【内閣委員会】国家情報会議設置法案/官房機密費で世論誘導/権力維持のため情報操作

 私は、「国家情報会議」設置法案を巡り、官房長官が管理し、同法案で「国家情報局」に昇格する「内閣情報調査室(内調)」も運用に関わる、内閣官房報償費(官房機密費)が世論誘導・政界工作に使われてきた問題を追及しました。

 民主党政権時の2009年、私の質問に対し当時の平野博文官房長官が国会で、自民党から政権を引き継いだ際に機密費を扱う金庫にお金が「まったくなかった」と答弁しています。同年8月30日投票の総選挙で自民党の麻生政権が敗北した直後の9月10日に、同政権の官房長官が自ら「政策推進費」に2億5千万円を繰り入れ、政権が自民党から民主党に交代した同16日の受払簿では全て使用していたことになります。この点について木原稔官房長官も認めました。私は使途を明らかにすべきだと追及、木原官房長官は「当時の状況は詳3細に把握していない」と答えられませんでした。

 私は、機密費のうち「政策推進費」は支払時期、金額、相手方の記帳の必要がなく領収書不要だと指摘。木原氏は、領収書は必ずしもそろっていないが「官房長官の判断と責任で厳正で効果的な執行を行っている」と強弁するばかりです。私は領収書もそろっておらず官房長官が自ら出納管理するのに適正性は担保されるのかと批判しました。この点について、自民党の菅義偉氏が官房長官時代に国会答弁で、会計検査院から特に申し出があった場合以外は、機密費の執行に関し自ら直接説明を行うことはないと述べていたことを指摘。「情報収集の名目で世論誘導・政界工作に多額の税金をつぎ込んできたのが官房機密費だ。時の政権の権力維持のため情報操作を強めるもので政治腐敗を招く。不透明な金の流れは認められない」と断じました。

<反対討論>
 日本共産党を代表して、「国家情報会議設置法案」について、反対討論を行います。
 本案は「スパイ活動」の司令塔として国家情報会議を設置し、官邸の意向がさらにダイレクトに警察や自衛隊といった各情報機関に伝わることとなり、さらに資料など提供させる義務を規定することで官邸への情報集約が強化されるものです。

 重大なことは、戦争する国づくりと一体のものだということです。安保三文書では、日米で共同の情報収集や目標捕捉などの能力・活動の強化や、統合防空ミサイル能力強化が明記されました。情報分野における対米従属を一層強化するものです。情報収集機能を強化する本案は、米国の無法な先制攻撃に加担する日米同盟体制の強化をさらに加速することは明らかです。こうした政府による情報収集能力の強化が米国言いなり・財界中心の経済安保体制づくりと結びついていることも容認できません。

 また、各情報機関が引き起こしてきた市民監視や人権侵害を拡大するという点です。イラク戦争時に自衛隊の派遣に反対する市民運動を幅広く監視していた自衛隊情報保全隊市民監視事件をはじめ、大垣警察市民監視事件、大川原化工機冤罪事件など、枚挙に暇がありません。司法において断罪されてきたにもかかわらず、政府は反省はおろか被害者への謝罪も行うつもりがないことが明らかとなりました。この点については斎藤参考人が「違法に集められた市民の情報が情報共有されるということになる」とその危険性を指摘しています。表現の自由や思想信条の自由、プライバシー権など憲法が保障する基本的人権をないがしろにするものです。

 さらに、時の政権による世論誘導・政界工作が拡大するという点です。本案により国家情報局へと強化される内閣情報調査室は、内閣官房報償費、機密費の運用にも関わり、学識経験者や各界の知識人との接触を業務の一つとしています。その機密費は、マスコミや各界知識人などに対する“付け届け”や、消費税導入時に野党工作のため10億円も注ぎ込まれるなどしてきました。本案はそうした政権による自身の権力維持のための情報操作を強めるものです。

 国家情報会議は、自民・維新の政権合意書に掲げられた、「スパイ防止関連法制」や「対外情報庁」設立を具体化する場であり、憲法9条や基本的人権を踏みにじる体制作りは断じて許されません。本法案の廃案を強く求めます。

 国民民主党提出の法案は閣法の問題点を解決するものではなく、賛成できません。

 以上、討論を終わります。

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人権侵害・世論誘導を拡大/衆院委/国家情報会議法案を可決/共産党反対 塩川氏討論

「しんぶん赤旗」4月23日・1面より

 政府のインテリジェンス(情報活動)機能を強化する「国家情報会議」設置法案が22日の衆院内閣委員会で、自民党、日本維新の会、中道改革連合、国民民主党、参政党、チームみらいなどの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対。塩川鉄也議員は討論で、同法案は戦争する国づくりと一体で、市民監視や人権侵害、政権による世論誘導・政界工作を拡大すると批判。「憲法9条や基本的人権を踏みにじる体制づくりは断じて許されない」として廃案を求めました。(関連2面)

 同法案は「スパイ活動」の司令塔として「国家情報会議」と「国家情報局」を設置します。塩川氏は「安保3文書」は日米共同の情報収集や目標捕捉などの能力・活動強化や統合防空ミサイル能力強化を明記していると指摘。情報収集機能を強化する同法案は「米国の無法な先制攻撃に加担する日米同盟体制の強化をさらに加速させることは明らかだ」と強調しました。

 イラク戦争時の自衛隊情報保全隊の市民監視事件をはじめ自衛隊や警察など各情報機関による数々の国民監視や人権侵害について、政府は反省も謝罪もしていないことが質疑で明らかになったと指摘。法案は「表現の自由や思想信条の自由、プライバシー権など憲法が保障する基本的人権をないがしろにするものだ」と厳しく批判しました。


官房機密費で世論誘導/塩川氏「権力維持のため情報操作」/衆院内閣委

「しんぶん赤旗」4月23日・2面より

 日本共産党の塩川鉄也議員は22日の衆院内閣委員会で、「国家情報会議」設置法案を巡り、官房長官が管理し、同法案で「国家情報局」に昇格する「内閣情報調査室(内調)」も運用に関わる内閣官房報償費(官房機密費)が世論誘導・政界工作に使われてきた問題を追及しました。

 機密費を巡っては、民主党政権時の2009年の塩川氏の質問に対し当時の平野博文官房長官が、自民党から政権を引き継いだとき機密費を扱う金庫にお金が「まったくなかった」と答弁しています。同年8月30日投票の総選挙で自民党の麻生政権が敗北した直後の9月10日に同政権の官房長官が自ら「政策推進費」に2億5千万円を繰り入れ、政権が自民党から民主党に交代した同16日の受払簿で全額使用していました。

 事実関係をただした塩川氏に対し、木原稔官房長官は支出の事実を認めました。塩川氏は、使途を明らかにすべきだと追及。木原長官は「当時の状況は詳細に把握していない」などと説明を拒否しました。

 塩川氏は、機密費のうち「政策推進費」は支払時期、金額、支払先の記帳の必要がなく領収書も不要だと指摘。木原氏は、領収書は必ずしもそろっていないが「官房長官の判断と責任で厳正で効果的な執行を行っている」と開き直りました。塩川氏は領収書もそろっておらず官房長官が自ら出納管理するのに適正性は担保されるのかと疑問を投げかけました。

 自民党の菅義偉氏が官房長官時代の国会答弁で、会計検査院から特に申し出がないかぎり、機密費の執行に関し自ら直接説明を行うことはないと述べていたと指摘。「情報収集の名目で世論誘導・政界工作に多額の税金をつぎ込んできたのが官房機密費だ。時の政権の権力維持のため情報操作を強めるもので政治腐敗を招く。不透明な金の流れは認められない」と断じました。


「国家情報会議」設置法案/衆院内閣委/塩川議員の反対討論(要旨)

「しんぶん赤旗」4月24日・6面より

 日本共産党の塩川鉄也議員が22日の衆院内閣委員会で行った「国家情報会議」設置法案に対する反対討論の要旨は次の通りです。

 法案は「スパイ活動」の司令塔として国家情報会議を設置し、官邸の意向がさらにダイレクトに警察や自衛隊といった各情報機関に伝わることとなり、さらに資料などを提供させる義務を規定することで官邸への情報集約が強化されます。

 重大なことは、戦争する国づくりと一体のものだということです。安保3文書では、日米で共同の情報収集や目標捕捉などの能力・活動の強化や、統合防空ミサイル能力強化が明記されました。情報分野での対米従属を一層強化するものです。法案が米国の無法な先制攻撃に加担する日米同盟体制の強化をさらに加速させることは明らかです。こうした政府による情報収集能力の強化が米国言いなり・財界中心の経済安保体制づくりと結びついていることも容認できません。

 また、各情報機関が引き起こしてきた市民監視や人権侵害を拡大する点です。イラク戦争時に自衛隊の派遣に反対する市民運動を幅広く監視していた自衛隊情報保全隊市民監視事件や大垣警察市民監視事件、大川原加工機冤罪(えんざい)事件など枚挙にいとまがありません。司法で断罪されてきたにもかかわらず、政府は反省はおろか被害者に謝罪するつもりもないことが明らかとなりました。参考人の齋藤裕弁護士が「違法に集められた市民の情報が情報共有されるということになる」危険性を指摘しています。表現の自由や思想信条の自由、プライバシー権など憲法が保障する基本的人権をないがしろにするものです。

 さらに、時の政権による世論誘導・政界工作が拡大する点です。国家情報局へと強化される内閣情報調査室は、内閣官房報償費=機密費の運用にもかかわり、学識経験者や各界知識人との接触を業務の一つとしています。機密費はマスコミや各界知識人などへの“付け届け”や、消費税導入時に野党工作のため10億円も注ぎ込まれるなどしてきました。法案はそうした政権自身の権力維持のための情報操作を強めるものです。

 国家情報会議は自民・維新の連立政権合意書に掲げた「スパイ防止関連法制」や「対外情報庁」設立を具体化する場で、憲法9条や基本的人権を踏みにじる体制づくりは断じて許されません。廃案を強く求めます。


「議事録」

第221回特別国会 令和8年4月22日(水曜日)内閣委員会 第7号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 国家情報会議設置法案について質問をいたします。

 これまでの委員会の中でも取り上げてまいりました大垣警察市民監視事件ですけれども、二〇二四年、名古屋高裁は、警察による個人情報収集と中部電力子会社への情報提供を違法とし、個人情報の抹消を命じました。

 十七日の当委員会で、違法判決を受けた警察は原告に対して謝罪を行ったのかとあかま国家公安委員長にお尋ねいたしましたが、その際には、判決を重く受け止めると繰り返すだけでありました。

 改めてお尋ねをいたします。違法判決を受けた警察は原告に対して謝罪を行ったんでしょうか。

○あかま国務大臣 違法判決を受けて、岐阜県警察は、原告の方々に対して、これまで謝罪またおわびという言葉を用いたことはないものというふうに承知をしております。

 他方で、私の方でこれまでも、判決を重く受け止めていると申し上げた、その趣旨でございますけれども、判決で大垣署員の活動が違法とされたこと、これを真摯に受け止め、改めるべきことは改めなければならない、そういう思いを込めたものでございます。

 また、岐阜県警察において、原告の方々との面会、さらには県議会等の場でその思いをお伝えしてきたものというふうに承知をしております。

○塩川委員 謝罪、おわびという言葉を原告の皆さんに使っていないと。改めるべきは改めるといっても、そもそも謝罪がないんですから、その大本が欠けているわけで、警察は違法判決を受けても当事者に謝罪、おわびをしていない。判決を真摯に受け止めると言うだけでは反省がないと言わなければなりません。

 もう一つ、自衛隊情報保全隊の市民監視事件もあります。

 防衛省にお尋ねします。米国のイラク戦争が始まった二〇〇三年、イラク戦争に反対し、イラクへの自衛隊派遣に反対する市民の活動を監視し、情報収集していた事件であります。市民のプライバシー権や表現の自由の侵害が問われ、仙台高裁判決において違法の判決が行われました。防衛省として上告をせず、違法の判決が確定をしました。

 人権侵害が違法とされた情報保全隊市民監視事件について、政府として当事者に謝罪をしたんでしょうか。

○松尾政府参考人 お答えいたします。

 自衛隊情報保全隊による情報収集活動の停止を求めた裁判につきまして、防衛省としては、国の主張が一部認められなかったというところではありますけれども、司法による判断を厳粛に受け止め、情報保全隊が防衛省・自衛隊の所掌事務の、任務の範囲内で関係法令に従って適切な方法で情報収集に今後努めていくよう徹底をしているところでございます。

 本件の判決を受けまして、司法の判断を重く受け止めるという観点から、プライバシー侵害が認定された原告の方一名につきまして、賠償金十万円を速やかに支払ったところでございます。

 また、判決の趣旨を踏まえまして、情報保全隊が関係法令に従って適切な方法で情報収集を行うということを徹底するべく、部内の規則におきまして、基本方針として、個人情報の適切な取扱いなどコンプライアンスの確保を図るため、関係法令に関する教育内容の充実を図るとともに、部隊における指導を徹底するということも定めてございます。こういったことを徹底すべく、個人情報の適切な取扱いを含めたコンプライアンスについて、自衛隊において教育及び検査を徹底をしているところでございます。

○塩川委員 賠償金を払ったと。謝罪したんですか。

○松尾政府参考人 判決を受けまして、謝罪、おわびというような言葉を使っているわけではございませんけれども、司法の判断を重く受け止めるという観点で、今後こういったことが起きることがないように、部内における教育なども含めて徹底をしているところでございます。

○塩川委員 重く受け止めると言うだけで、謝罪、おわびという言葉を使っていないんですから、謝罪がないままなんですよ。そういう点でも、自衛隊も、そして警察も、違法判決が出されても全く謝罪も反省もないということが改めて明らかになりました。

 官房長官にお尋ねをいたします。

 高市総理が、政府の政策に反対するデモや集会に参加していることのみを理由として調査の対象になることは想定し難いと述べましたが、実際には、イラク戦争に反対するデモや集会に参加しただけで監視対象となっていた。

 本法案は、情報機関が違法に収集した情報の共有を拡大をし、市民監視、人権侵害を強化する、そういうものとなるのではありませんか。

○木原国務大臣 これまでも度々答弁を差し上げておりますが、本法案ですが、国家情報会議及びそれを支える事務局としての国家情報局を設置して、インテリジェンスの司令塔機能を強化することで、複雑で厳しい国際環境の下においても危機を未然に防ぎ、国民の皆様の安全や安心、そして国益を守り抜くことを目的としたものであります。

 また、本法案ですが、行政機関相互の関係を律するものであり、国家情報会議にも、国家情報局にも、その他の行政機関においても、国民の権利義務に直接関わるような権限規定を設けるものではありません。組織法であります。国家情報局による総合調整の対象となる各省庁の事務は、それぞれの主任の大臣により分担管理されておりますので、各大臣の監督の下、これまでと全く同じ所掌事務や権限に基づいて情報活動を適切に行うものであります。

 本法案は、このことに何ら変更を加えるものではありません。したがって、お尋ねのような監視を強化するものでもなく、人権を侵害するようなものでもありませんし、むしろ国民の皆様の安全、安心や国益の確保に資するものと考えております。

○塩川委員 市民監視、このような人権侵害について謝罪も反省もないんですから、そういった総合調整を行うそれぞれの各機関のこういった誤りに対して何の反省もない中では、総合調整を担う司令塔そのものが、このような人権侵害を更に拡大するものになると言わざるを得ないということを強く指摘をしておくものであります。

 もう一つ、内閣官房長官が管理をする内閣官房報償費、いわゆる官房機密費についてお尋ねをいたします。

 情報収集という名目で官房機密費が世論誘導や政界工作に使われてきたことを、当委員会でも指摘をしてまいりました。その上で、私は、二〇〇九年、民主党政権が誕生したときに、当時の平野官房長官に官房機密費について質問をいたしました。麻生自公政権から政権を引き継いだときに金庫の中に幾ら残っていたのかと尋ねると、平野長官は、「コメントはしたくありませんが、全くございませんでした。」と答弁をいたしました。

 金庫の中は空だったということですけれども、この件については御承知でしょうか。

○木原国務大臣 内閣官房報償費ですが、内政、外交を円滑かつ効果的に遂行するための、機動的に使用するということが必要な経費であり、取扱責任者である内閣官房長官の判断と責任の下で、厳正で効果的な執行を行っております。

 お尋ねについてですが、政策推進費受払簿の記録を確認しましたが、平成二十一年九月十日に二億五千万円の繰入れがあり、平成二十一年九月十六日までに同額が支出されたものと承知をしております。

○塩川委員 二〇〇九年の八月三十日が総選挙の投開票日なんですよ。それで政権交代となるということで、そのときの麻生政権の官房長官が河村建夫長官だったわけであります。

 麻生政権、与党が敗北をし、今説明がありましたように、その直後の九月十日の政策推進費受払簿において、官房長官自らが出納管理する政策推進費に二億五千万円を繰り入れたんです。さらに、九月十六日の受払簿の記録で、この日までに二億五千万全てを支出をしているということなんですよね。

 九月十六日は、総選挙後の特別国会において麻生内閣が総辞職をした日、鳩山内閣が発足をした日であります。官房機密費は年間十二億円余りであり、そのほとんどが官房長官のみが取り扱う政策推進費であります。月に平均すれば一億円ぐらいのお金が扱われるということですけれども、退陣する政権の官房長官が八月三十日に選挙で負けて、九月十六日に新しい鳩山内閣が発足をする、その僅か半月の間に二億五千万円ものお金を何に使ったのか、こういうことはしっかりと明らかにすべきじゃありませんか。

○木原国務大臣 内閣官房長官が管理をします内閣官房報償費ですが、国の機密保持上、その使途等を明らかにすることが適当でない性格の経費として使用されてきております。したがって、その個別具体的な使途に関するお尋ねについてはお答えは差し控えてきたところでございます。

 いずれにしましても、内閣官房報償費は、取扱責任者である官房長官の判断と責任の下、厳正で効果的な執行を行っているところであり、適正な執行というのを徹底してまいりたいと存じます。

○塩川委員 厳正で効果的な執行といいますけれども、実際、だって二億五千万円が、退陣する政権ですよ、退陣する政権が、二億五千万、何が必要なんですか。常識的に考えておかしいと思いませんか。

○木原国務大臣 当時の状況は、私は詳細には把握しておりませんので、答えようがございません。

○塩川委員 まさに官房機密費を取り扱っている官房長官自身、過去のこういったお金の在り方についても、それはやはり必要な検証というのを行ってこそ、皆さん方が言う効果的な活用になるという話でありまして、実際にはつかみ金になっていたんじゃないのかという点が問われているわけであります。

 木原長官にお尋ねしますが、この内閣官房報償費のうち政策推進費というのは、官房長官自らが出納管理をし、領収書を必要としない費用ということでよろしいでしょうか。

○木原国務大臣 御指摘のありました内閣官房報償費の一類型であります政策推進費ですが、施策の円滑かつ効果的な推進のため、内閣官房長官としての高度な政策的判断によって、機動的に使用することが必要な経費であり、内閣官房長官が直接相手方に支払うものとして取り扱われております。

 領収書についていろいろと御指摘もあるところですが、これは、経費の性格上、必ずしもそろっていない場合もありますが、取扱責任者である内閣官房長官が自ら出納管理を行っており、いずれにしましても、内閣官房長官の判断と責任の下で、厳正で効果的な執行を行っているところです。

○塩川委員 領収書もそろっていない、自ら出納管理すると。じゃ、どうやってその適正性というのが担保されるんですか。

○木原国務大臣 内閣官房報償費につきましては、これは他の経費と同様に、関係書類をお示しし、事務補助者の立会いの下で必要な検査を受けているところでございます。

○塩川委員 政策推進費は官房長官が直接説明するとなっているんじゃありませんか。

○木原国務大臣 繰り返しになりますが、内閣官房において、内閣官房報償費の出納管理の記録や支払い事務の管理等の関係書類というのをお示しします。そして、事務補助者の立会いの下で、半期に一度、必要な検査を受けているところです。政策推進費についても同様であります。

○塩川委員 菅官房長官がその趣旨で答弁をしているときがありまして、会計検査院から特に申出のあった場合は、官房長官自ら説明を行うことになっていると。会計検査院に報償費の執行に関して私が直接に説明を行うことはないが、事務方を通じて毎年検査の場において的確に対応しているという言い方をして、官房長官しか扱えない政策推進費について、官房長官に対し直接の検査というのは行われていないという点でも、このような官房機密費は、情報収集という名目で世論誘導や政界工作に多額の税金をつぎ込んできたものであり、国のこのような、時の政権の権力維持のための情報操作を強めるものであり、政治腐敗を招くものとなっているということで、不透明な金の流れは認められないということを申し上げて、質問を終わります。


○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、国家情報会議設置法案について反対の討論を行います。

 本案は、スパイ活動の司令塔として国家情報会議を設置し、官邸の意向が更にダイレクトに警察や自衛隊といった各情報機関に伝わることとなり、さらに、資料など提供させる義務を規定することで官邸への情報集約が強化されるものです。

 重大なことは、戦争する国づくりと一体のものだということです。

 安保三文書では、日米で共同の情報収集や目標捕捉などの能力、活動の強化や、統合防空ミサイル能力強化が明記されました。情報分野における対米従属を一層強化するものです。情報収集機能を強化する本案は、米国の無法な先制攻撃に加担する日米同盟体制の強化を更に加速することは明らかです。こうした政府による情報収集能力の強化が米国言いなり、財界中心の経済安保体制づくりと結びついていることも容認できません。

 また、各情報機関が引き起こしてきた市民監視や人権侵害を拡大するという点です。

 イラク戦争時に自衛隊の派遣に反対する市民運動を幅広く監視していた自衛隊情報保全隊市民監視事件を始め、大垣警察市民監視事件、大川原化工機冤罪事件など、枚挙にいとまがありません。司法において断罪されてきたにもかかわらず、政府は、反省はおろか、被害者への謝罪も行うつもりがないことが明らかとなりました。この点については、齋藤参考人が、違法に集められた市民の情報が情報共有されるということになると、その危険性を指摘をしています。表現の自由や思想信条の自由、プライバシー権など、憲法が保障する基本的人権をないがしろにするものです。

 さらに、時の政権による世論誘導、政界工作が拡大するという点です。

 本案により国家情報局へと強化される内閣情報調査室は、内閣官房報償費、機密費の運用にも関わり、学識経験者や各界の知識人との接触を業務の一つとしています。その機密費は、マスコミや各界知識人などに対するつけ届けや、消費税導入時に野党工作のため十億円もつぎ込まれるなどしてきました。本案は、そうした政権による自身の権力維持のための情報操作を強めるものです。

 国家情報会議は、自民、維新の連立政権合意書に掲げられたスパイ防止関連法制や対外情報庁設立を具体化する場であり、憲法九条や基本的人権を踏みにじる体制づくりは断じて許されません。本法案の廃案を強く求めるものであります。

 国民民主党提出の法案は、閣法の問題点を解消するものでなく、賛成できません。

 以上、討論を終わります。