私は、自衛隊施設周辺のPFAS汚染について質しました。
環境省は健康リスクを低減するため汚染の範囲や原因の特定の調査を自治体に推奨しています。自治体の要請を受け、自衛隊がその施設内でPFAS等の水質調査を実施した施設は全国8カ所。すべて航空基地です。そのうちの千葉県の下総航空基地の排水口を今年の1月に調査したところ、PFOA,PFOSの合算値で24000ng/Lという高濃度の汚染が確認されました。
私が「汚染の原因は何か」と問うと、防衛省の江原康雄大臣官房審議官は、「原因は不明」と答弁。私は、「PFAS等を含む泡消火剤を使用してきたのは事実か」と追及。江原審議官は「過去にあった」と認め、「浄水器の設置や基地外への流失防止策等の対策を取っている」と答えました。
私は「下総航空基地では浄水器設置直下の数値は下がっているが、周辺地域の河川の数値は高いままだ。土壌の汚染も懸念されている。河川と土壌の調査も必要だ」と指摘。「地元自治体が、基地内の調査を要請した場合、調査するか」と問うと、江原審議官は、「関連自治体と緊密に連絡を取って必要な対応をする」と答えました。
さらに私は、百里基地周辺の井戸で4100ng/LのPFASが検出されたことを挙げ、「百里基地内の調査をすべきでは」と迫ると江原審議官は「同じく適切な対応を取る」と答えました。
自衛隊基地内の調査を/衆院内閣委/塩川氏、PFAS検出ただす
日本共産党の塩川鉄也議員は4月24日の衆院内閣委員会で、自衛隊施設周辺で有害物質の有機フッ素化合物(PFAS)が高濃度で検出されている問題についてただしました。
環境省は健康リスクを低減するため、汚染の範囲や原因特定のための調査を地方自治体に推奨しています。自治体の要請を受け、自衛隊は全国8カ所の航空基地でPFAS等の水質調査を実施。そのうち、今年1月に海上自衛隊下総航空基地(千葉県)の排水口で、PFASの一種のPFOAとPFOSの合算値で1リットル当たり2万4000ナノグラムという高濃度の値が検出されました。
塩川氏が汚染の原因をただしたのに対し、防衛省の江原康雄大臣官房審議官は「原因は不明」と答弁。塩川氏が「PFAS等を含む泡消火剤を使用してきたことは事実か」と追及すると、江原審議官は過去に使用していたことを認め、「浄水器の設置や基地外への流出防止対策をとっている」と述べました。
塩川氏は、同基地で浄水器を設置した直下地の数値は下がっているが、基地周辺地域の河川の数値は高いままだと指摘。土壌汚染の懸念もあるとして河川と土壌の調査が必要だと強調し、「地元自治体が基地内の調査を要請した場合、調査を行うか」とただしました。江原審議官は「関連自治体と緊密に連絡をとり、必要な対応をとる」と答えました。
塩川氏は、航空自衛隊百里基地(茨城県)周辺の井戸でPFOSとPFOAの合算値で1リットル当たり4100ナノグラムが検出されたとして、同基地内の調査を要求。江原審議官は「適切な対応をとる」と応じました。
「議事録」
第221回特別国会 令和8年4月24日(金曜日)内閣委員会 第8号
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
今日は、PFAS汚染の問題について質問をいたします。
最初に、汚染源特定の取組の関係ですけれども、環境省は三月二十七日、二〇二四年度公共用水域水質測定結果及び地下水測定結果を発表し、PFOS及びPFOAの指針値である五十ナノグラム・パー・リットルを超過した地下水や河川が全国で二十六都府県、六百二十九地点、新たに百三十地点で確認されたことが分かりました。河川や地下水の汚染地点が増えております。
環境省のPFASハンドブックでは、自治体に対して、水環境中のPFOS、PFOAの指針値超過時の対応として、「汚染範囲の把握や排出源の特定のための追加調査等を行うことが期待されます。」としています。
環境省にお尋ねいたします。
なぜ、自治体が汚染範囲の把握や排出源の特定のための追加調査等を行うことを期待しているんでしょうか。
○高城政府参考人 お答え申し上げます。
PFOS等に係る指針値の超過、これが確認された場合には、健康リスクを低減するために、飲用による暴露の防止が徹底されることが重要でございます。このため、調査等の実施主体である関係自治体において汚染の範囲の把握、それから暴露防止等が行われるよう、技術的な助言を行っているところでございます。
このような観点から、ただいま委員御指摘のPFASハンドブックでは、「地域の実情に応じて、飲用摂取の防止、継続的な監視調査、汚染範囲の把握や排出源の特定のための追加調査等を行うことが期待されます。」と記載しているところでございます。
○塩川委員 健康リスクを低減するためだということであります。環境省は、自治体が汚染範囲の把握や排出源の特定のための調査をすることを推奨しているわけであります。
そこで、防衛省にお尋ねいたします。
自治体の要請を受けて基地内のPFOS等の水質調査を実施した自衛隊施設はどこか、その施設名を挙げていただけますか。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
関係自治体の要請を受け、基地内におけるPFOS及びPFOAの水質調査を実施した自衛隊施設について申し上げますと、陸上自衛隊では北宇都宮駐屯地、海上自衛隊では下総航空基地、航空自衛隊では浜松基地、岐阜基地、芦屋基地、築城基地、新田原基地、那覇基地の八施設でございます。
○塩川委員 八施設、航空基地のところということであります。
そのうち、下総航空基地の水質調査の結果はどうなっているでしょうか。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
下総航空基地の直近の水質調査について申し上げますと、令和八年一月に基地内雨水排水口三か所を調査いたしまして、その結果は、PFOS及びPFOAの合算値で、うち二か所はそれぞれ一リットル当たり二万四千ナノグラム、千ナノグラム、残りの一か所は排水がなく測定不可であったところでございます。
現在、下総航空基地では、PFOS及びPFOA濃度低減対策の調査検討業務を実施しており、これら雨水排水口に処理装置を設置し、処理後の排水は基準値以下となっているところでございます。
○塩川委員 二万四千という非常に高い濃度のPFASが検出されたということですけれども、なぜ二万四千という高い数値が出るのか、要因は何なのか。この点はどうでしょうか。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
自衛隊施設との因果関係は必ずしも明らかでないところでございますが、防衛省としては、必要な関係自治体様や関係省庁様と協力をしていきたいと考えております。
○塩川委員 でも、汚染が出ていますよと。
汚染源が何なのかというようなことについては明らかにしないんですか。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
関係自治体様から調査の要請があったときには、これまでも関係自治体様の調査にできる限り協力してきたところでございまして、今後とも、関係省庁や関係自治体とも緊密に連携し、必要な対応を取ってまいります。
○塩川委員 航空機事故などがあったときに、消火のための泡消火薬剤、その中にPFOSが含まれているということは事実ですよね。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
防衛省では、全ての自衛隊施設において、令和六年九月までにPFOSを含む泡消火薬剤の交換、処分を、また令和七年三月までにPFOS及びPFOAが混入した泡消火設備専用水槽の交換、処分を完了したところでございます。
○塩川委員 過去、PFOS、PFOAを含有する泡消火薬剤を使ってきたということはありますね。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
今直ちに具体的日時について申し上げられるデータを持ち合わせておりませんが、過去にあったことはあると思います。
○塩川委員 航空機事故等に備えて、自衛隊の航空基地においても、PFOS含有の泡消火薬剤がかつて使用されているということであります。それが実際には基地外にも流出するという状況にあるわけで、先ほどもちょっと説明がありましたけれども、自治体から流出防止対策の要請もあったと聞いております。
どのような取組を行ったのかについて、もう一回、説明ください。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
関係自治体の要請を受け、PFOS及びPFOAの水質調査を実施した自衛隊施設のうち、下総航空基地、岐阜基地、芦屋基地、築城基地、新田原基地で基準値や指針値を上回りました。これらの施設につきましては、浄水器を設置したり、公共水道に切り替えたり、施設外への流出防止策を実施するなどしまして、必要な対応を取っているところでございます。
○塩川委員 県からの流出防止対策を受けて、処理装置による処理を実施したということであります。
そういう点では、特定されている、高い数値が出ているようなPFAS汚染のところについては、処理装置でその直下のところのデータは大きく下がっているのは確かなんですが、しかし、地域全体を見ますと、周辺における河川でもまだ高い数値が出ておりますし、また土壌の汚染ということも懸念をされているところですから、こういった点についても留意をし、河川や土壌の調査も必要だということを申し上げておくものであります。
このように、汚染物質の流出防止対策を講じるためにも、汚染源の特定が必要であります。
防衛省にお聞きしますが、PFAS汚染範囲の把握のために、地元自治体から要請があれば、自衛隊施設内のPFAS調査を行いますか。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
防衛省としては、これまでも関係自治体の調査にできる限り協力してきたところでございまして、今後とも、関係省庁や関係自治体と緊密に連携し、必要な対応を取ってまいります。
○塩川委員 そこで、茨城県小美玉市にあります航空自衛隊の百里基地についてお聞きします。
茨城県と周辺自治体の調査によって、空自百里基地周辺に高い数値のPFASが検出されました。百里基地北側の下吉影地域で四千百ナノグラム・パー・リットルを検出し、そのうちPFOSが三千八百三十ということで、PFOA主体の近隣の鉾田市域と大きな違いがあります。
PFOSは、油火災の泡消火薬剤として使用されてきた経緯があります。百里基地の北側には消火訓練施設があるので、その下流部に当たる地域から高い濃度のPFOSが検出をされているということではないのか。
下総基地と同様に、百里基地内の汚染状況の調査を行う考えはありませんか。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
令和七年六月、茨城県小美玉市が実施した調査で、下吉影の井戸から指針値を超えるPFOS及びPFOAが検出され、その後の令和七年九月の調査では指針値を下回ったと承知しております。
令和七年九月、茨城県から百里基地に対し、基地内井戸の状況等について情報提供するよう要請があり、百里基地から茨城県に対し、令和六年九月に実施した基地内井戸三か所の水質調査の結果として、いずれも指針値以下であった旨、回答したところでございます。
防衛省としては、これまでも関係自治体の調査にできる限り協力してきたところでございまして、今後とも、関係省庁や関係自治体と緊密に連携し、必要な対応を取ってまいります。
○塩川委員 高い数値が出たところで二回目には検出されなかったということですけれども、調査、検査の方で四千百が出た場所と二回目の検査をした場所は違うんですよ。小美玉市がそのように説明しておりました。そういう点では、まだまだその四千百という数値そのものは、その後何らか二回目以降の調査で変更とかはないわけで、いずれにしても高い濃度の汚染があるという状況も出ているわけであります。
そういう点でも、改めて、こういった汚染状況において、地元自治体から要請があれば基地内、施設内の調査、検査を行う、そういう考えはありませんか。
○江原政府参考人 お答え申し上げます。
先ほども申し上げましたとおり、防衛省としては、これまでも関係自治体の調査にできる限り協力してきたところでございまして、今後とも、関係省庁や関係自治体と緊密に連携し、対応を取ってまいります。
○塩川委員 是非、自衛隊として、汚染源の特定に取り組むことを求めます。米軍基地の汚染も極めて重大ですので、全国の基地の調査を行うことを求めるものであります。
そこで、水質基準の見直しに関して、黄川田大臣にお尋ねします。
四月一日から、水道法に基づく水質基準にPFOA、PFOSが加わり、今まで暫定値だった合計五十ナノグラム・パー・リットルが基準値となり、水道事業者は定期的な水質検査が義務化をされ、濃度が基準値を超えた場合に対策を講じることを求められるようになりました。
一方で、この基準値が低いとの、要するに緩過ぎるとの指摘もあるわけであります。
環境省の実施している十万人の親子を対象としたエコチル調査で、二〇二四年九月、信州大の研究グループが約二万五千人の妊婦の血中濃度を調査をし、妊娠中の母親のPFAS血中濃度が上昇すると子供の染色体異常が増える傾向があるとする論文を発表しました。母親の体内でPFASの血中濃度が二倍になると子供が染色体異常になる割合が二・二五倍に増えると推定できることが分かったということであります。
その他のエコチル調査論文からも、母子への健康影響は、極めて低いPFAS暴露でも発生することが繰り返し明らかになっていると承知をしております。
大臣にお尋ねしますが、是非、エコチル調査で得られた新たな知見を踏まえて、PFASの食品健康影響評価、耐容一日摂取量、TDIを見直す考えはありませんか。
○黄川田国務大臣 そのエコチル調査で得られた知見については承知しております。
その上で、PFASに関わる水道水の基準については、今委員御指摘のとおり、本年四月より施行されたばかりでございます。その運用管理、最新の知見を踏まえた見直しの必要については、まずはリスク管理機関である環境省において点検すべきものと認識しております。
そのような中で、水道基準の見直しが必要になった場合には、食品安全基本法第二十四条第一項第七号に基づいて、環境省より改めて評価要請がなされるものと認識しております。
このように評価要請がなされた場合には、食品安全委員会としてしっかりと対応してまいりたいと思っております。
○塩川委員 最新のエコチル調査など新たな科学的知見が集積をしておりますので、是非、水道水の基準値やTDIの見直しをすべき、その点、環境省も含めた対応を強く求めて、質問を終わります。


