないことが明らかになった段階で、日本政府として米国政府にその点についての説明を求めたんですか。

○三宅政府参考人 お答え申し上げます。

 米国とは様々な事項について意思疎通を行ってきております。

 他方、お尋ねの件につきましては、外交上のやり取りに関するものであり、お答えすることはできない旨御理解願えればと思います。

○塩川委員 いやいや、アメリカ政府が認めたことについて、事実かどうかという問合せもしなかったということなんですか。公に公表されているものについて、日本政府として問合せもしなかったということなんですか。

○三宅政府参考人 繰り返しになりまして恐縮でございます。お尋ねの件につきましては、外交上のやり取りに関するものでありまして、お答えできない旨御理解願えればと思います。

○塩川委員 大量破壊兵器の保有という情報が誤っていたということについての認識も明らかにしませんし、このように、アメリカ政府に問合せをしたということも言えないという点でいいますと、官房長官、お尋ねしますけれども、こういった情報の誤りを認めず、誤りを認めたアメリカにも説明も求めない。こんなことでは、今後、間違った情報で始めたアメリカの戦争に対して、アメリカの情報をうのみにしたままその戦争を支持するということになりはしませんか。

○木原国務大臣 今委員は様々仮定の質問をされておりますし、また、まさに相手のあることですから、同盟国、同志国との関係もあり、外交上のやり取りに関しては、これはお答えができないということは御了解いただきたい上で、そういった御懸念やまた御心配の点がないようにしっかりと進めていくということに尽きると思っております。

○塩川委員 ですから、自ら認めないし、アメリカにも確認もしないということは、アメリカの情報のままに唯々諾々とつき従っていく、イラン戦争の問題でもそういうことが問われているんじゃないでしょうか。こういう点でも極めて重大な対応で、その下でのこの情報機関の権能を強化する方向での国家情報会議の設置というのは極めて重大な問題だと言わざるを得ません。

 そこで、アメリカとの関係ですけれども、元内閣情報官で国家安全保障局長も務めた北村滋氏は、その著作の中で、内閣情報調査室を統括する内閣情報官の機能の一つとして日米同盟の陰の庇護者としての役割というのを挙げて、内閣情報官は日米安保体制に確実に組み込まれ、それを支える有力な支柱としての役割を期待されていると述べておりますが、官房長官も同様の認識でしょうか。

○木原国務大臣 今の委員の御指摘の当事者は、かつて内閣情報官やまた国家安全保障局長を務めた人物だと承知しておりますが、もう今や退官された一個人でありますし、今の内容というのは執筆した著作の内容に関わることだと思いますので、今ここで政府の立場としてその点はコメントすることは差し控えなければいけないと思っております。

 しかし、一般論として申し上げれば、我が国は米国を始めとする関係国とは平素から緊密に連携をしておりまして、情報分野においても様々な協力関係というのは構築をしております。

 その上で、内閣情報官についてですが、この職種は、外国の情報機関幹部と意見交換を行うことなどを通じて関係国との協力、連携体制の強化に努めているものと承知をしております。

○塩川委員 そうしますと、北村さんも役割として挙げている日米同盟の陰の庇護者としての役割が内閣情報官にあるということでよろしいでしょうか。

○木原国務大臣 そのようなことは言っておりません。

 同盟国である米国とも、その情報機関幹部と意見交換を行うということは、これは職務であり、協力、連携体制の強化の一環として、その職務の一環として努めているというふうに承知しております。

○塩川委員 インテリジェンスコミュニティーの強化については、アメリカ側からも様々な形での日本への要求が寄せられていると承知をしています。

 例えば、二〇二四年のアーミテージ・ナイ報告においては、日本のインテリジェンスを同盟の最大の弱点と述べて、情報機関の縦割りの是正について強く指摘をしております。今回の法案は、まさにその部分を解消しようとする、そういう性格のものになっているのではありませんか。

○岡政府参考人 お尋ねのあった本法案の趣旨、目的でございますけれども、閣僚級の国家情報会議を設置することによりまして、強い政治のリーダーシップの下で、政府一体となって情報活動を推進していくということ。それから、それを支える事務局に総合調整機能、企画立案機能などを設けまして、できるだけ各省庁が保有している様々な情報収集手段あるいは情報源を最大限活用できるような情報の相互の集約を行いまして、それによりまして我が国の重要な安全保障政策などを情報面から支えていく、そういう制度でございます。

○塩川委員 同盟国との、米国との関係についてはお述べにならない。やはり今回の法案というのが、アメリカ側の要求にも基づくインテリジェンス体制の強化となる、そういった点でも、アメリカが行ってきた先制攻撃に組み込まれるような、日本の戦争国家づくりを強化することになるという性格を持つという点では、極めて重大だということを言わなければなりません。

 もう一つ取り上げたいのが、官房機密費のことであります。内閣官房長官が扱う内閣官房報償費、いわゆる官房機密費についてですけれども、総額は幾らで、政策推進費、調査情報対策費、活動関係費のそれぞれの金額、使用目的、主な使途を明らかにしていただけますか。

○風早政府参考人 御指摘の内閣官房報償費の令和七年度予算額は約十二億三千万円でございます。

 また、この報償費の執行は、施策の円滑かつ効果的な推進のため、官房長官としての高度な政策的判断により、機動的に使用することが必要な経費である政策推進費、施策の円滑かつ効果的な推進のため、その時々の状況に応じ必要な情報を得るために必要な経費である調査情報対策費、これらの活動が円滑に行われ、所期の目的が達成されるよう、これらを支援するために必要な経費である活動関係費の三つの目的類型ごとに、それぞれの目的に照らして行っているところでございます。それぞれの類型ごとに予算区分があるわけではございません。

 なお、内閣官房報償費は、国の機密保持上、その使途などを明らかにすることが適当でない性格の経費として使用されてきておりまして、その個別具体的な使途に関するお尋ねについては、お答えを差し控えさせていただきます。

○塩川委員 具体的な説明はありませんでした。

 内閣情報調査室の採用案内、この委員会でも随分紹介されておりますけれども、私も拝見しました。そこには、内閣情報調査室の業務について記載をされております。その中には、学識経験者の提言取りまとめ業務や各界の専門家との意見交換などがあります。有識者というチャンネルを用いて情報収集を行う。国政に精通した人に会って、官邸にとって必要な情報を収集しているという話であります。

 この点で、過去にいろいろな発言があるわけですけれども、例えば、二〇一〇年のテレビ番組で、野中広務元官房長官が官房機密費の使途について発言をしておられます。官房長官就任時、内閣官房の担当者から、過去に機密費を渡した先が詳しく記載されているノート、引継ぎ帳を手渡されたということです。その中で、複数の政治評論家に盆暮れに配っていたという話でした。政治評論をしている人に盆暮れにお届けするというのは、額まで書いてあった、あれだけテレビで正義の先頭を切るようなことを言っている人がこんな金を平気で受け取るのかなと思いましたと。

 こういったお金の使い方を、官房機密費、しているんでしょうか。

○風早政府参考人 報道等にございます個人の御発言について、政府の立場でお答えをすることは差し控えさせていただきます。

 繰り返しになりますが、内閣官房報償費は、国の機密保持上、その使途などを明らかにすることが適当でない性格の経費として使用されております。その個別具体的な使途に関するお尋ねについては、お答えを差し控えさせていただいているところでございます。

○塩川委員 平野貞夫元参議院議員も同様の発言をしておられて、一九九四年当時ですけれども、熊谷官房長官から預かった三十万円程度のお金を評論家に渡すと、彼は自然に受け取ったと。

 このように、政府として、時の政権の意向に沿った世論誘導につながるような官房機密費等の使い方をしているのではないのか、こういう疑念というのは当然あるわけであります。

 紹介をしました採用案内にもあるような、専門家、学識経験者とのつながりというのを、こういう形で、お金のやり取りも含めて、世論誘導にもつながるようなことを行っているのではないのか、こういうことについてはきっぱりとやめるべきではないかと思いますが、官房長官、いかがですか。

○木原国務大臣 内閣官房長官、私が管理する内閣官房報償費ですが、国の機密保持上、その使途等を明らかにすることが適当でない性格の経費として使用されてきており、その個別具体的な使途に関するお尋ねは、従来どおり、これはお答えは差し控えなければいけません。

 いずれにしましても、内閣官房報償費は、取扱責任者である私の判断と責任の下で、厳正で効果的な執行を行っておりますので、国民の不信を、あるいは議員の不信を招くことがないように、適正な執行というのを徹底してまいります。

○塩川委員 国民の不信を招くことのないように適正な執行に努めるということですけれども、そういう点でいえば、過去どうだったかというのをしっかりと検証することが必要だと思います。

 例えば、「報償費について」と題する内閣官房作成の文書、いわゆる古川ペーパーと称される文書が、この間も国会でも議論になってまいりました。新税の円滑実施のため、すなわち、国民の反対を押し切って強行した消費税の導入のために、国会対策として年額五億円という巨額の機密費を使ったことが明記をされていたわけであります。筆跡鑑定で古川官房副長官が作成した文書だろうということも推定されたところでありまして、このような、時の政権の最大の政治課題、消費税の導入のために、まさにこういった官房機密費を使って政界工作を行っていたのではないか。

 この官房機密費については、大体同じ額だったのが、一九八九年当時、一気に外務省の報償費と合わせて五億円増えているわけです。その後また戻るわけですから。こういった五億円増えていることについて、しっかりと、これはどうだったのかという検証が必要ではないでしょうか。

 こういった、政権交代で金庫が空になるような、民主党政権のときの対応も問題だったわけで、情報機関が世論工作、世論誘導、政界工作の一端を担うようなことは断じて認めることができない。

 この消費税導入に当たっての五億円の増額、きちっと検証すべきではありませんか。

○山下委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔に願います。

○木原国務大臣 内閣官房報償費ですが、これは会計検査の対象として半期に一度必要な検査を受けているところでもあります。

 いずれにしましても、厳正で効果的な執行を行っておりますので、今後とも適正な執行を徹底してまいるところでございます。

○塩川委員 終わります。